見出し画像

パラグライダー旅:東洋のドロミテ・妙義山でのフライトを写真とともに振り返る

パラグライダーで事故が多いのは、飛行機と同じで、離陸時と着陸時だ。無事に離陸して、上空を滑空している(=まっすぐに飛んでいる)飛行機が理由もなく落ちることはない。高度が下がって着陸するときは、離陸時より気を使う。やり直しできないし、風が強ければ煽られるし、離陸した場所に障害物があったら事故に直結する。

だから私は初めてのエリアに行くときは、事前に離陸場(テイクオフ)と着陸場(ランディング)の情報収集をたくさんする。情報収集といっても特別なことをするわけではなく、ひとに話を聞いたり、雑誌やインターネットで写真・動画が見当たらないか探したり、旅行先について調べるのと同じようなことだ。

諸々の流れでパートナーと「日曜に妙義山へ行こう」という話になったものの、私は戦々恐々だった。連れは数年前に行ったときにランディングで木に引っかかったというし、土曜に会ったベテランのパラ仲間からも「妙義はランディングがちょっと難しいよ〜」と聞いたし、YouTubeを探してもランディングを近くから撮影した様子はあまり見つからなかった。天気予報は曇りであまり楽しく飛べないような気もするし。まあ無理してパラグライダーせずにエリア見学だけしようかな、富岡製糸場に観光にいってもいいし…と思いつつ、4月のある週末、連れが運転する車に乗せてもらって日帰りで妙義山へ向かった。

結論から言うと… 上空から眺める日本三大奇景、サイコーでした!

東京からエリアまでの道のり:車でも公共交通機関でも2時間

妙義山は「日本のドロミテ」とも呼ばれるらしい…が、地理にもイタリアにも興味が薄い私は「ドロミテ」と言われてもイメージが沸かなかった。妙義に到着して奇岩のつらなる特徴的な景観を目の当たりにして、そして予想外に楽しく飛べて大満足。そして帰宅後にドロミテの写真検索をして「なるほどちょっと似てるな」と納得。むしろ私的には「ドロミテは、イタリアの妙義」という理解になった笑。

東京から妙義山のパラグライダーエリアまで、車なら上信越自動車道の松井田妙義ICから5分。高速を使ってしまえば車移動はとてもラクだ。高速を降りると田舎らしい風景が広がっていてでほっとする。しかしそれはつまり、公共交通機関だとかなり不便ということ。

電車ならJR信越線で松井田駅下車、そこからタクシーに乗ると10分程度とのこと。帰りは…誰かの車に便乗させてもらわないとちょっと大変。高崎駅で下車してレンタカーを借りてもよさそう。

東京都心から妙義まで 水色ラインは関越道を使った車ルート

テイクオフ:さえぎるものなく、見晴らし抜群

峠道から突き出たところに、忽然とあるテイクオフ。周囲に遮るものはなく、すごくテイクオフしやすい。風が強くなるとあっという間に強くなりそうな地形なので、風速には要注意。

絵に描いたような、見晴らしのよいテイクオフ
テイクオフに降りても(トップランも)OK

フライト:ぶっ飛び3分か、高度1500m以上まで上げて数時間お空の散歩か…日頃の善行が試される!?

テイクオフとランディングの高低差は150m。弱い上昇気流(サーマル)を拾えないと3分でランディングしてしまう(パラ用語でいう「ぶっ飛び」になりやすい)。それはそれでランディングの良い練習になる…けれど、できればサーマルがたくさん発生するに行きたい。天気予報を睨んでその日のコンディションを予想して、最終的には運次第…日頃の行いがものをいう世界(?)。運が良ければ岩山の山頂と同じかそれ以上に高度を上げて、奇岩からなる岩山のごつごつした景観を上空から堪能することができる。私が行った日はまさにそういう「素晴らしいコンディションの日」で、行く前に抱いていた恐怖感をふっとばして、とても幸せなフライトをできた。

上空1500m パラグライダーを探せ!1
上空1500m パラグライダーを探せ!2

ランディング:段差あるので要注意。でも気をつけていれば大丈夫

ランディングは段差と斜面に挟まれているので、降りる場所には気を遣う。また風の方向が変わりやすいも要注意。私は風向きが変わるタイミングで降りて、最後にしっかり転んでしまった…けれど、怪我はなかったのでよしとしよう。次に行ったらもっと颯爽と降りたいなぁ。

段差は避けて降りましょう

フライト帰り:道の駅でソフトクリームに舌鼓、富岡製糸場もあるよ

テイクオフと高速ICの間に、道の駅みょうぎがある。お土産を買うもよし、ソフトクリームに舌鼓を打つもよし。私が訪問した4月上旬には、さくらのソフトクリームもあって美味しかった! もしも飛べないときは、富岡製糸場に見学に行くのもよさそう。

さくらソフトクリームは期間限定

お世話になったスクール・クラブ

妙義でパラグライダーをしたいときは、妙義スカイパークへGO。タンデムや体験もやっているので、初めてのひとも妙義山観光ついでにどうぞ。

現地のYouTuberさんに撮影してもらいました。ありがとうございました!


サポートでいただいたご厚意は、「パラグライダーと私」インタビューで生じる諸経費や執筆環境の整備に使わせていただきます。