マガジンのカバー画像

京急の街

29
京急の街を歩いて撮った写真、そのとき思ったことを書いたnoteです。
運営しているクリエイター

記事一覧

京急の街「追浜」|ホワイトノイズと僕の脳

京急の街「追浜」|ホワイトノイズと僕の脳

2024年5月

しばらくnoteを見ていなかった。
見れていなかったのか、見ようとしていなかったのか。
確かに仕事は忙しかったし
仕事は仕事で充実していたから、
それはそれでいいような気もした。

写真はといえば、仕事でたくさん撮っているし、
それもそれでいいような気がした。

でもなにか「違う」という感覚が
この1ヶ月ずっと頭のなかにあった。

昨日金曜ロードショーで「猫の恩返し」を見た。

もっとみる
京急の街「生麦 」|憧憬としてのベイブリッジ

京急の街「生麦 」|憧憬としてのベイブリッジ

僕が幼稚園生のころだったと思う。
家族でベイブリッジに行った。
大黒側には橋の袂に公園があって、父と滑り台で遊んだらしい。
父ははしゃいでいたのだろう。
変なふうに滑って、ぎっくり腰になったらしい。

「ベイブリッジに行く」という言葉が成り立つ時代だった。
わざわざ見に行くようなものだった。

今となっては車で通過するだけ。
減速に注意しながら車線変更する車を煩わしく思いながら走るだけの橋。
とい

もっとみる
京急の街「八丁畷」|すてないで

京急の街「八丁畷」|すてないで

2022年、夏。
安倍元首相が襲撃・殺害され、僕はもう少し今の世の中をちゃんと見なければいけないような思いに至った。

何か違う時代に突入したような、そんな感覚で、でも何が起こっているのかと問われても、自分なりにでも説明ができない。
こういうときに写真というツールを用いて理解を深めていきたいと思うのはなんだろう。自分の中で写真というのはそういう存在らしい。

とはいえ、何を撮ればいいかわからない。

もっとみる
京急の街「YRP野比」|自然要塞と電電公社と養護学校

京急の街「YRP野比」|自然要塞と電電公社と養護学校

自然要塞YRPちょうどもう一年前になる。
2022年7月の日曜日。YRPの研究施設群を歩いていた。

暑い。
白い地面が太陽を反射して、体力と水分が奪われていくのがわかる。
この研究施設群には見渡す限り人っこ1人いない。
そのだらしなく広がる空間が、手入れされていないくすんだ白のタイルを大きく見せる。
反射する光が自分を包み込んで、意識は遠のき、波立つような格好の施設は僕の視界まで捻じ曲げ、遠くを

もっとみる
【京急の館】京急ミュージアム(予約必須)|昭和の一次資料にマジ興奮

【京急の館】京急ミュージアム(予約必須)|昭和の一次資料にマジ興奮

京急は調べれば調べるほどおもしろい。

歴史があり、そこに駅がある理由がある。
京浜工業地帯の発展の歴史に深く紐付いており、そこから太平洋戦争期、高度経済成長期の日本が垣間見れる。

そんな僕には鼻血がでるほどおもしろい場所がある。
「京急ミュージアム」である。

先日京急ミュージアムに行ってきた。

京急ミュージアムとは

京急ミュージアムとは、公式ページのコンセプトの通り、「『

もっとみる
京急の街「能見台」|旧兵器工場、現ニュータウン

京急の街「能見台」|旧兵器工場、現ニュータウン

年始、京急の駅、能見台を訪れた。

以下のnoteへいただいた、ひとつのコメントがきっかけだ。

スキ、ありがとうございます。
私は能見台で育ちました。
そして母と共に家を出ました。
京急線で育ちました、むしろ他の路線はほとんど知りませんでした。
JRを知って電車があんなに安定した運転をすることを初めて知りました、京急はカーブが多いしガタゴトと揺れ特有の匂いもしますから。

