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菊竹胡乃美『心は胸のふくらみの中』全国の書店員さんから反響の声ぞくぞく!

発売前から大きな反響をいただき、発売前重版となった菊竹胡乃美さんの第一歌集『心は胸のふくらみの中』。全国の書店員さんからいただいた感想コメントをご紹介します!

日常で出会う絶望が悲しみになり、そして心の底からの怒りになっていくのが痛いほどわかる。
生活の中でグロテスクに感じていたことを言い当てられた驚きと共感。
ふとしたことで自分が少しずつ死んでいく、だけれど生きていかなきゃならないこの感じ。
泣きながら笑って、死ぬほど頷いていました。

ジュンク堂書店秋田店
進藤菜美子さん

いつもは上手く仕舞っているのにね。そうしなくっちゃ、私たち生きていくの結構しんどい。むき出しなのはひた隠しにしている本性。それは月の満ち欠けに左右され、いつか社会に踏みつけにされたもの。守り抜くのも大変なのよ。ないふりした方が楽ちんなのよ。でもこれからは、勲章みたいに胸に飾っておこうと思う。
女性である私たち。オンナであることから逃れられない私たちは、この生をきっと謳歌できるのよね。
まだ小さな声からの強き意志での宣誓布告。
白くたなびく狼煙はどこまでも高く立ち上がる。

本の森セルバBRANCH岡山店
横田かおりさん

SNSで近しいひとの言葉を眺めているときのような親しみやすさに頬を緩めていたら、
次の瞬間に突き放され、だけどそれが不快ではなく、
ああ、わたしは菊竹さんのことを好きになっているのだと気付きました。

紀伊國屋書店小田急町田店
田中沙季さん

シリアスな状況も多いけれど、苦悩や葛藤に被さって平らに均してしまうようなユーモアがある。筆者は為す術もなく、均された道を押し流されていくようだ。
どこか距離をおいたようにも見える語りから、私達の生きる世界を受け入れることへの躊躇いと、孤島にいるような寄る辺のなさも感じられる。
淡々とした描写が、感情に寄り添うというよりは、点景のように遠く寂しく映る。けれど、不条理な世界の中で、あっさりと描かれた世界はどこか清々しく、広く尊くも感じた。
平易で、軽い冗談を言うようなユーモアには、奥から哀しさが滲んでいて、作り笑いをしているようにも見える。
そのような本心すら封殺されてしまう世界を恐ろしく感じるけれど、その中でも
懸命に、強く生きる作者をとても愛おしく、美しく思う。

がたんごとん
吉田慎司さん

自分のなかでこんなことおかしいと思っていることは、心の奥底にたまって、ある言葉、文章で発覚する。
そんな体験が現れて、感情が溢れ出るが、その感情の正体も自分で咀嚼できない厄介なものだ。
女としての生きづらさが深くみられるのに、それがポップに表現されて、押し潰されないようにどうにかとどまっている。
男とか女とかかなぐり捨てたい、でもつきまとってくるものもある。
一筋縄でいかない、咀嚼できないものにあえぎながら、
自分でも気づかない心の奥底に傷みを持ちながら、生きていく。
たらこくちびるでもいい。たらこくちびるとともに生きていこう。

ジュンク堂書店滋賀草津店
山中真理さん

瞬発的なツッコミ力と心の無防備な所にそっと触れるような繊細さ。
いくつかは聞いたことがある、知ってるかもしれないシチュエーション。
予想外の言葉なのにピタッとくるので読んでいて振り回されてしまいました。

BOOKPORT栗平店
齊藤愛美さん

すでに真っすぐに引けなくなった社会のものさしと、いつまでも私たちに意地悪な権力の構造のなかで、
社会と他者と折り合いをつけようとする菊竹さんの言葉の営みは、
わたしの痛みと深い場所で共鳴し、まなざしの解像度をいっそう高めてくれた。

やず本や
小野田麻衣子さん

深夜、どうしても女友達に今日あったむかつく話をしたくて電話する。それが出来ないとき、この歌集を読もうと思う。
この身体のシステムの理不尽さに対して、本気で怒っている人がいてくれるという安心感に包まれた。

ジュンク堂書店池袋本店
市川真意さん

もはやただの人間として生きているわたくし。成仏したかつての魂が次世代へ受け継がれ新規生成し、いくつも浮遊していることを想いました。あらゆることがこれ以上ないってくらい進化した世界でも、生身の体は原始的。贅を尽くしたアンチエイジングも皮を剥ぎ、肉塊の奥には進化しない臓器を内包しています。限界を本能的に感じるよくできた心で焦燥感に苛まれる数年間を生きなければならないのは一体なんの通過儀礼なのでしょう。

  あなたにはあなたのわたしにはわたしの パラシュートを開きながら

自分専用のパラシュートはきっといい場所に降ろしてくれると信じ、これからも柔道めちゃ強男を目指して生きていこうと思います。

本屋月と犬
A・Sさん

あの日、無知な私の短歌はどこから読んだらいいかわからないという質問に
素敵な笑顔で「どこからでも。駄菓子の詰め合わせのようなものです」と答えてくださいました。
この作品は駄菓子の詰め合わせのような可愛らしいものではなく、
レバ刺し3種盛りのように、刺激的であり、日々の感情の赤裸々さが胸に迫ってきます。
夜遅くに帰って何もできないとき、休日に予定がなく世間から取り残されたとき、
明日に向けての糧になる、そんな貴重な一冊だと思います。

文喫福岡天神店
入江さん


「女」 という身体を持った苦痛、 苛立ち、 不甲斐なさのみならず、
現代という時代の生きづらさ、 息苦しさを鋭利な刃物で切り裂くように
残酷に。 またあるときは、 やるせなさの先に垣間見える怒りを淡々と。
そしてまたある時は、 胸の内に燻る心細さや不安を繊細に詠む
あなたの心に棘刺す短歌集。

六本松蔦屋書店
峯多美子さん

たくさんのアツいコメントをありがとうございます!発売後も書評掲載やテレビ、ラジオへの出演など、たくさんの方に応援していただいております!ぜひ全国の書店にてご覧くださいませ。

http://www.kankanbou.com/books/tanka/0568


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