薄井 灌 Kan Usui
断章詩篇『鳥Aves note I』を主に土曜日に発信します。
詩集『干/潟へ』(思潮社、2008年1月発行)の販売と、『干/潟へ』について書いたことなどを随時、発信します。
手製和綴じ詩集『汎水論』(魴鮄書林、2024年1月より制作開始)の販売と、『汎水論』について書いたことなどを随時、発信します。
アートや音楽、本について書いたことを随時、発信します。 マガジン画像の詩集『きみは転がりこんできたね、マイボーイ』は、川畑battie克行氏の作品です。
今まで手づくりしてきた本のことなどを随時、発信します。
1960年、兵庫県朝来郡(現朝来市)生野町生まれ。群馬県藤岡市在住。 (詩的活動記録) 2006年11月、「鶺鴒一册」で思潮社50周年記念「現代詩新人賞」奨励賞受賞。 2007年7月、『現代詩手帖』(思潮社)に「気象|簿記学――16葉の銅版画esquisseのためにi-iv」を掲載。 2008年1月、第一詩集『干/潟へ』(思潮社)上梓。「鶺鴒一册」「欄/干」所収。 2009年4月、『現代詩手帖』(思潮社)の「ゼロ年代詩人ファイル」に寄稿。 2010年4月、季刊詩誌『阿吽』創刊
空と雲の写真とともに、断章詩篇『鳥Aves note』をお届けします。 鳥Aves note I-vii 窓のない紙裏から時折りしろい嘴の先だけあるいは尾羽の先だけ映り込ませる目の見えない雛たち。その子らが偶然にも表にまわることはないにせよその紙背の無垢な柔らかな気配は嗅いでいること。
鶺鴒の質料(ヒュレー)は/ /響(hibi)kiと翳(kage)ri/ /不規則な響(hibi)kiと翳(kage)riの水際に/ /挨拶のようにふるえる声/の藻… /その しみと しみを/ /鶺鴒は羽搏く/ /篠原に幾葉/
「汎水論」を書きはじめた2015年8月からのメモ書きノートに少し手を加えながらテキストデータにして残そうと思います。また、これらのメモをもとに、ChatGPTに散文(詩)を書いてもらう実験をしてみます。 差異による混乱は、目と耳のあいだの空間を要求する(デリダ)。 耳(パロール)の多様性=多義性polysémie 目(エクリチュール)の多様性=撒種dissémination コンスタティヴconstative/パフォーマティヴperformative 内容として理論的
箋注は灌漑への干渉である/ /灌漑は遅れる ごく淺(あさ)い帰省にも/ /欄/干までに遐邇(かじ)があり/ /卒(にわ)かに水の薄まる箋篠で/ /鶺鴒も抜萃に傷悴する/ /////////遐邇(かじ)がそのまま傷となる 〈薺(ナズナ)振り〉〈水芹(ミズゼリ)摘み〉/ /いずれも淺(あさ)い帰省の傷
「汎水論」を書きはじめた2015年8月からのメモ書きノートに少し手を加えながらテキストデータにして残そうと思います。また、これらのメモをもとに、ChatGPTに散文(詩)を書いてもらう実験をしてみます。 私はいまだ生まれざる者たちと、死者たちのあいだに住んでいる。(パウル・クレー「忘れっぽい天使」) 海の手 ジャベス ユーケルの書 手のなかの手 油の海原 étranger ヨソモノ être ange 天使デアルコト コドモ in-fans(言葉ナキモノ) 孤独
『ライティングの哲学—書けない悩みのための執筆論』 筋が通っていながらもセンスのいい個性的な表現をちりばめた文章が書きたい――。そうしていつも書き出しからフリーズして再起動を繰り返したり、なんとか書き始めても途中で行き(息)づまって投げ出したりしている。 そこで、千葉雅也さん、山内朋樹さん、読書猿さん、瀬下翔太さんの4人の座談会と執筆実践が収められた『ライティングの哲学―書けない悩みのための執筆論』(星海社新書)を購入し、付箋まみれにした。 中でも執筆実践の千葉さんの文
