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中国の古典小説

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中国の古典小説(志怪・伝奇・白話長編小説)についての記事を集めました。
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記事一覧

『捜神記』「北斗と南斗」~寿命を司る星

魏晋南北朝時代、「六朝志怪」と呼ばれる怪異小説が盛行しました。 その中から、東晋・干宝撰…

泉聲悠韻
2日前
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『旌異記』「孫敬徳」~身代わり観音

魏晋南北朝時代、「六朝志怪」と呼ばれる怪異小説が盛行しました。 今回は、やや時代が下って…

泉聲悠韻
3日前
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『捜神記』「周式」~死亡予定者名簿

魏晋南北朝時代、「六朝志怪」と呼ばれる怪異小説が盛行しました。 その中から、東晋・干宝撰…

泉聲悠韻
5日前
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『捜神記』「黒衣の客」~幽霊はいないと言われた幽霊

魏晋南北朝時代、「六朝志怪」と呼ばれる怪異小説が盛行しました。 その中から、東晋・干宝撰…

泉聲悠韻
6日前
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『捜神記』「宋定伯」~マヌケな幽霊

魏晋南北朝時代、「六朝志怪」と呼ばれる怪異小説が盛行しました。 その中から、東晋・干宝撰…

泉聲悠韻
7日前
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『聊斎志異』を読む~蜂の妖精「蓮花公主」と「緑衣女」

清・蒲松齢 (1640~1715)の怪異小説集『聊斎志異』には、狐妖・花妖をはじめ、さまざまな異…

泉聲悠韻
9日前
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『聊斎志異』を読む~牡丹の精「葛巾」と「香玉」

『聊斎志異』の花妖譚清・蒲松齢(1640~1715)の怪異小説集『聊斎志異』には、異類に関わる話が数多く含まれています。人間の男と異類の女との恋愛婚姻を扱うもので、花妖譚もその中に含まれます。 『聊斎志異』の花妖譚には、菊の精を描いた「黄英」、牡丹の精を描いた「葛巾」と「香玉」の計3篇があります。 全巻で500篇に近い作品総数の中での3篇という数は、異類の中で最も多い狐の故事が80余篇を数えるのに比べれば、ごくわずかな篇数であり、数量の上では、花妖譚は『聊斎志異』の中の

『捜神記』「干将莫邪」~名剣の仇討ち

魏晋南北朝時代、「六朝志怪」と呼ばれる怪異小説が盛行しました。 その中から、東晋・干宝撰…

泉聲悠韻
2週間前
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【挿図・原文付】『三国志演義』「赤壁の戦い」を読む!

↑↑↑ 『三国志演義』の基礎情報は、こちらをご参照ください。 小説全体の「あらすじ」も載せ…

泉聲悠韻
4か月前
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唐代伝奇「杜子春伝」を読む~芥川龍之介は何処を如何に改編したのか

印度の説話 近代日本を代表する文豪・芥川龍之介の小説「杜子春」が、中国の小説を改編した…

泉聲悠韻
7か月前
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【チャイニーズファンタジー】中国の怖くない怪異小説 第9話「壁の中の天女」

壁の中の天女 江西の孟竜潭と朱孝廉が都にやって来た時の話である。 二人は、たまたまある寺…

泉聲悠韻
7か月前
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「石痴」の話~『聊斎志異』「石清虚」賞析

石の精神文化  「石清虚」は、清・蒲松齢の『聊斎志異』巻八に収録されている石マニアの話…

泉聲悠韻
8か月前
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【中国の思想と文化】「狂態」と「痴情」~『聊斎志異』に見る明末清初の文人精神

はじめに  本稿は、清朝初期の文人蒲松齢(1640~1713)の怪異小説集『聊斎志異』に登場す…

泉聲悠韻
8か月前
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【5分でわかる古典】はじめての『三国志演義』

『三国志』から『三国志演義』へ 三国時代は、西暦三世紀頃、中国大陸に「魏」「呉」「蜀」の三国が鼎立して覇を競った時代をいう。  『三国志』は歴史書、『三国志演義』は小説である。  西晋の陳寿が著した『三国志』は、「正史」(国家公認の正統な歴史書)の一つに数えられる。  三国の英雄豪傑の物語は、古くから民間で伝承されていた。  北宋の都・汴京や、南宋の都・臨安など都市の盛り場では、「説三分」と呼ばれる三国志語りが、講釈師によって語られていた。  元代には、そうした講談