歓怒(かんど)

神戸からの風、どこまで吹いていくのだろう。 歓怒の文字は「歓喜」「怒り」「喜怒哀楽」を…

歓怒(かんど)

神戸からの風、どこまで吹いていくのだろう。 歓怒の文字は「歓喜」「怒り」「喜怒哀楽」を示し、「かんど」は漢字では「神戸」とも書ける。「感動」とも書ける。よろしくお願いします。

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  • 温故知新、江戸の生活

    現代にも通ずる江戸時代後期の文化について書いています。

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    日本の自然について感じることを書いていきます。

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    ちょっとすたれてきた鉄人28号を見ながら、神戸再発見。神戸に関する話題を書いています。

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    国語に関係する記事をまとめた私の国語教室です。

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江戸の川柳九篇③ あいつらは長生きをして食べまする 柄井川柳の誹風柳多留

 嫁と姑の関係は、大家族の昔は定番だった。だから、そんな川柳も創られた。  江戸時代に柄井川柳(1718~1790)が選んだ川柳を集めた「誹風柳多留九篇」の紹介、全5回の③。  読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 あいつらは長生きをして食べまする 507 あいつらは長生きをしてたべまする  わけのよい事わけのよい事  「若いあいつらはこれからまだまだ長生きするから、いくらでもお

    • なんじゃもんじゃ

       なんじゃもんじゃってなんじゃもんじゃ。  noteでなんじゃもんじゃの記事を立て続けに見て、テレビのローカルニュースにもなんじゃもんじゃが出ていた。  なんじゃもんじゃは植物の木の名前で、「この木はなんじゃ?」と尋ねたことからついた名らしい。「この木はなんじゃ」「なんちゅうもん(もの)じゃ」と尋ねたのだろう。  本当の名は、モクセイ科の落葉高木「ヒトツバタゴ(一つ葉タゴ)」。  あっ、この花、見たことあると、毎日通る道で、「ハナノナ」アプリで撮影してみた。  100%なん

      • 江戸の川柳九篇② 放れ馬大手を広げては逃げる 柄井川柳の誹風柳多留

         馬や牛が日常にいた江戸の町の風景。人と大きな動物が一緒に暮らしていた。  江戸時代に柄井川柳(1718~1790)が選んだ川柳を集めた「誹風柳多留九篇」の紹介、全5回の②。  読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 放れ馬大手を広げては逃げる 427 はなれ馬大手をひろげては逃る  本の事なり本の事なり  暴れ馬に対して闘牛士のように両手を広げて止めようとしたけど、あの巨体を見ると

        • 鉄人28号を見て~横山光輝とその作品

           神戸の新長田には、高さ18mの鉄人28号のモニュメントがある。  そこにはこう書かれている。  横山光輝(1934~2004)は、神戸市立太田中学の出身。  太田中学は阪神淡路大震災の時に大きな被害をうけ、生徒の学生服も多くなくなったので、確か寄付されたジーンズをはいて卒業式をしたのだっけ。そんな中学の卒業生である横山の鉄人が、震災復興のシンボルとなっている。  「鉄人28号」は、1956年から月刊誌「少年」に連載され、同じく掲載されていた手塚治虫の「鉄腕アトム」と人気

        江戸の川柳九篇③ あいつらは長生きをして食べまする 柄井川柳の誹風柳多留

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          江戸の川柳九篇① 女客亭主愛想に二人抱き 柄井川柳の誹風柳多留

           夫婦を詠んだ川柳は、江戸時代にも多くあった。江戸時代の川柳を古川柳という。  江戸時代に柄井川柳(1718~1790)が選んだ川柳を集めた「誹風柳多留九篇」の紹介、全5回の①。  題材(七七の前句)にあわせて五七五の川柳を創り、それを一般人が応募したものが古川柳だった。  読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 女客亭主愛想に二人抱き 113 女きやくてい主あいそに二人だき  くた

          江戸の川柳九篇① 女客亭主愛想に二人抱き 柄井川柳の誹風柳多留

          桐一葉、その前に紫の花

          桐一葉日当たりながら落ちにけり  高浜虚子  秋の陽をあびながら大きな桐の葉が風に乗り落ちてくるなあ。  季語は「桐一葉」で、季節は秋。  「けり」という切れ字を使って感動を表す。  桐の木は、昔は家によく植えてあった。女の子が生まれると、桐の木を植え、結婚の嫁入り道具に桐の箪笥を作って持って行かせると、うそかほんとか言われることもあった。それぐらいどこの家にも桐の木があった。  花札で、桐の葉と花を知っている人も多かった。  桐の葉は大きくなる。大きな葉がゆっくりと木

          桐一葉、その前に紫の花

          ネコとニワトリとオオカミとヒツジと

           イソップの昔話にこんな話がある。   猫と雄鶏  ネコがニワトリをつかまえた。このまま食べるのではなく、何か理由をつけて食べてやろうと思ってこう言った。 「おまえはまだ暗いうちからコケコッコーと騒いで眠りを妨げるから、人間にとって迷惑だ」  ニワトリが答えた。 「人間が仕事に遅れず行くために起こしてあげているんです。人間の役に立っているのですよ」 「おまえは小屋の中で、姉や妹、それに母親にまで乗りかかってえっちをしている。卑猥だ卑猥だ、不謹慎だ。自然のおきてに背く行為だ」

