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コンディショニング指導~アイスホッケー~

千葉県を中心に活動しているアスレティックトレーナーの蟹田です。
主にコンディショニングジム内で一般の方、アスリートを対象にコンディショニング指導を行いつつ、スポーツ現場でチームに対してコンディショニング指導を行っています。

先日、東京都にあるアイスホッケーチームにコンディショニング指導に行ってきました。
今回はその時に感じたことなどをシェアしていきたいと思います。


コンディショニング指導のきっかけ


今回初めて「アイスホッケー」チームのコンディショニングをさせてもらう機会をもらいました。きっかけはジムに通ってくれている方で、かれこれ10年程のお付き合いになる方がコーチをされているのがきっかけでした。
当時、東京の瑞江に店舗を構えていた時に入会された方で、当時はウエイトトレーニングをガシガシ行うタイプだったのですが、うちに入会されてモビリティやスタビリティなどの「コンディショニング」をすることによって痛みの軽減やパフォーマンスが向上したことを実感して、
「是非、うちのアイスホッケーチームでも指導をお願いします!」
と依頼をされたことがきっかけとなります。
いろいろなこともあり、本格的に「じゃあ、やりましょう!」となったのが4年ほど前でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うチームの活動停止などがあり、延期になってしまっていました。
しかし、今年から新型コロナウイルスの規制も緩和され、長いお付き合いのある私が昨年大阪から戻ってきたこともあり、今回のコンディショニング指導に繋がりました。
こういった縁は本当にありがたいことです。
コーチ自身がトレーニング(コンディショニング)を行うことで身体の変化を実感し、それを子どもたちにも実感して欲しい。という思いでチームに招いてもらう。自身の経験だけでなく、外からの専門家からの指導をすんなり受けて入れてくれるチームの柔軟性にも感謝です。

まずは何をしていこうか?

さて、アイスホッケーチームへの指導はトレーナーとして活動して初めての経験です。
何をしようかなぁ?
とも考えたのですが、対象が小学6~中学3年生の男女、成長期の子どもたちで身長もバラバラという事前情報はなんとなく頭に入っていました。
その他、アイスホッケーの動きや特徴、ルールであったり、チームの子どもたちの特徴など事前に確認できる部分は確認して臨むようにしました。
※実業団チームの動画なんかにも目を通したり。
とは言っても、私もトレーナーとしてそれなりに年数を重ねてきています。
■アイスホッケーだからこのトレーニングをしよう!
■アイスホッケーに特化したトレーニングはないか?

という、変に競技に特化したトレーニングをすることはしないように考えました。確かに競技特異的な動きをすることで見栄えは良いかもしれませんが、長期的に見た時に本当に効果があるのか?と疑問が生まれてしまいます。
と言うことで、「競技に特化」せずに「チームの課題」にフォーカスするということをテーマにプログラムを作成することを決めました。
チームの課題としては、
・柔軟性が低い
・体の使い方が上手でない
・体幹が弱い(当たり負けしてしまう)
・パワーポジションが作れない
・止まるのが上手じゃない
など、挙げればキリがないんじゃないかというくらい様々なことが出てきました。その中でも成長期の選手に重要な要素や、これとこれは違うことを言っているかもしれないけど、必要な要素は同じだなぁ。要するにこれとこれは同じことなんだろう。などを考えて課題となる部分を自分でまとめてみました。
結果、今回改善していこうと決めたことは、
・股関節・肩甲骨周囲を中心とした柔軟性の向上
・適切な動作パターンを獲得し、当たり負けをしない感覚を身につける

の2点に絞りました。

股関節・肩甲骨周囲を中心とした柔軟性の向上

やはりこの辺りの課題と言うのはどのチームやカテゴリーにおいても外せないよう要素になるのかと思います。モビリティ関節で下肢の動きの中心となる股関節、同様の関節分類で上肢の動きの中心となる肩甲骨(胸椎)は重要な部位。特に成長期となれば身長の増加に伴い、柔軟性の低下も出現する時期。成長痛などの障害予防の観点からもここは外すことのできない大事なポイントとなります。

下肢の柔軟性は傷害予防の点からも重要な要素
男の子は女の子に比べて柔軟性が低い印象があります。

写真の様なダイナミックストレッチを行ったり、楽しみながらできるような種目を選択するなどして柔軟性の向上を図りました。

Before/AfterのBeforeがありませんが、股関節コンディショニング後には全員前屈がつま先まで触れるようになりました。

自分自身でも感じ、周りのコーチや親御さんの目にも見えるような変化を出していくこともトレーナーとしてのパフォーマンスでは大事なこと。変化を実感できれば継続にも繋がります。

適切な動作パターンを獲得し、当たり負けをしない感覚を身につける

「当たり負けしない」といっても様々なシチュエーションがあるかと思います。(スケーティング中、パックを取り合う際など…※あまり詳しくはありませんが。)
今回はシンプルに「パワーポジションでの安定」をテーマにトレーニングをしました。
とは言え、まずは「適切なパワーポジション」を獲得することから始まります。実際このパワーポジションをしっかりと取れていない選手って結構多いのです。体幹の適切な前傾、股関節・膝関節・足関節の屈曲が取れていないで膝が前に出るような姿勢や、体幹の屈曲が起きてしまっているなどのエラー動作がよく見られます。
このポジションが取れていない原因としてもは
①モビリティの欠如
②モーターコントロールの欠如
③動作を理解できていない
などが挙げられます。これに関しては①は良く見られますが、案外③も多くいたりするのです。①は事前のコンディショニングで改善を出来ているので③を改善していくために様々なキューイングやアナロジーを使い、手などで抵抗を掛けたりしながら感覚を掴んでもらいました。

二人一組で相手に押してもらいそれに耐えるというシンプルなドリル
その他にも瞬間的にパワーポジションを作っていくためのドリルとしてのジャンプ種目(プライオメトリクスの要素も有り)
進行方向を変えるなどして様々なポジションでも安定できるように工夫

普段からコーチが定期的に「陸トレ」と題してリンクが使えない時に、ジムで教わったことをそのまま選手たちに実施をしてくれているので、比較的上手に出来ている選手が多くいました。

コンディショニングを当たり前に

このように普段関わらないスポーツの選手と関わることで、そのスポーツをしている選手の特徴を掴めたり、共通する部分を掴めたりすることが出来るのは良い気付きとなりました。
やはり、「コンディショニング」はどのスポーツでも共通事項であるし、外せない要素にはなってきます。
ここ数年「コンディショニング」が広まってきていますが、それも広く見てみるとごく一部ですので、まだまだ浸透していないチームや団体で指導をしていき、傷害予防やパフォーマンス向上に貢献できればと考えていますし、そういったことを自分自身今後もやっていきたいと思っています。
【コンディショニングを当たり前に、自分の身体を自分で治せるように】
そんな世の中になるように活動を続けていきたいと思います。

最後に記念写真


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