能見台は昔は谷津坂と呼

もっとみる
僕はなぜ京急の街を撮るのか|Kaniemon自己紹介

僕はなぜ京急の街を撮るのか|Kaniemon自己紹介

アカウント名を「京急の街フォトグラファー」としてしまった。

半分、決意表明みたいなものだ。続かなかったら笑ってください。

僕は今、京浜急行の街を、なるべく全部、数年かかってもいいから、写真を撮りたいと思っている。

品川から浦賀までの本線、京急蒲田からの空港線、京急川崎からの大師線、金沢八景からの逗子線、そして堀之内からの久里浜線。

合計72駅。

一つの駅が一つの記事で収まらない可能性もあ

もっとみる
京急の駅「品川」│そして僕は妻子の待つマンションに帰るだけ

京急の駅「品川」│そして僕は妻子の待つマンションに帰るだけ

誰か私に、生と死の違いを教えて下さい――ネットに飛び交う「自殺」「逝きたい」の文字。電車の中、携帯電話を手にその画面を見つめる少女、市原百音・高校一年生。
形だけの友人関係、形だけの家族。今日、少女は21時12分品川発の電車に乗り、彼らとの「約束の場所」へと向かうのだがーー。
居場所のない「一人の少女」の「魂」に寄り添い描かれた傑作。
(Amazonより)

品川駅に行った。

「JR品川駅高輪口

もっとみる
京急の街「梅屋敷」|焼き鳥を頬張りながら感じた「違和感がない」という違和感

京急の街「梅屋敷」|焼き鳥を頬張りながら感じた「違和感がない」という違和感

梅屋敷に来た。
京急は多摩川以北が高架が続く。
車窓からは高架とちょうど同じ高さくらいの建物が永遠に広がり、その先に夕日に霞むビル群が見える。

あれは新宿でも渋谷でもない。
武蔵小杉だ。
ずいぶんと景色が変わった気もするが、住宅がサバンナの草原のごとく広がるこの光景はずいぶん前からあるんだろう。

先日、ツイッターでこんなメッセージをもらった。

雑色、梅屋敷、大森町には個性的な商店街があって楽

もっとみる
京急の街「京急鶴見」|鶴見駅東口のスナック街はGW明けに元気になるだろうか

京急の街「京急鶴見」|鶴見駅東口のスナック街はGW明けに元気になるだろうか

GWの初日。

都内まで行くのは遠慮した。
でも少しは出かけたい。
写真撮りたい。

京急を撮らねば。

なんとなく、京急鶴見あたりに行ってみようと、
カメラを持って出かけた。

京急鶴見駅について京急鶴見はKK29、品川から19分。
京急蒲田でエアポート急行に乗り換えが必要だ。
「鶴見」はJR京浜東北線の駅でもある。
川崎と横浜のちょうど中間あたり。
駅ビルもあり、チョコレートの森永の工場や鶴見

もっとみる
京急の街「京急東神奈川」|父よ、なんとなくわかったさ

京急の街「京急東神奈川」|父よ、なんとなくわかったさ

※2023/12/17 写真をリニューアルしました。

父が若い頃に見た風景が知りたくなった。

そう思い立って「京急東神奈川」を散歩してきた。

京急東神奈川は京急本線の駅でKK35。2020年3月14日に「仲木戸」という名前から現駅名に変わっている。横浜から少し北、湾岸に位置する駅で、品川からだと各停で46分かかる。

京浜東北線の東神奈川駅と隣接しているから、正直品川からなら京浜東北線のほう

もっとみる
京急の街「京急川崎」|川崎市民の母が嫌がっていた「川崎」

京急の街「京急川崎」|川崎市民の母が嫌がっていた「川崎」

前回は母の価値観や生き方、それに対しての僕の考えを書いた。

簡単に言うと、

・母の考え方は高度経済成長の中での劣等感から生まれた歪んだ考え方。僕からすると時代錯誤も甚だしいと感じる。
・でもそれを「今は違うんだ」「自分は違うんだ」というほど、ちゃんと自分自身で世界を見ていない。ただどこかで習ったり聞いたりした正しさをふりかざして反論してるだけ
・そろそろちゃんと自分自身で世界を見ないといけない

もっとみる
京急の街「川崎大師」|コロナでも厄除けってしてますか?

京急の街「川崎大師」|コロナでも厄除けってしてますか?

今年は初詣に行かなかった。
これがなんとなく気持ち悪い。

宗教観からなのか、単に年中行事としてやっていないからなのか。
いずれにせよ、僕は無宗教だし、他の年中行事なんて全然興味がないつもりだったんだけど、初詣だけはなぜかないとだめなんだな。

そんなわけで、さすがに空いているし、空間も広いだろうということで、川崎大師に遅ればせながら初詣らしきお参りに行ってきたのだった。

案の定、これまで見たこ

もっとみる