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Buen Camino 2022 あなたも巡礼に出かけてみませんか? ⑭

(14)「ミサがない日曜日」

 8/28(日)第10日、晴れ 
 今日もメセタを歩く。それでも、これまでの風景とは異なり、ブドウ畑が出現し、短い距離で次の村に入るなど、比較的変化もあって退屈しなかった。

古墳の横穴式石室のような?

これは、ぶどう酒を保存するための倉庫のようなものとして、使われたようだ。

ぶどう畑

 今日は日曜日であったが、通過した村の教会の鐘はならず、ミサを行っている気配はなかった。村の人口も減り、教会を維持するのが困難なようだ。

 逆に考えると、かつて大きな聖堂を建設した時、何がそれを可能にしたのであろうか?今では、どこの村の教会も朽ち、維持ができずに放置されている状態である。それが日本の過疎の村で見かける朽ちた寺や神社の姿に重なって見えた。近代化に伴う世界的な現象なのだ。

 心配した足のマメはどうにかなったようで、新たなマメもできていない。昨日停滞した成果が出たようだ。また、疲れの解消にもなった。ただスピードを落とし、気をつけながら、ゆっくりと歩いた。昨日の韓国人学生のI君が足を痛めて休憩していたので、大きめのバンドエイドを提供した。お互い様である。

 Renfeの鉄道を跨ぐ橋の上で、写生をしている男性がいた。高いところから見える景色は、確かにいい。これを渡ると、いよいよ町に入る。宿の町サアグーンSahagunは、平地に広がった鉄道が隣接する大きな町で、見え始めてから中心部に入るまで時間がかかった。しかし、ここは開発が止まったような町で、新しい家は少ない。石切場が近くにないので、泥で作った煉瓦造りの建物が多く、町全体がくすんで見えた。また、工場らしき物があっても、規模が小さい。人々の暮らしはどうなっているのだろうか?

 ここのアルベルゲは修道会の経営で6€と安い。2階は広く、ベッドも好きなものを選んでよかった。受付でDoor Codeというのを教えられたが、何のためのものか理解できなかった(後で、わかったが)。

 夕方、スーパーに夕食の材料を買いに出た。受付で教えられたが、なかなか見つけられず、歩いている人に聞いたら目の前にあった。例の電子レンジで調理するシリーズを買った。2回目である。
 1階がホールになっていて、そこでは音楽のコンサートが行われていた。日曜日の夜の催しなのだろう、8時頃まで行われていた。床の裂け目から音が漏れて聞こえるので、わざわざ聞きに降りて行く必要がなかった。

 巡礼中のアルベルゲのシャワーについて、ひとこと。お湯がぬるかったり、出ないということは一度もなかった。ただ、安い施設なので、いくつかのシャワーが壊れて、使いものにならないのがあることは理解できる。
 しかし、シャワールームの中や外に、タオルや着替え、脱いだもの等を置いておく棚のようなものや、それらを掛けておくフックのような工夫が全くないのが気になった。それはここだけの問題ではなく、これまでのアルベルゲの全てでそうであった。ちょっとした工夫で済むことなのに、そういうことを放置している感覚がわからない。私がおかしいのだろうか。少々であれば料金を高くしてでも、使い勝手がいい施設を目指すべきではないだろうか。  (23.9km、40,475歩、6:45)

道標

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