【ものがたりの魔法とは?】クラナドが自分の原点な話。

この記事は、ファンクラブに投稿された過去記事です。


【ものがたりの魔法とは?】

おはようございますー!
クリスマスですね。いかがお過ごしでしょうか。
ここ北九州の日本時間も、無事24日を迎えました。が、相変わらず僕の時空がずれているのか
全く実感がない模様。僕のもとにサンタが来ない世界線に飛び込んでしまったようです。

そんなロンリーな今日は、息抜きで銭湯いった後、ファンクラブの紹介記事の制作(漫画入れる予定なのでもうちょっとかかりそうですっ)
しようかしら。つけものの朝、カラー漫画は30p近くになりそうですが、1p1p進んでおります。
実は、次回作の小説も完成しつつあるんですよね笑
なので、つけものをマネタイズしきった後は、次回作に取り組もうと思います。

さて最近はお金やくどい話ばかりしているので、あたたかいお話をしましょう。
僕には、物語にはまほうがある!スバラシイッ!!と心から思えた、制作づくりの指針となる1つの作品があります。
知る人ぞ知る、原点にして頂点のものがたり「クラナド」です。

▼クラナドは人生
クラナドとは、もう15年以上前に発売されたノベルゲームです。端的に言うと、恋愛シミュレーションゲーム。
主人公の男子高校生が、様々な女子高生とのイベントを通じて親しくなり、誰かと恋におちる。
よくありそうなゲームですが、かの京都アニメーションによって50話の大ボリュームでアニメ化されました。

それが、僕の原点であるアニメ「クラナド」です。


アニメ化当時の時代の煽りか、絵柄はとにかく「THE萌えキャラ」。僕は初めてアニメを見たのは2014年ぐらい。
大きすぎる目と、古めかしい髪形、面白いよと言われても「うわ・・オタクっぽ」とずっと敬遠していましたが、ニコニコ動画で
一挙放送をやっていたことがきっかけで観ることになりました。

「クラナドは人生。」

こんなワードの感想が、至るところに書かれていました。どゆこと?と、ごく普通の学園恋愛アニメを半信半疑で見続けていると
少しずつ少しずつ、その意味が体中に静かに迫ってくるわけです。
このアニメの神髄は、シーズン2である「クラナドアフターストーリー」

普通の物語あれば、主人公とヒロインが結ばれてハッピーエンド。よかったねおしまい。
で終わるじゃあないですか?実際、クラナドシーズン1はまごうことなきハッピーエンド。可もなく不可もなく
ふつーだなと思いましたね。しかし、どこかずっと引っかかる描写があり、「・・これは、ただのハッピーでおわらないんじゃ?」と
予感させるものがあったんです。

▼人生が変わってしまうほどの「魔法」

アフターストーリーを観てみると、僕は茫然自失しました。
「ここまでやるか・・?」と、アニメをアニメで終わらせない、恋愛を恋愛で終わらせない
人間の本質に迫る展開の連続で、気づけば僕は、1人の実在する人間を観ていました。

ネタバレ厳禁ですが、シーズン2では2人が結婚して、狭い1Rで暮らし始めて、主人公は社会人として仕事を始めて、子供が生まれて・・。
その周りで、2人の家族や、仕事仲間、高校の仲間、町のいろんな仲間に支えられ、それがなんか、めっちゃくそリアルなんですよ。
あったかいんですよ。

ヒロインの親に結婚を伝えるシーン、結婚しようとヒロインに告白するシーン、出産するシーン、喧嘩するシーン、病気がちヒロインを介抱するシーン。

当たり前に思えるシーンの1つ1つが、とても尊く大切に、感じられるんです。
シーズン1で見てきたキャラが、より存在感を増していくんです。
なんだか、自分が家庭を持ったのか?という気さえ感じます。

僕が面白いなーと思ったのは、恋愛が実った後の話をアニメで描くということ。
一見ゴールインに見えても、もう酸いも甘いも、色んなコトが待っています。
普通のアニメは、ゴールイン後は絶対描かないですよね。誰が観たいんだと。
ただの日常じゃないかと。


自分の生き方、友達、家族、子供、移り行く町・・・。
世界はどんどん、変化していきます。


「あれ?これ恋愛アニメじゃなかったっけ?」

と、あっけにとられるのもつかの間、後半ではそんな温かい日常が少しずつ壊れていきます。
僕は完全に主人公の心とリンクしていたので、僕の絶望も一塩。放心状態です。


大きなものを失った主人公は、途方にくれて子供も放って飛び出し嘆くんです。
気づけば主人公は、毛嫌いしていた自分の父親と同じ、シングルファザーになっていました。

そこで初めて、父親の気持ちに気づくんです。
初めて、子供の大切さに気付くんです。
人生は自分の思うようにいかない。

それで、疎遠だった父親に再会して、不器用な感謝をするんですね。

それはもう、現実世界の出来事そのものでした。

「クラナドは人生。」

僕は完全に、「この人間は、物語は存在する!スバラシイ体験、宝物である!」と
ものがたりの魔法にかけられたのでした。
現実世界に戻っても、全く見え方、感じ方が変わってしまうんです。


この作品は、恋愛から始まって、家族ひいては人と人とのつながりの「絆」を描いた物語です。
そこには、1人1人の人生があって、絡み合って、一つのものがたりが生まれます。

そこを真摯に嘘偽りなく、丁寧に描いた先には、もはや物語や創作の枠を飛び越えて、直接的な体験として
お客さんの心に届けられるのだと思いました。

この作品を通じて、自分の生き方、世界の見え方が変わった、そんな方がたくさんいるのではないでしょうか?

クラナドには、人生が変わってしまうほどの、エンタメの枠を超えた物語の「魔法」が確かにありました。


僕は改めて、皆さんの心に「魔法」を生み出せるような作品を創っていきたいと思いました。
では!

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