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シニア世代の資格取得は役に立つの?

役職定年を過ぎてしまった61歳銀行員 ”じぃ” です。
既に給与は大幅に下がり、どうしたものかと試行錯誤。
このまま銀行に残っても、さらに収入は減り、65歳で完全に無職となってしまいます。
内館牧子さんのベストセラー小説「終わった人」ならぬ「終わる人」です。。。

それでも、50代後半から、まだ終わりたくないと、資格取得してみようと、もがいてきましたので、その試験がどんな感じだったのかご紹介したいと思います。
(注)合格体験記ではありません。恥ずかしながら不合格で諦めた資格をたくさん含んでいます。おじさん向けに会場の居心地を評価してみました。

そして、資格を取得してみて、その資格が役に立つのかといったところも、少し書いてみたいと思います。
よく、「資格だけでは食べて行けない」「実務経験がないと意味ない」などと言われますが。。。

1.資格試験嫌い

若い頃、システム関係の仕事をしたいと思って銀行に入ったのですが、職場で推奨される資格は、興味もない上に苦手な「銀行業務検定試験」「証券外務員」「宅建」・・・など(銀行員としてどうかとは思います(笑))

一方、システム関連の資格も「免許じゃないし、別に資格がなくても仕事はできるし」反抗心で資格取得はしていませんでした。(誰に反抗してたのか?謎(笑))

ですが、50代後半になってから、無理やり資格を取らされる出来事があり、そこから少し変わってきました。

2.試験会場の居心地

資格取得してみようかな?という方のために、試験会場の「おじさん度」と「居心地」を★印で評価してみました。

(1)金融コンプライアンスオフィサー1級

6年前に異動となったコンプライアンス部門で、「みなさま配属になった方には金融コンプライアンスオフィサーを取得してもらってます」と言われ、”金融取引小六法” という高い本まで購入し、仕方なく勉強しました。

おじさん度:★★★☆☆
居心地:  ★★★☆☆ (似たような職種の人の集まりなので)

準備が大変なわりに役に立ちそうにない資格のため、 ”無駄な労力を使わされた感" が拭えませんでした。
これをきっかけに、どうせ労力使うなら、老後の役に立ちそうな資格を取得してみようと考えを変え、この後、いくつかの資格試験に挑戦するようになりました。

(2)保育士

いつか、近所の保育園で働けると楽しそうだなということで、56歳のときに保育士の資格を取得しました。
(科目は8科目で二日間のハードな試験。1回では合格できず2回目で。。。)

受験者層ですが、9割以上は女性1割弱が男性の感じです。男性は、既に保育園で保育補助として働いている人や、一応、わたしのようなおじさんもほんの少しだけいました。アウェイ感が強く居心地は悪かったです。

おじさん度:★☆☆☆☆
居心地:  ☆☆☆☆☆
(場違い感かなりあり。ただし試験会場が女子大だったためお得感あり!)

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なんとか2回目で合格

(3)英語(英検2級)

英語教育の保育園に保育士が少なくて、労働条件が良いという話しを耳にして、「英語ができれば、おじさんでも採用してもらえるかも?」という、せこい発想で、英語の勉強を始めました。
通勤時間に、NHKラジオ英会話アプリを使って勉強。

英検2級の試験会場ですが、受験者は、ほぼ全員高校生っぽい感じ。
この試験会場におじさんが紛れ込むのは、かなり勇気がいります。
「このおじさん何~?」「なんでここ座ってんの~?」という高校生の心の声が聞こえてきました(汗)。居心地は最悪。

おじさん度:☆☆☆☆☆
居心地:  ☆☆☆☆☆ (恥ずかしさでいたたまれない感じ)

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英語は若いぼくらが勉強するものだよ!

(4)電気工事士

高校生の頃、電気工事のバイトをやっていました。
デパートの蛍光灯をひたすら全部交換する。。。
自分たちが配線した電線を伝って電気が使えるようになる。。。
と、成果が目に見える仕事でした。
こういう仕事をまたやってみたいな、ということで第二種電気工事士の試験を受けました。

電気工事士の受験者層は、ほぼ男性。教室内に1,2名女性がいた程度。男性の年齢はわりとバラツキがあって、若い人は既に電気工事で働いている人が多い雰囲気で、工事用の作業着で受験に来ている人もいました。私のようなおじさんも、そこそこいます。
英検2級と違って、こちらの会場は居心地抜群です。

おじさん度:★★★☆☆
居心地:  ★★★★★ (居心地最高!、安心感あり)

