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2023 J2 第34節「ジュビロ磐田 vs 大宮アルディージャ」超主観的振り返り

磐田 3-2 大宮
【得点者】
磐田:伊藤槙人(前半25分)、藤川虎太郎(後半32分)、リカルドグラッサ(後半45+5分)

大宮:室井彗佑(前半18分)、シュヴィルツォク(後半18分)

リカルドグラッサが左足を振り抜いた瞬間、ボールはジュビロサポーターが大声援を送るゴール裏を目がけてネットに突き刺さりました。

その時、ヤマハスタジアムのスタンドは、大歓声と共に一斉に膨れ上がりました。

リカルドグラッサは喜びのあまり自らのユニフォームを投げ捨て、そこへジュビロの選手達が一斉に駆け寄る姿が目に映りました。

バックスタンドで祈るようにラストプレーを観ていた私は思わず飛びあがり、大絶叫と共に涙を堪えることができませんでした。




2023年9月9日、ジュビロ磐田はホームヤマハスタジアムで大宮アルディージャを迎え撃ちました。後半アディショナルタイム終了間際、ラストプレーの大逆転!

ジュビロ磐田は3-2で勝利を勝ち取りました。

試合終了後、勝利に酔いしれるジュビロサポーターの歓喜の歌声を聞きながら、私はしばらく立ち上がることができず、勝利の余韻に浸っていました。


前回対戦振り返り

前回対戦は、第4節3月11日アウェイNACK5スタジアム大宮での対戦。

ただただ悔しかった。
今季最も悔しい敗戦と言っても過言ではないアウェイ大宮戦。

私は現地NACK5スタジアム大宮に遠征して観戦しました。この試合は、終始主導権を握り続けたジュビロでしたが決定力に欠き得点できません。

後半アディショナルタイムには中川創がDOGSOでレッドカード。その直後にアンジェロッティ選手に勝ち越し弾を決められて0-1で敗戦。攻め続けたジュビロでしたが結果が伴わず、逆に試合終了間際で奈落の底に叩きつけられました。

「もうこんな負け方はしたくない。倍返しだ!」

ヤマハスタジアムでの大宮戦は、リベンジマッチ気持ちで乗り込みました。

スターティングメンバー

ジュビロ磐田

上原力也が累積警告で出場停止のためボランチメンバーが注目されましたが山本康裕鹿沼直生がスタメンとなりました。サブには遠藤保仁

鈴木海音がAFC U23アジアカップ カタール2024予選に臨むU-22日本代表のメンバーに選出されたため、9月13日までチームを離れています。従って予想通り森岡陸が今季リーグ戦初のメンバー入りとなりました。

ケガの復調が報じられた山田大記でしたが、やはり未だ公式戦復帰には至らずベンチ外となりました。

大宮アルディージャ(前回対戦との比較)

黄色は夏季加入の新戦力

大宮は夏季の移籍ウインドウで4人補強。その4人がスタメンに名を連ねます。サブには中野誠也、アンジェロッティなど得点能力のある選手が控えています。

また、前回は相馬直樹監督でしたが、原崎政人監督に交代しています。

前回対戦時と大きくメンバーが変わっており、戦力アップしているのは間違いありません。

松本昌也 J通算300試合出場

松本昌也が前節秋田戦でJ通算300試合出場を達成。試合前にはお祝いのセレモニーが催されました。

ゴール裏サポーターからは祝福の横断幕が。

私は2019年からジュビロ磐田を応援していますが、この間何人も監督が変わっています。しかし、松本昌也は常に主力としてスタメンで戦い続けました。

どの監督においてもフィットし、結果を残し続ける松本昌也。その能力の高さに改めて感心します。

大宮に先制を許す。

ホーム千葉戦、アウェイ秋田戦と2試合続けて前半に先制を許し、難しい試合展開を余儀なくされていたジュビロ磐田。このホーム大宮戦こそ無失点で戦って欲しいと願っていました。

しかし、17分大宮のコーナーキック。ゴール前で頭で繋ぐ両軍。大宮の室井彗佑選手がボレーでゴールに叩き込み大宮が先制。

3試合続けて前半で先制を許してしまいました。

またしても追いかける立場になったジュビロ。アウェイ大宮戦でも苦戦しただけに、やはり今回も厳しい試合になることを覚悟しました。

伊藤槙人の同点ヘッド!

