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温故知新、江戸の生活

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現代にも通ずる江戸時代後期の文化について書いています。
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温故知新、文字が読めて本が読める、江戸の生活から現代を考える

 江戸時代は、士農工商の身分社会。男尊女卑であり、遊郭では女性が体を売っている。女性だけ…

山東京伝描く江戸の町の出版事情~ご存じの商売物①

 「御存商売物」(北尾政演作画)の紹介。  江戸の出版事情を、書籍を擬人化して描いた山東…

江戸の川柳九篇⑤ 勘当をとうとう母はしそこない 柄井川柳の誹風柳多留

 親子の関係も、川柳ではよく詠まれる。一人では生きていけない人間にとって、親子が人間関係…

江戸の町に千手観音登場、奇想天外な絵本作品~大悲の千禄本

 「大悲千禄本」芝全交作、北尾政演画(1785刊)  千手観音は、千の手を持って人々を救うと…

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江戸の川柳九篇④ 親のすね今を盛りとかじるなり 柄井川柳の誹風柳多留

 親子の関係も川柳ではよく詠まれる。夫婦は離婚できても、親子の縁は切るに切れない。  江…

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江戸の川柳九篇③ あいつらは長生きをして食べまする 柄井川柳の誹風柳多留

 嫁と姑の関係は、大家族の昔は定番だった。だから、そんな川柳も創られた。  江戸時代に柄…

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江戸の川柳九篇② 放れ馬大手を広げては逃げる 柄井川柳の誹風柳多留

 馬や牛が日常にいた江戸の町の風景。人と大きな動物が一緒に暮らしていた。  江戸時代に柄井川柳(1718~1790)が選んだ川柳を集めた「誹風柳多留九篇」の紹介、全5回の②。  読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 放れ馬大手を広げては逃げる 427 はなれ馬大手をひろげては逃る  本の事なり本の事なり  暴れ馬に対して闘牛士のように両手を広げて止めようとしたけど、あの巨体を見ると

江戸の川柳九篇① 女客亭主愛想に二人抱き 柄井川柳の誹風柳多留

 夫婦を詠んだ川柳は、江戸時代にも多くあった。江戸時代の川柳を古川柳という。  江戸時代…

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江戸生艶気樺焼③ 江戸後期文壇の代表作完結

 黄表紙の代表作といわれる山東京伝(1761~1816)作画「江戸生艶気樺焼」(1785刊)上中下3…

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江戸生艶気樺焼② 浮気なことを続けるバカ息子の物語

 黄表紙の代表作といわれる山東京伝(1761~1816)作画「江戸生艶気樺焼」(1785刊)上中下3…

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江戸生艶気樺焼① 黄表紙の名作といわれる作品がこれだ

 「江戸生艶気樺焼」(1785刊)は、山東京伝(1761~1816)作画の黄表紙、上中下3巻。  大人…

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古川柳八篇⑤ 愛想のよいのを惚れられたと思ひ 柄井川柳の誹風柳多留

 文芸には、男と女を題材としたものが多い。LGBTQと言いながらも、基本は男女の仲が中心とな…

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古川柳八篇④ 書き置きはめっかりやすいとこへ置き 柄井川柳の誹風柳多留

 人の行動は、江戸時代も今も同じ。そんな日常を、江戸の一般庶民が五七五にする。  柄井川…

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古川柳八篇③ 笑われるたびに田舎の垢がぬけ 柄井川柳の誹風柳多留

 当時の百万都市、江戸には多くの人が集まっていた。田舎から江戸に人が集まるのは、今の東京に地方から人々が集まるのと同じ。江戸の昔も現代もそんなに変わらない。  江戸時代に柄井川柳の選んだ川柳を集めた「誹風柳多留八篇」の紹介、全5回の3回目。  江戸に集まった人々の小さな楽しみのひとつが、川柳を創ることだったのだろう。  読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 笑われるたびに田舎の垢が