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浪速の商いで逼塞する今を打開する

第1 はじめに

 今回のエッセイは「浪速の商いから逼塞する今を打開するヒントを感じ取って勉強になった」という話です。ビジネスに行き詰まりを感じているサラリーマンに読んでいただけたらなと思います。

第2 浪速のあきんど

 昔、浪速のあきんどは「儲かりまっか?」と挨拶したそうです。今の私のクライアントでそういう挨拶をされる方はお一人だけとなりました。私もそういう挨拶はしません。
 浪速のあきんどと言えば船場の繊維関係の商社が典型的ということになっているはずですが、今船場を歩くと飲食店が数多く立ち並ぶ街となっています。残る繊維商社は少ないし、あってもツンとした雰囲気でさほど活気を感じません。和田亮介氏の「船場吹き寄せ」にも船場で働く人の顔がサラリーマンになった旨の記述があります。
 私も含め、これで良いものでしょうか。取引先と会うときに「儲かりまっか?」と聞きたくなるギラギラした感覚が今こそ必要なはずだと感じます。

第3 ギラギラした感覚はどこへ

 ギラギラした感覚が今こそ必要とは言うものの、お手本は欲しいものです。船場を歩いてもダメ、梅田もダメです。梅田特に茶屋町近辺はオシャレかつスマートですがギラギラしたという感じではありません。阪神百貨店のスナックパークには浪速のコテコテ感を感じますが、あれはギラギラした感覚というよりは継続されてきた伝統を守るという感覚です。船場でなければ松屋町や日本橋(恵美須町)のような問屋街ならどうかとなりますが、今は松屋町にも問屋はあまり残っていないと聞きます。日本橋は中学生の頃に何度か行きましたが当時からギラギラした商人の町というよりはマニアの町でした。まぁ、プリンタを買いに行ったら電卓で値段を教えてくれた(つまりそこから価格交渉が始まる)のが浪速のあきんどの名残りと言えば名残でしたか(どうなっているか見に行ってみようかな)。

第4 お手本があったことを思い出した

 お手本がなければ本などで情報を得る他にないかと思っていたのですが、ふとお手本があったことを思い出しました。

道頓堀

 一カ月ほど前、中学時代の友人と会って飲んだのですが、その行き先が道頓堀近辺でした。道頓堀近辺に行くのは久しぶりだったのですが、昔とは様変わりしており相当なカルチャーショックを受けました。何せ、周囲の人が誰も日本語をしゃべっていないのですから。
 中国語、韓国語、確信は持てないもののベトナム語、とにかく異国の言葉ばかりが聞こえてくるのです。欧米からの観光客と思しき人もいたにも関わらずなぜか英語が聞こえてこなかったのは不思議です。店員さんだけが日本語をしゃべっていました。
 そして店のつくりが昭和の雰囲気とアジアンテイストとを併せ持っており、梅田近辺とは大違いです。上の写真では看板がわずかに写っているに過ぎないのですが、そのわずかに写った看板から実際の雰囲気をご想像いただけたら幸いです。まさにギラギラとした感覚が道頓堀には充満していました。

第5 なぜ道頓堀はギラギラしているのか

 道頓堀がギラギラしている原因を考えることがそのまま逼塞する今を打開する手立てにつながると思います。
 何と言っても、多くの外国人観光客が集まるというビジネスチャンスは最大の要因でしょう。彼らが興味を持ちお金を落とすコンテンツを作り上げることで大きな利益を得ることができます。
 考えてみれば当たり前のことですが、大きな需要があるところに供給すれば大きな利益につながります。その利益が期待できるから思いきった行動が取れるのです。

第6 結論

 まずビジネスチャンスの確かな市場に行くということが大切です。そして今居る市場にビジネスチャンスがあるのか問い直す。ビジネスチャンスがないのなら、思い切って市場を変えるのです。
 結構、それは難しいものです。自分が今居る場所から物事を見るとどうしてもバイアスのかかった景色が見えてしまうからです。バイアスのかかった景色からは正しくビジネスチャンスを見抜けません。
 相場格言に「投機を為す者は楊柳の如くありたし」というものがあります。ビジネスチャンスを求める人もある意味投機を為す者と言えます。
 それならば、自分が今居る場所に良い意味でも悪い意味でも囚われずビジネスチャンスを求める力量をまず身に付けることから始めないといけないのかも知れません。

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