第7話 海と白い光|2015年1月
灰色の砂からビンやライターやプラスチックの袋が顔を出している。夏の海水浴客が落としていったものだろう。まだ半年も経っていないはずだ。それなのに、それらは何世紀も前から置かれているようにみすぼらしかった。
流木。海藻の切れ端。空き缶。無意識に数えあげながら歩いていた果穂は、ふと顔を上げた。一緒に来た甲本結季はずいぶん先を歩いている。砂に足を取られ、向かい風に阻まれ、歩きにくそうにしながらも、波打ち際を目指して歩いている。よちよちと体を揺らしながら一生懸命歩いている様子は、