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凄い営業資料を作る人、いなくなりがち説

こちらのポストについて、
「めちゃくちゃ本質!」
「現場感の欠如は本当に気をつけないといけない。」
「文字が小さくて読めないよ!」
など、様々なご意見をいただいたので、更に深く考察していければと思います。

キレイだけど売りにくい営業資料ができるメカニズム

営業資料職人の存在を中心においた営業資料レベルの推移

このグラフで言いたいことは3つ。

  1. 資料のキレイさはどんどん上がるけど、「売れる資料」かどうかは個人の技量に依存する

  2. 1人の営業力と資料作成能力を兼ね備えた「職人」が一気にレベルを上げる

  3. 職人がいなくなったあともキレイさは上がるけど、売れない資料になっていく

ということです。
なぜこれが組織ではなく「1人の職人」という言い方をしているかということなのですが、かなりレアな経歴を持たなければこの職人になることが少ないためです。
その理由について次以降のページで詳しく解説をしています。

❶職人はどこから誕生するのか?

営業の人が資料職人になることが効率的である

職人は「営業現場」からやってきます。
これは何故かというと、その会社における顧客と対峙する時間・回数が多く、どのようにしたら売れるのかを熟知しているのは営業であるからです。

常に営業資料というのは顧客から評価されるものであるため、顧客理解こそが最も重要な要素なのです。

しかし、ここで2つの難しい問題があります。

まず1つは、
正しく顧客理解ができる営業≒売れる営業
であるため、そのような営業は顧客が好きで、営業が好きで、評価が高いためなかなか営業現場から離れることはありません。
営業課長→営業部長のようにどんどんキャリアステップを駆け上っていきます。

また、もう1つの問題は、若くして正しく顧客理解ができて売れる営業は資料作成スキルが低いことが多いということです。(※商材によります。プレゼン形式のコンペ中心営業などは対象外)
これは単純な理由で、口頭でのコミュニケーションスキルがずば抜けて高い場合、資料を必要としないためです。

そんな中、正しく顧客理解ができつつ資料作成スキルがある程度高く、更には「営業現場ではなく、後ろから営業を支えたい!」と志す稀有な人材がたまに出てきます。これが、「職人」となりうる人材です。

※余談※
ここで注意したいのが「エセ職人」です。
「エセ職人」は資料作成をキレイに作る能力のみ高く、営業をすると売れない人材のことを指します。
なんとなくキレイな資料を作れるからこの人に任せてみようと思ってしまうのですが、売れない人が作る資料なので当然的を射ておらず、顧客には刺さりません。
しかし、本人は「営業が上手く使えないのが悪い」「顧客に刺さるように話すのは営業の仕事」とか言い出します。
「エセ職人」を炙り出すのは簡単で、営業現場に同行させてみましょう。現場営業よりも高い精度で受注を取ってこられるかどうかが判別ポイントです。

kanno調べ

❷職人は去る

何人もの職人が評価を去れずに去る後ろ姿をみてきました

幸運なことに営業現場から職人がやってきて、思う存分手腕を振るったとします。
当然のことながら営業資料が一気によくなれば業績にも好影響が出ます。
職人は営業から感謝され、会社も職人のことを高く評価します。

しかし、問題はここからです。

職人への評価は長くは続きません。なぜなら資料をブラッシュアップしきった後は、評価が下がるためです。
もちろん職人も何もしないわけではなく、後進の育成や更なるブラッシュアップ、仕組みづくりなどに取り組みます。
しかし、それは最初の大きなインパクトと比べると小さい成果となってしまいます。

更にここで難しい点が、大きな影響が目に見えない場合、職人の仕事を組織が高く評価することが難しいという点です。
資料の良しあしはあくまで定性的なものです。定量的なものと言えば売上なのですが、これは営業に紐づくため職人の直接評価にはなりにくいです。

