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日常に隠れた色の魔法と配色54パターン


デザイン製作では避けては通れない、色。

赤…黄…緑…色から受ける影響は、色によってそれぞれです。

このnoteでは、日常に隠れた色に関することを紹介します!

日常に隠れている、色が与える影響


私たちが何気なく生活している中にも、色が与える影響や心理的な効果に基づいて設定・設計されたもので溢れています。


【引越しのダンボール】

2人の男性がダンボールを運んでいます。
どちらが重そうに見えますか?

多くの人が黒い箱を重く感じたはずです。
重さが同じでも色が違うと、人が感じる重さに変化があります。

黒色の箱は白色の箱より1.8倍重く感じるというデータもあるくらい。もしかしたら、白色を使用するだけで、作業効率も高くなるのかもしれません。

これが白い段ボールを使用している引越し業者が多い理由です。


【囲碁の碁石】

みなさん一度は目にしたことのある囲碁の碁石。
実はこれにも色の効果が影響されています。

白は膨張色(大きく見える色)
黒は収縮色(小さく見える色)
という特徴があるため、黒色の碁石が大きく作られています。

白色の碁石・・・直径21.9ミリ
黒色の碁石・・・直径22.2ミリ、厚みも白色より約0.6ミリほど大きく作られています。

同じ大きさだと、同じ数でも白色が大きく見えて、優勢に感じてしまう。これが戦局に影響する可能性があると考え、大きさを変える工夫がされています。


【医師の手術着】

みなさんが想像する医師は、白衣姿。
ではないですか?僕も医師といえば、白衣というイメージが強いです。

ですが、手術となると…

手術となると、青色か緑色の手術着を着用します。
いくつか理由があるので、簡単に解説しますね。

①飛び血の視覚的なインパクトを和らげる

手術中に血液が手術着に付着することがあります。もし白い手術着だと、赤い血が目立ち“血まみれ感”をより感じやすくなります。

それを防ぐことに加えて、青色の手術着に付着しても褐色に見えることも理由の一つです。

②補色残像を防ぐ

赤色を見続けて目を逸らすと、青色や緑色が視界に浮かぶ経験をしたことはありませんか?

実は、補色残像と呼ばれる現象で、人間として当たり前に起こる現象です。これが、白色を見た時に顕著に現れます。

察しの良い人は、お気づきでしょう。
手術中に赤色の血液を見続け、ふと目を上げた時に“白衣を着た医師”がいると、補色残像が起こりやすいです。

これを防ぐために、手術着は青色か緑色を使用しているのです。

③赤色を見分けるため

3つ目の理由は、赤色(血液)を見分ける力を持続させるためです。

人間の目には、赤・緑・青に反応する「錐体細胞」という細胞があります。
赤いものを見るときは、赤錐体が刺激されている状態に。
白いものを見るときは、3つの錐体が均等に刺激されている状態になり、白色を感じます。

手術中に血液を見続けると、赤錐体のみ刺激され続けて、赤錐体のみ疲れてしまいます。そこで緑や青の手術着を見ることで、赤錐体が休むことができ、目の疲れを和らげることができます。

これが医師の手術着に隠された、色が与える影響です。


【ユニフォームが赤色のチーム】

スポーツ観戦をする人なら目にしたことがある「ユニフォームが赤色のチーム」

実は、ユニフォームが赤色のチームは勝率が高いというデータもああるんです。

赤色を見ると、
・気持ちが高ぶる
・やる気を引き出す
・興奮させる
といった効果があり、目の前に対戦相手がいて、攻撃的になる対決系のスポーツにおいては勝率が高くなります。

もちろん、赤いユニフォームを着用すれば勝てると言うことではありません…

その他の色も様々な影響を与えます。

青色のユニフォーム・・・集中力を高める、気持ちを鎮めるなどの効果があり、自分に向き合うスポーツにおすすめです。

アーチェリー、陸上競技、ボルダリング…

白色のユニフォーム・・・気分の高揚を落ち着かせる、リラックスさせるなど、青色と似た効果があります。
練習通りのパフォーマンスを発揮できない人におすすめです。

黒色のユニフォーム・・・重圧感や威圧感があり、相手を威嚇する時に役立ちます。

黒・威圧感を言われて、真っ先に思い浮かべるのが「オールブラックスのハカ」です。もし白色のユニフォームでハカをしていても、威圧感を感じにくいかもしれませんね。

このように、ユニフォームの色がスポーツの結果に影響を及ぼすこともあります。


各色が与える印象


【赤色】・・・膨張色、進出色、温暖色、興奮色

活動的・情熱的などエネルギーを象徴する色です。

デザイン製作では、
・飲食関係
・消費者へ行動喚起したい場面
でよく使われます。

【黄色】・・・膨張色、進出色、温暖色、興奮色、軽量色

明るく賑やかな印象を与える色です。

デザイン製作では、
・子ども向け
・学習塾等の勉強関連
・イベント系
・工事現場などの注意を促したい
など、人の目をひきたいときにおすすめ。

【緑色】・・・鎮静色、重量色、中性色

安らぎ・リラックス・安心感などを表す色です。

デザイン製作では、
・安心感を与えたい
・爽やかなイメージを与えたい
・健康関係の商品
などのシーンでよく使われます。

【青色】・・・収縮色、後退色、寒冷色、鎮静色

爽やか・冷静・誠実・清潔などの印象がある色です。

デザイン製作では、
・スポーツ関係
・印象系
・男性向け商品
・信頼感を出したいとき
などにおすすめ。


【茶色】・・・温暖色・重量色

自然・温もり・居心地の良さを感じられる色です。

デザイン製作では、
・カフェやレストラン
・インテリア
・アート関連
などのシーンだと、映えるデザインを制作できます。

【カラフル】

・色の組み合わせ
・色の明るさ
・色の配置
によってもデザインの印象がガラッと変わります。

複数の色を使用したデザインを制作する場合
・トーンを揃える
・一部分だけをカラフルにする
・文字の視認性
を確認しましょう!


普段何気なく見ている色には、制作者の意図・人間の構造を利用して作られていることが多いです。

色彩心理学を学べば『見てしまうデザイン』を制作できます。デザインの基礎である“色”について、ぜひ学んでみてください!


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