先制を許したものの、まだ前半は半分以上時間が残っていたので、何とか前半の内に同点に追いついて欲しい。

25分、ジュビロのコーナーキック。伊藤槙人のヘディングシュートで同点!

失点してすぐに同点に追いついたので、かなり気持ち的には楽になりました。

このゴールシーンは、私の座っていた席からは遠目だったので、試合終了後DAZNで見返したところ、

「槙人のゴール。以前も同じようなものがあったような・・・」

コーナーキックからヘッドでゴール左側に決める・・・・。

思い出しました。2022年6月25日アウェイ川崎フロンターレ戦。
伊藤槙人の同点ゴールです。

伊藤槙人の位置、ボールの軌道。
あの川崎戦での同点弾にそっくりだと思いました。

伊藤槙人のリーグ戦のゴールは、去年のアウェイ川崎戦以来、約1年3か月ぶりでした。

シュヴィルツォクが牙をむく

前半を1-1の同点で折り返したジュビロ。早めに勝ち越し、ダメ押しと得点を重ねて今度は突き放しにかかりたいところ。

しかし、今夏大宮に完全移籍でやって来た助っ人シュヴィルツォク選手がついに牙をむきます。

62分、ピッチに入ったのは2020年までサックスブルーのユニフォームを着て共に戦ってくれた中野誠也。2021年のヤマハスタジアムでの戦いでは恩返し弾を決められていただけに、嫌な感じがしました。

63分、中野誠也は得意の抜け出しでボックス内に進入。ゴール前で待ち構えていたシュヴィルツォク選手にしっかり流し込まれて再び勝ち越しを許してしまいます。

最も警戒すべきシュヴィルツォク選手に決められた勝ち越し弾。大宮に流れをもって行かれかねない状況。そして中野誠也にはアシストが。

正直この勝ち越し弾は、かなり精神的ダメージ大きかったです。ここから勝ち越そうという状況に、水をぶっかけられた気持ちになりました。

「負けはもっての外。ドローでもだめ。勝たねばならない。」

J1自動昇格を掴むには、もう負けられないのです。

藤川虎太朗が再び同点に!

後半20分、横内監督は松本昌也に替えて藤川虎太朗をピッチへ送り出します。前節秋田戦でも途中出場から同点ゴールをたたき込み、敗戦をドローに持ち込む働きをみせた虎太朗。

後半31分、古川陽介が左サイドからドリブル進入。ボックス内の藤川虎太朗が受けて左足を振り抜いたボールは密集した選手達の隙を通り抜けてゴールへ一直線。ジュビロが再び同点に追いつきます。

2019年のフベロ体制でブレイクした虎太朗ですが、2020年から熊本、北九州と期限付き移籍で武者修行をし、今季ジュビロに帰還してくれました。

スタメン出場の試合は少ないですが、後半出場で結果を残し続ける藤川虎太朗。本当に頼もしく成長したと実感する同点ゴールでした。

歓喜の瞬間!

2-2の同点になったものの、ジュビロは勝ち越すことはできず時計の針は進んでいきます。

89分、ドゥドゥが強烈なミドルシュートを放ちますが、GK笠原昂史選手にジャンプ一番ファインセーブで弾かれます。

逆に90分、大宮が早いリスタート。栗本広輝選手がドリブルでカウンター。虚を突かれたジュビロは追いかけますが、三浦龍輝と一対一に。間一髪三浦龍輝はシュートを弾きますが、そのこぼれ球のシュートをリカルドグラッサが辛くもブロック!