籍のない川/梁のない瀬/ 籍のない川/梁のない瀬のsesëragiに/ /淺(あさ)い帰省を褶(かさ)ねている /箋篠に声を濯ぎ/ /帰省までの沖積に薄く〈凛冽(リンレツ)〉と掠(かす)めて /鶺鴒の離水と瀕水は灌漑へ箋注を抜萃する/ /【鶺鴒一册】の資料として /抜萃は鶺鴒の気稟である (いずれ既
「汎水論」を書きはじめた2015年8月からのメモ書きノートに少し手を加えながらテキストデータにして残そうと思います。また、これらのメモをもとに、ChatGPTに散文(詩)を書いてもらう実験をしてみます。 水の{述語/術語} 水の語(藻) 雨について: 様々な隔たった場所に降る雨の強さを 様々な暗さで表現しなさい。 そうすればより暗い部分はさらに濃厚なものへと近づくだろう Leonardo da Vinci(L.d.V) 誰にも自分の雨がある 淺い水 無数の白
詩人で造本家でもある平出隆さんが制作されているvia wwalnuts叢書18『降るものと生るもの』(平出隆+聞き手・秋葉直哉、初版第1刷 2015年5月1日)が、Amazonから届いた。封筒の中に、平出さんが製本法を独自に創案された8ページの美しい冊子が入っている。この叢書は、今までも数冊、購入したことがある。おそるおそる解体してみたこともある。乱暴に扱うと破れそうで、優しくそっとページをめくる。おのずと読みの姿勢も正される。 封筒に印刷されているのは、平出さんが中高生の
同じ兵庫県生まれの先輩詩人、時里二郎さんから、思潮社現代詩文庫 252『時里二郎 詩集』(2025年5月25日発行)をご恵贈いただきました。 ありがとうございます。 〈胚種譚〉から〈名井島〉に到る7冊の詩集で編まれています。7冊目の〈名井島〉は全篇収録されており、それ以前の6冊、〈胚種譚〉〈採訪記〉〈星痕を巡る七つの異文〉〈ジパング〉〈翅の伝記〉〈石目〉は抄録。編集の辛苦が推察されます。 裏表紙に綴られているのは、彫刻家で作家の柄澤齊さんの文章。7冊の詩集を、翅を持つ昆虫
(この)鶺鴒に眼過線は(あらかじめ/ /すでに)ない/ /珪灰石の三斜晶系に/ /ノジギクの自生する/ /西/ /から/ /来た chi-chi, joy-joy-joy//chi-chi, joy-joy-joy
空と雲の写真とともに、断章詩篇『鳥Aves note』をお届けします。 鳥Aves note I-vi 鳥、鳥たちはその発生の本質において(遊糸の流れにも似て)S字状に灣揺する。
『干/潟へ』所収の「鶺鴒一冊」と「欄/干」は、Power Mac 7500に入れたQuarkXPressで書き、レイアウトしていた。Power Macはまだ動くはずだが、もうずいぶん前に押入れの中。テキストデータも開きようがないので、この機会に、テキストエディットで書き直そうと思う。ルビは後ろに( )で示そう。 『干/潟へ』をある書家の方に謹呈すると、「ページごとに額装して飾りたくなるようなアート作品だと思う」という感想をいただいた。別の方には「現代音楽の楽譜のようだ」との
手製和綴じ詩集『汎水論』を1冊(No.18)をご購入いただきました。ありがとうございます。昨日、レターパックライトA4便にて発送いたしました。製本上、拙い面がありますが、ご容赦のほどよろしくお願いいたします。
ここ8年ほど、夜は8時頃に就寝し、朝は4時頃に起床する習慣で、2時間弱の「朝勉」を続けている。タイピングの練習を兼ねて、読みたい本をパソコンに入力するのが「朝勉」。知らない言葉や人名、作品などをネットで検索し、註釈をつけたり考えたことをメモしながら、本を丸ごと(一部だけの場合も)入力している。図書館で何度も貸出と返却を繰り返し、3か月ほどかけて入力し終えた本もある。 この清水徹著『書物について――その形而下学と形而上学』も、すでに4度ほど図書館で借り直している。「I 書物の