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あっ!工具忘れた。。。

(5)情報処理安全確保支援士

長い名前だけどなんなんですか?という方がほとんどだと思います。
(独)情報処理推進機構(IPA)のHPでの説明によると

「情報処理安全確保支援士」とは、サイバーセキュリティ対策を推進する人材の国家資格です。とのこと。
長いサラリーマン生活の中では、銀行のシステム関係の仕事がほとんどでしたので、一応専門分野に近い資格ということで取得しました。(なのに何度か不合格)

受験者層は、ほぼサラリーマン風
英検2級受験者のフレッシュな感じとまったく違い、だいぶ疲れた感が漂っていました。私自身も疲れた感が拭えません。。。

おじさん度:★★★☆☆
居心地:  ★★★☆☆ (職場にいる人たちと似たような層)

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ウイルスなんかに負けるな~

(6)第三種電気主任技術者

電験三種と呼ばれている資格です。
ビル内の点検業務などに必要な資格らしく、高齢でもそこそこの収入の求人があるようなので、専門外にもかかわらずチャレンジしてみました。
科目は、理論、電力、機械、法規の4科目あります。最初勉強を始めてみたら、とても4科目合格できる気がせず、最初の「理論」1科目に絞って受験しました。高校の物理を思い出しながらなんとかクリア。
その翌年は、「機械」に絞って受験。まったく知らない分野のため、これまでの試験勉強の中で一番頑張ったと思います。

王貞治『努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。』

すばらしい名言だと思いますが、私には無理でした。
自分では超絶努力したつもりなのに不合格⤵。もうリベンジもないなー

ちなみに、受験会場には、確認できる範囲に女性はいませんでした。
おじさん度:★★★★★
(若い男子もいますが、背中におじさん感漂っていたのでおじさん認定)
居心地:  ★★★★★ (居心地よかったのですが私には難しい資格)

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受かりっこない・・・

(7)システム監査技術者

(5)の情報処理安全確保支援士合格に気を良くして、勢いでこっちの試験も申込みしました。
800字以内1章分と、700字〜1400字を2章分の論文がハードでした。大したことも書けずに諦めていましたが、予想に反して合格。
難しい文章を書くのが苦手なので、逆に採点者には簡単な内容で読みやすかったのかもしれません。

おじさん度(年齢)は、情報処理技術者試験の中では最も高く統計情報によると、受験者の平均年齢 44.4歳、合格者の平均年齢 42.1歳となっていて、おじさん向けの試験のようです。

試験会場のおじさん度(性別)は、ほぼ全員男性。教室内にはおじさんの加齢臭が漂っていた気がします。

おじさん度:★★★★★
居心地:  ★★★★★ (自分の加齢臭も打ち消され居心地最高!)

臭いおじさんがいないか監査しよう~?

(8)ITストラテジスト

資格オタクのつもりはないのですが、就職活動もさっぱりうまく行っていなかったので、少しでも役に立てられればと受験することに。
参考書を購入して勉強を始めてみると、コンサルのお兄さんがプレゼンで発する三文字アルファベットのオンパレード。
午後の論文については、やった経験がないことを、経験したフリして書く能力までは身につかなくて、論文の事前準備ができませんでした。

そんなわけで、受験会場には行けませんでした。

おじさん度:?????(受験しなかったため観察できず)

みんなー!コンサル3文字用語 "LCC" って知ってるかい?

(9)データベーススペシャリスト

情報処理試験ばかりを申し込むクセがついてしまいました。そしてこの頃、不合格癖もついてしまいました。

まだまだ若い人についていけると頑張ってみたものの、午後の文章問題を読むのが大変で撃沈。
一生懸命問題を読んでみたものの頭に入ってこず、解答用紙の状態だけ見ると、寝ていた人と同じ(笑

おじさん度:★★☆☆☆ (教室内はおじさん3人、女子3人、他は男子)
居心地:  ★★☆☆☆

(10)ネットワークスペシャリスト

データベーススペシャリスト試験がさっぱりだったのに、もう、自分の衰えに抗うように勢いで参考書を購入。
若い頃と比べて、頭の能力は衰えたかもしれませんが、参考書の購入能力だけは上がっています。もったいないと思わなくなりました(笑

で、試験会場に行くこともなく撃沈。。。

(11)ISMS(ISO/IEC 27001)審査員

転職活動している中で、こういう仕事があるんだと発見し、資格を取ってみることにしました。
こちらは、試験というよりも、5日間講習を受けて、最後に卒業試験があるようなタイプ。
受講費用は20万円弱。自腹で講習を受けたことがなかったので、申し込むのにほんと気合と根性がいりました。

で、試験の方は、合格率8割くらいということだったにもかかわらず不合格。その後、再試験を1回だけ受けられるということで、なんとかクリア。
20万円を無駄にせずに済みました。ホッ!

