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「他人が羨ましい!」を飛び越えて。羨望心とは、上から目線で付き合おう

35歳になるまで全力でスポーツ関係のあれこれから逃げてきた私、運動部に属したこともなければスポーツ観戦の経験値もほぼゼロ。そのためスポーツ界隈の人はなんとなく爽やかなイメージを持っていた。ところが。パラグライダーというスカイスポーツを趣味にしてみると、他人が羨ましいと思う事がある。しかも結構、高頻度にある。

  • 自分が仕事の日に飛んでいる誰かを見て「いいなぁ…」

  • 定年後で時間がたくさんある誰かを見て「いいなぁ…」

  • ツアーに行って楽しそうな写真をあげてる誰かをみて「いいなぁ…」

  • 自分より高い空域を飛んでいる誰かをみて「いいなぁ…」

  • 運動神経がよい誰かをみて「いいなぁ…」 などなど……

「人を羨ましいと思う心」=羨望心。それはうまく昇華すれば憧れ、しかし下手をすれば嫉妬になってしまう厄介な感情。学校や仕事、住んでいる自治体やマンション・地域の近所付き合いなど他者がいる環境ならどこでも発生しうる、社会生活につきものの感情。スポーツならそうでもないのかな…と思いきや、パラグライダーも例外ではなかった。

せっかくの余暇に楽しむ趣味なのに、他者を羨んでないものねだりばかりしていたら楽しさ半減……できたら考えずにいたい、でも無意識に生じてしまう、それが羨望心。そんな厄介な感情とどう付き合おう? 考えられる対応方法を、思いつくままに書きだしてみる。

  • 無視する。何事も、気にすれば気にするほど頭から離れなくなるもの。できるなら、心に浮かんでも深く追わずに無視するのが一番。でもこれが出来れば苦労しない!というときもある。

  • 相手に直接「いいなー!」と伝える。「いいなー!」と言葉にすることでスッキリすることもあるし、そこから対話が生まれて、羨ましく思う状況の裏には意外な悩みがあると判明するときもある。

  • 頑張ってどうにかなることなら、同じことができるように頑張る。

  • 頑張り以外の要因なら、自分が同じ状況になったらどんな気分になるか、副産物として生まれる苦労はないかを想像してみる。

  • あきらめて事実を受け入れて、自分ができることに集中する。

適切な対応方法は人や状況によって千差万別。しかしひとつ言えることがある。他者と比べているときは忘れてしまいがちだけど、どんな人にも恵まれていることは必ずある。

自分の持っているものについて、それを特別と感じることは難しい。もちろん自分自身に対して「羨ましい」と思うことはない。しかし他人は自分に対して「あいつはいいなぁ…」と羨望のまなざしを送ってるかもしれない。自分が気付かないだけで。

このnote冒頭に挙げたさまざまな「いいなぁ…」のまなざし、自分に対して投げかけている誰かもいるかもしれないよ?

神様の目線になって、想像してみよう。

  • 自分が仕事の日に飛んでいる誰かを見て「いいなぁ…」→自分が働いている日に休んでいる誰かもいれば、自分が休みの日に仕事している誰かもいる。その人は私が休みの日に「飛んでていいなぁ」と思うだろうな…

  • 定年後で時間がたくさんある誰かを見て「いいなぁ…」→定年後にパラグライダーを習い始めた誰かは、30代で始めた私を見て「自分ももっと早くパラグライダーをやっていればよかった!」と思うかもしれない。人は若返ることはできないから後悔しても仕方ない、でも他人を見ると羨ましく思うこともあるだろうな…

  • ツアーに行って楽しそうな写真をあげてる誰かをみて「いいなぁ…」→ツアー(パラグライダー旅行)はお金も時間も必要。しかし2023年の現在、いくらお金を積んでもコロナ前の世界に行くことはできない。コロナ前は円高だったし航空券も安かった。私は2019年にトルコフライトツアーに行けてラッキーだった。羨ましがる人、結構いるだろうな…

  • 自分より高い空域を飛んでいる誰かをみて「いいなぁ…」→高度を高く上げるのはパラグライダーの醍醐味。ところがテイクオフのタイミングが数分違うだけで、他の人よりもずっと高く上がることはパラグライダー界の「あるある」。スキルよりも運の要素が大きい。宝くじと同じで、やってみなければわからない。だから常に誰かが他の人をみて「いいなぁ」と思っているんだろうな…

  • 運動神経がよい誰かをみて「いいなぁ…」→どんなに運動神経がよい人でも、病気や怪我をしたらパラグライダーはお休み。そして周りをよく見ていると、運動神経がよい人ほど無理をして怪我をしがち。私は運動神経が悪いからそのぶん注意深くて怖がり、そのおかげか今のところ大きな怪我をしたことがない。しかし私が運動神経が悪いことを心底痛感しているのは世界で私だけ。だからそのことを知らない誰かには「あいつは怪我がなくていいなぁ」と思われているかもな…

「隣の芝生は青く見える」とはよくいったもので、自分以外の誰かを「いいなぁ…」と思うネタはいくらでも、本当にいくらでもある。

誰かを「いいなぁ…」と感じる思いが浮かんでしまって、羨望心に心を占拠されてしまうようなときは、視点をちょっと変えて、上から目線になって、「私も誰かに『あいついいなぁ…』と思われてるかも?」と妄想してみよう。自分が無意識にもっている恩恵に気づくきっかけになるかもしれない。


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