そのため、職人は徐々に組織内で相対的に評価されなくなります。一方、営業は毎年同じことをして売上を一定上げ続けていたとしても数字で評価されるため出世しやすいです。

職人はどんどん評価され出世していく同期や後輩を横目に、組織を去ります。

※余談※
職人は会社から評価されなくとも営業の現場からの感謝の言葉があれば何とか生きていけることもあります。
しかし、営業現場も職人の存在に慣れていくのです。
最初は「とんでもない良い資料をありがとうございます!!」という声をわざわざ届けていた営業も、何度もハイクオリティな資料が出てくると毎回声をかけなくなっていきます。
また、職人が少しずつ権威を持ち始めてくると少しずつ話しかけづらくなっていくため余計に声が届きにくくなっていくのです。
どんどんクオリティを増す資料が出てくる反面、感謝の声は少なくなっていくという悲しい反比例に職人はゆるやかに自己効力感を無くしていきます。

kanno調べ

❸職人がいなくなった後の世界

視覚的にきれいな資料を作りたくなる引力は強烈

職人が去った後、職人の弟子達が資料作成を引き継いでいきます。
この弟子たちは営業経験の有無は様々ですが、職人よりも売れない営業であることがほとんどです。
その場合、資料のキレイさは引き継げても肝心の「売れる要素」を完璧に引き継ぐことはできません。

また、弟子がどれだけ頑張っても「職人の続編」としか評価されないという状況もあいまって、次世代のエースが生まれるハードルが高くなります。

また、営業推進組織が増えてくると、資料に対して様々なフィードバックが返ってきます。
ここで悲しいことが起こるのですが、非職人のフィードバックはその資料が「売れるかどうか」ではなく、誤字脱字・レイアウトの整い方・ルールに逸脱していないかなど、売れるためのフィードバックではなく「正しい資料」であるためのフィードバックが中心となっていきます。

これが極まると、資料に対する評価が「売れるか」ではなく「間違っていないか」に変容してきて、綺麗な間違いのない資料を作れる人が評価される歪な構造になっていくのです。

まとめ

キレイだけど売りにくい営業資料ができるメカニズムについてXの投稿を更に深堀して考察しましたが、結局のところ営業資料は「1名の能力に依存する」という会社組織において珍しい、個人プレイが全体の成果に直結するファクターだといえます。

営業資料を作る身としてはそこが魅力でもあり、一方で個人の全体への功績を図る仕組みが作りづらいため評価が受けずらいという弱点でもあります。

会社組織からみると、「売れる」営業資料を作れる人が出てくるかどうかはかなり大きな組織にならなければ、分の悪い賭けになってしまうともいえます。
「売れる」営業資料を作るために2つの施策があります。

手法①-社員を鍛える-

1つの手法としては、元パワポ芸人トヨマネさんが主宰する資料作成コミュニティ「シリョサクラボ」で売れている営業社員に学んでもらう方法です。

※kannoはここで「親方」というオンラインセミナー講師やフィードバックする担当をしていますが、報酬はもらっていないので100%純粋な気持ちでのおすすめです。非営利目的の宣伝です。私もここで技術を学んでいるので、上の資料を「いいな」と思っていただいた方には特におすすめです。

手法②-外注する-

もう1つの手法としては、一番最初の「売れる」営業資料を外注することです。
一番安心なのは才流のようなキッチリした会社さんにお任せすることです。私も一度無料のコンサルを頂いたことがあるのですが、凄く良かったです。

しかし、かなり予算はかかるので(私が聞いたときは80万円~くらいだった気が、、、)ある程度大きな企業が中心になるかと思います。

予算がそんなにかけられないよ、という場合はフリーランスの個人に依頼する方法もあります。こちらは費用はかなり抑えられます。
しかし、一方で質の面での不安があります。
選ぶ際には、「過去にどのようなものを作ったのか?」「どのようなプロセスで制作するのか?」などをしっかりと見るようにしてください。
特にプロセスは重要で、ヒアリングがしっかり入っていないものはやめておいた方が良いと思っています。

kannoも副業で細々と営業資料の作成・コンサルティングをしています。
料金や流れについての資料を用意していますので、気になる方はXのDMからご連絡ください。
https://twitter.com/kannonnka


ここまで読んでいただきありがとうございます。
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