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ふたつの窓。

キッチンのテーブルが 私の書斎

そこから見える ベランダの大きな窓からは 

ひとつは ぐっと枝を伸ばす 元気なイチョウの木と

もうひとつは お向かいの家の窓が あっちの方に見える


イチョウの木の窓からは 雨に濡れて キラキラする葉っぱが顔を出し

お向かいが見える窓からは 今にも誰かが 現れてきそうだから

やっぱりイチョウの窓を見ると ハート型の葉っぱの模様が かわいくて

思わず嬉しくなって クスッと笑った


そして また もうひとつの窓を見ると あれっ? 

イチョウの葉っぱがくれた その幸せな気分が どこかに消えて

お向かいの家の窓から 誰かがこっちを 見ているような気がしてきた

そして なんとなく気になって 窓を閉めようとした


おかしいな いったい この違いはなんだろう

ひとつの窓を見る私は とっても幸せな気分になり

もうひとつの窓を見る私は 不安な気持ちになってしまう

ふたつの窓は 同じただの窓なのに いったい この違いはなんだろう


そこには・・・

ひとつは 大好きなイチョウの木を見る 私と

もうひとつは お向かいに見られることを想像していた 私がいた


ひとつの窓から 見る私は しあわせになり

ひとつの窓から 見えるだろう私は 不安になった


どっちの窓を どのように見るか 

それって 実は 人生そのもの なのかもしれないな


そんなことを思った ある 初夏の午後だった





拙い文章を読んで頂いて、ありがとうございました。 できればいつか、各国・各地域の地理を中心とした歴史をわかりやすく「絵本」に表現したい!と思ってます。皆さんのご支援は、絵本のステキな1ページとなるでしょう。ありがとうございます♡