あの悪夢のアウェイ大宮戦を想起させるような攻撃に心臓が止まるような思いでした。

「誰でも良い。早くゴールこじ開けてくれ!」

しかし時計の針は進み続け、ついに後半アディショナルタイムも終わりかけの95分。ジュビロのコーナーキック。恐らくこれがラストプレー。

キッカーはドゥドゥ。アウトスイングでファーサイドに飛び込んだボールをジャーメイン良が競り合って地面に落とす。そこにはリカルドグラッサの左足が。左足が利き足のリカルドグラッサ。瞬時にその左足を振り抜く。

ボールはジュビロサポーターが待っているゴールに向かって一直線。
あの悔しかったアウェイ大宮戦のリベンジを果たした瞬間でした。

リカルドグラッサはユニフォームを投げ捨て、ゴール裏とベンチメンバーの下へ駆け出す。そこにその他の選手達もなだれ込む。ヤマハスタジアムのスタンドは大歓声で揺れに揺れました。

この瞬間に立ち会えたことが本当に幸せでした。これだから、この瞬間があるからスタジアムでの観戦は止められない。

苦しい試合展開ながらも、選手・監督・コーチングスタッフ・サポーターが一丸で勝ち取った勝ち点3となりました。

ジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルではリカルドグラッサのゴールと歓喜の様子をアップしてくれました。

どさくさに紛れて、伊藤槙人梶川裕嗣の頭をガシャガシャしているのが笑えます。また、この歓喜のパフォーマンスでリカルドグラッサはイエローカードもらっちゃいましたね。

試合終了後。DAZNのインタビューを終えジュビロサポーターのもとへ挨拶に来てくれたリカルドグラッサ。大ジャンプとガッツポーズで応えてきれました。それにしても、ものすごいジャンプ力。劇的なゴールはだけでなく、相手の決定機も阻止してくれたリカルドグラッサ。攻守に大活躍の日となりました。

元ジュビロ戦士達

大宮には元ジュビロ戦士たちが多く在籍しています。試合終了後、中野誠也、新里亮、袴田裕太郎、黒川淳史が挨拶に来てくれました。

かつては同じサックスブルーのユニフォームを着て戦ってくれた選手達。敗戦のため、メンタル的には挨拶に来るのも厳しかったと思います。本当にありがとうございました。嬉しかったです。活躍を祈ってます。

次節に向けて

劇的な幕切れに放心状態になりながらも勝利の余韻に浸り、試合終了後しばらくは席に座っていた私。ようやくヤマハスタジアムの第一ゲートから出て、振り返った時に団体さんが掲げた横断幕が目に入りました。

劇的な勝利ではありましたが、冷静に試合内容を振り返った時、またしても先制され、複数失点を許してしまうなど一歩間違えればドロー、または敗戦していたかもしれない試合でした。

その先のJ1で十分に戦える実力か?と問われれば、まだまだジュビロは課題が多いと言わざるを得ないでしょう。

自分に「何ができる?」と問われればこれだけです。

「俺にはスタンドで応援する事しかできない。」

でもジュビロの戦いを観るのが大好きで、選手や横内監督から元気を貰っている自分にとって、苦ではありません。

残り8試合。全勝するつもりで選手を後押ししたいと思います。

目指せ「最終節で勝ち点80」

昇格ラインを「最終節で勝ち点80」とした場合のジュビロ磐田の現在地です。

第34節大宮戦を終えて勝ち点は61。
残り8試合。
最終節で勝ち点80以上をクリアするには、

7勝以上:クリア
6勝:1引き分け以上でクリア
5勝以下:達成ならず

まだまだ負けられない戦いが続きます。




次節は、9月16日ホームヤマハスタジアムでレノファ山口FCを迎え撃ちます。ジュビロが難敵としている山口。開幕2戦目でのアウェイ山口戦ではドロー決着。今度こそ勝ち点3を奪いましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れる事を祈って。

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