          ネコとニワトリとオオカミとヒツジと

          有馬温泉炭酸泉、シュワ~とできる

           日本最古の湯の一つといわれる有馬温泉は神戸市にある。  有馬温泉は、神話の時代から知られており、「摂津国風土記」には、有馬温泉は「塩の湯」と書かれている。塩分を含んだ湯として知られていた。  近世になると、豊臣秀吉が愛したことで知られている。秀吉は、山奥の有馬に9回も訪問しているそうだ。  有馬温泉の名物として、炭酸せんべいがある。炭酸せんべいは、いろいろな店で作られている。ほとんどが丸いカンに入っている。  作り方は、小麦粉などのせんべいの原料を、水ではなく、炭酸泉

          有馬温泉炭酸泉、シュワ~とできる

          ロマンスグレーの男と恋するライオン

           ロマンスグレー(romance gray)は和製英語で、白髪交じりの頭をいう。若白髪で悩んでいた、ソニー創業者の盛田昭夫(1921~1999)がアメリカにいるとき、「それはロマンチックグレー(romantic gray)といっておしゃれなんだよ」と言われ、うれしくなって日本ではロマンスグレーという言葉でそのことを話し、それを聞いて「ロマンスグレー」という小説が書かれたり、映画の宣伝文句に使われたりして、白髪交じりの魅力的な男性に使われるようになった。という。  今では、グレ

          ロマンスグレーの男と恋するライオン

          白いレンゲが咲いていた

           昔はレンゲ畑がたくさんあった。  田んぼ一面が赤く染まっており、寝っころがることもできた。  レンゲは田んぼの肥料として植えられていたのだが、化学肥料が増え、レンゲ畑も減ってきた。  レンゲ畑の中に、1株か2株、白いレンゲが咲いている。  突然変異で白くなるのだろうが、どの畑でもその割合で咲いていた。  白い花を探すのが楽しみだったなあ。  でも今は、レンゲ畑そのものがない。  あっ、レンゲが咲いている。  密集ではなく、まばらだけれどレンゲが咲いていた。  もう盛りは

          白いレンゲが咲いていた

          江戸生艶気樺焼③ 江戸後期文壇の代表作完結

           黄表紙の代表作といわれる山東京伝(1761~1816)作画「江戸生艶気樺焼」(1785刊)上中下3巻の下巻、最終回。  艶二郎は、浮気な男は親から勘当されるものだと思って、勘当を望む。 下巻 十七  艶二郎は、望み通り勘当を受けたけれども、母から必要な金はいくらでも送ってくるので困ることはないけれど、なんぞ浮気な商売をしてみたく、色男のする商売は、夏の扇用の紙を売る、地紙売りだろうと、まだ夏も来ないのに、地紙売りと出かけ、一日歩いて足にマメをつくり、これにはこりご

          江戸生艶気樺焼③ 江戸後期文壇の代表作完結

          野原のイチゴ観察日記

           家のそばの草の中に一株のいちごが生えていた。畑などまったくない草の中に生えていた。  田舎者の私は、野菜の葉を見たら、だいたい名前がわかる。ゴボウの葉や、里芋の葉、ジャガイモの葉など、わからない人が多いのを逆に不思議に思う。  で、いちごの苗を見つけた。どうやってそこに生えていたのかはわからない。誰かが苗を植えたのかも知れないし、いちごの種から芽が出たのかも知れない。  私は昔、いちごの種を植えたことがある。  いちごの種は、あのいちごの周りにあるブツブツだ。あれを植える

          野原のイチゴ観察日記

          江戸生艶気樺焼② 浮気なことを続けるバカ息子の物語

           黄表紙の代表作といわれる山東京伝(1761~1816)作画「江戸生艶気樺焼」(1785刊)上中下3巻の中巻。  色男のような浮気なことがしたいと主人公、艶二郎が次々とばかなことをし続ける大人の絵物語。 中巻 九  艶二郎、吉原でいくら遊んでも、家に帰って焼きもちをやく者がいなければ、張り合いがないと、人を頼んで、焼きもちさえやけば後はどんな人でも良いと、四十歳くらいの女を、支度金二百両で妾に迎える。 艶二郎「支度金だけもらって、寝小便して出て行く『小便組』などはごめん

          江戸生艶気樺焼② 浮気なことを続けるバカ息子の物語

          野を歩けば、知らないうちにスミレが咲いていた。 小さなスミレが、草の間で生きていた。

          野を歩けば、知らないうちにスミレが咲いていた。 小さなスミレが、草の間で生きていた。

          春の色

           新年度が始まり、怒濤の1週間が過ぎた。  ふと見ると、スイセンの花が枯れている。いつ咲いたのだろう。  咲いていた時を知らないままに枯れていた。  横にはまだ花をつけている別の種類のスイセンがあった。  町には桜が満開で、山を見ると、ピンクの桜の花ではなく、白いコブシの花が咲いている。  コブシとはいうものの、神戸の六甲山系では、コブシの花よりも小さいタムシバの花が咲く。その花が山の斜面にぽつぽつと咲いている。  六甲山の春。  子どもの頃の景色とは違うこの景色を見る

          働く仕事がなくなったのなら

           4月になるとスーツ姿の新入社員の通勤姿がよく見られる。それとは逆に、仕事をやめる人もいる。定年退職をしても再就職をしたり、新しい仕事を探す高齢者は多い。働かなければ生活できないという切実な問題もあるが、そもそも我々日本人は働くことが好きなのだろう。  24時間戦えますか(働けますか)というコマーシャルが昔は流れていた。それを素直に受け入れる土壌が日本にはあったのだろう。  ヨーロッパの仕組みに習った現代日本は、毎週日曜日は休みになる。昔は日曜日なんてない。毎日が仕事だ。お

          働く仕事がなくなったのなら