おじさん度:★★☆☆☆ (受講生は30代くらい男性2名、女性1名と私)
居心地:  ★★☆☆☆

(12)CISA(公認情報システム監査人)

今年希望して異動した監査部門では、資格取得を強く推奨していて、CISA(公認情報システム監査人)という資格について、研修受講料約20万円、受験費用約10万円を補助するとのこと。
会社がお金を出すとはいえ、受験費用がプレッシャーでした。

おじさん度:不明 (CBT方式のため)
居心地:  ★★★★☆ (仕切られた机のため楽ちん)

3.シニア世代の資格取得はどのように役に立つ?

シニア世代にとって、残り少なくなっていく自由時間を今さら資格取得のために費やしてしまっていいのか、これはちょっと悩むポイントだと思います。資格取得してどのように「役に立つ」でしょうか?

(1)社内異動

興味のある部署の業務に関連した資格を取っておくと、異動させてもらえる可能性が増えると思います。
「システム監査技術者」の資格を取得した後、「監査部門」への異動を希望したところ、希望通り配属となりました。
「監査部門」では、監督当局宛に、監査関連資格の取得者数を報告しているので、そんな理由もあったようです。

(2)転職には?

シニアでも、書類選考で ”ボツ” にされない可能性が出てくると思います。
資格がなくても転職は可能ですが、もし自分が採用担当者だった場合を想像すると、職務経歴だけのシニアよりも、資格も取っているシニアの方が、ちょっと安心できると思います。
書類選考通過ラインギリギリの人にとっては大事なことだと思います。

募集要項の資格欄に【尚可】として書かれていたりする場合もあります。
61歳ですが、「情報処理安全確保支援士」「システム監査技術者」の資格のおかげで内定もらいました。

(3)経験のない分野は?

次に、自身のこれまでの経験とまったく関係ない保育士の資格ですが、こちらは、保育園で保育士として働こうとすると「資格が必要」です。おじさんが採用してもらえるか?という疑問は残りますが、近い将来チャレンジしてみたいと思っています。

新たな可能性を探ってみたい場合、人材不足でもありますので、エッセンシャルワーカーの資格(バス運転士、保育士、介護士・・・)などいいと思います。経験がなくても採用してもらえるかもしれません。
また、自分がそこで働いていることを想像するだけでも楽しそうです。

(4)モチベーション、ぼけ防止

将来役に立つかもと思うと自然と前向きになりモチベーションもアップします。特に、経験したことのなかった「保育士」「電気工事士」は本当に知らないことばかりでしたので新鮮でした。

保育士は、保育実習も経験でき、本当に貴重な経験でした。読み聞かせで子供たちが夢中に聞いてくれたのには感動しました。
電気工事士は、配線工事の実技試験があって、図面を見ながら工作するということで、ぼけ防止の効果も大きかったと思います。実際にやってみると、接続を誤ったり、部材が余ってしまったりということで、自分のぼけ具合をハッキリと認識できました。

4.セカンドキャリアに向けた資格取得

理論には疎いのですが、資格取得は、「LIFE SHIFT」で書かれている無形資産、プロティアンキャリアのキャリア資本の積み上げにもつながるのではないかと思います。
ということで、セカンドキャリアを考える上で、資格は、自分の金融資産と同様に大切な資産になるという風に感じます。

(1)職業訓練

資格取得とはちょっと違いますが、職業訓練もセカンドキャリアの可能性を拡げてくれるように思います。
このような ↓ 説明会、おもしろそうです。(〆切間近)

(2)これからチャレンジしてみたい資格

自分自身は、これから先、個人事業主になる可能性も考えて、おじさんLCCみーやんお勧めの「ITコーディネーター」の資格にチャレンジしてみたいと思っています。
他に興味があるのは「大型二種」。バスや大型トラックの運転は、子供の頃憧れた仕事です。


だらだらとブログを書いてしまいましたが、ここまでお読みくださりありがとうございます。
みなさまも、気になっている資格などありましたら、チャレンジされてみてはいかがでしょうか?
絶対に、なにか「役に立つ」と思います。

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