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副代表が取り組む、ダイバーシティ&コラボレーション。(そして私は送りバント!)

「多様なメンバーによるコレボレーションで事業創出」という綺麗事を3年間やってみました。いわゆるDAO(自律分散型組織)かもしれません。そして4年目となる今日から、私もその”リーダー”ではなくて”メンバー”になります…という話です。

いやまぁほんと面倒くさいよダイバーシティとかって。それを面白がれるかどうかなのかもしれないな。

■ 会社設立は、非常事態宣言下。

もともと私たちは、私が経営に失敗して創業1年で拠点を失ったこともあり、オンライン中心で組織運営をやってきた。しかも、シングルマザーの私をふくめ育児と両立できる働き方が必要だったので、2017年の拠点再整備以降も、各自の状況で当日に在宅仕事に切り替えるのも当たり前だった。それで、コロナ下でもふつうに仕事ができた。

この私たちの「ふつう」の受け皿が広がる必要があるんじゃないか。そう思って、2020年5月18日、それまでの一般社団法人リベルタ学舎の広報物制作部門を独立させるかたちで、「なりわいカンパニー株式会社」を設立した。「仲間たちとなりわいをつくり、その中で自分自身の「なりわい」を見出していく」という意味(当時の記事)。ちなみに大好きなベビースターラーメンの製造元「株式会社おやつカンパニー」のパクリだと、自分ではうすうす気づいている。

あ、なりわいカンパニーの本業は、おやつではなく「広報プロダクション」です。ブランディングをふくむ広報戦略設計から、ウェブやタブロイドなどのメディア制作まで。新規事業にプランニングから関わらせていただくこともあれば、企業の統合レポートや社内報制作も。どれもテーマは「協働/共創」。社内・社外を問わず、ね。

なりわいカンパニー会社案内の表紙


■ ついに540kgの米も収穫。

全員フリーランス・全員複業の、自律分散協働型・広報プロダクション。「学び」の機会提供を重視しているので、ここで広報のスキルを上げていくこともできる。要は、「それぞれ自分でも食っていけるけど、せっかくだから力合わせて一丁やってみるか」くらいの自由度がいいなーと思って。

だけどいまの日本はフリーランスにめちゃくちゃ厳しい。社会の信用もぐっと下がる。クレジットカードつくるとか、不動産契約するとか、そらもう大変。「好きなことやって、食っていけないよ」とか言われるしね。私は逆に学生たちに、「会社に依存した生き方じゃ、会社倒産したりクビになったときに食っていけないよ」って言うんだけど。

ともかく、いまはフリーランスが力を寄せ合って生き抜いていく必要がある。だからなりわいカンパニーは、「地域の相互扶助コミュニティ」の側面ももっている。非常事態宣言下にトレペを入手して配ったり、保育園が休業のとき赤ちゃん連れで拠点に来たり(そのために畳24枚の大広間だ!)。自主的福利厚生ということで、メンバーの声で社員(風)旅行や社員(風)食堂もスタートした。去年はついに、「食べていければ、好きなことやっていいんだよね」と言いたくて、地元農家さんとの協働事業「農業丁稚」をスタートし、540kgの米を収穫した。本気!

神戸市内、オフィスから30分。話し好きの熱い農家さんに月2回通う。


■ ダイバーシティ&コラボレーション、面倒くせぇ。

別に人間性に優れた素敵な人たちが集まっているわけではなく、むしろ、組織で生きるよりリスクあっても自分で生きたいと願うクセ者揃い。DAO(自律分散型組織)だ学習共同体だと騒いでいるのは私とCLO(最高学習責任者)くらいで、他は誇り高くクセ強い編集者やデザイナーやフォトグラファーだ。

どうやって組織運営をしているか。基本的に「そのテーマについて全員がそれぞれ自分の意見を言って、ひとまず仮説を立ててやってみて、その試行錯誤を記録する」というやり方。なので、誰もが書き込める「コミュニケーション・ブック」をつくっている。

<「コミュニケーション・ブックとは」>


こうやってひとつひとつ、「次にどの仕事をするか」から「社員風食堂の価格をいくらにするのか」まで決めてきた。まぁ面倒くさいったらありゃしない。しかもさらに面倒なことに、この「コミュニケーション・ブック」をつくるときに、「これに依存したらぜんぜん自律分散的じゃなくなるよね」ということで、「コミュニケーション・ブックに依存しないことも大事」というページもあったりする。

<おお、面倒くせぇ>

本当にめちゃくちゃ面倒臭いんだけど、「面倒くせぇことを考え続けてやり続けることには合意した」ひとたちの組織になっているのだと思う。それはすべての場面で、「この場がどうなったら、私はいちばん幸せか」をしっかり考える、貪欲な当事者ばかりの組織になったということ。


■ 副代表が取り組む、「弱い個人のままで、最強のチームづくり」。

というわけで、会社設立から丸3年経ったし、私もリーダーではなく単なる1メンバーに役割を変えても大丈夫だなと判断した。それで、いちばん長くリベルタ学舎ーなりわいカンパニーを共に駆け抜けている山本しのぶさんが、副代表になりました。彼女がまた、私よりもっと弱いんだな、これが。

今回、なりわいカンパニーの副代表にならないか、と代表の湯川から声をかけられたとき、私は何度か断った。(…)と言いながら、矛盾するようだが、断れるならやっても大丈夫かもしれない、そんな気持ちが生まれていた。なぜ、嫌なのかと問われてふと口にしたこと。「孤独になるのが怖い」。組織と個人はしばしば対立することがある。そんなとき、「経営」側の人間として立つということは、孤独になるということを意味することも多い。みんなのなかの私、ではいられないのだ。そんな恐れ、弱さ。

「だったら、それすらもこの場で出して考えていったらいいんじゃない?」そう言われてはっとした。なら、大丈夫かもしれない。自律分散的な個の集まりであろうとしている私たち。「強み」も「弱さ」も持つ多様な個人がその人らしく働くことを目指している。だったら、自分の「弱さ」を隠すのではなく見つめながら、どうしたらいいのかを考え、実践することによって、多様な個人が集まるこの場での「組織と個人」の関係を変えていくことができるのかもしれない。

「山本しのぶが副代表に就任します。」


でも「弱さを軸にした最強のチーム作り」は、ずっと、ポンコツな私のテーマもあった。

<TEDxKobe日本語字幕版>


そうか、私以外に「私は弱いけど、そこから逃げないので、一緒にやりましょー!」と誰よりも真剣に言えるのが、しのちゃんだったんだな。


私も引き続き代表ですが、より1メンバーとして軽やかに、自分ならではの仕事に専念していきます。社会共創の事業構築かな。新装なりわいカンパニーを、みなさま、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

<拠点がある、神戸・旧居留地のレトロビル「高砂100BANビル」前で>


いつでも一緒にやりましょー!
お問い合わせはいつでも(info@nariwai-kobe.com )へ。

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