『聊斎志異』を読む~牡丹の精「葛巾」と「香玉」
『聊斎志異』の花妖譚清・蒲松齢(1640~1715)の怪異小説集『聊斎志異』には、異類に関わる話が数多く含まれています。人間の男と異類の女との恋愛婚姻を扱うもので、花妖譚もその中に含まれます。
『聊斎志異』の花妖譚には、菊の精を描いた「黄英」、牡丹の精を描いた「葛巾」と「香玉」の計3篇があります。
全巻で500篇に近い作品総数の中での3篇という数は、異類の中で最も多い狐の故事が80余篇を数えるのに比べれば、ごくわずかな篇数であり、数量の上では、花妖譚は『聊斎志異』の中の