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【読書嫌いを克服】私を100万文字読めるようにした『薬屋のひとりごと』との出会い

ある日、たまたま検索に引っかかった小説。
ウェブページとはいえ、本嫌いな私が物語の途中の1ページを読み切った。これは面白いかもしれない……



授業や夏休みの宿題以外で、本を読んだ記憶はほとんどない。図書の時間は絵本、図鑑、百科事典を読んでいるフリでやり過ごした。

社会人になると新聞や課題図書の輪読を強制され、自分でも仕事に必要なテーマと自己啓発本は読んではみたけど、全く頭に入らない。書いてあったことはすべて忘れた。私はどうしようもなく文字からの情報取得が下手で、本を読むたびに苦手意識が強まっていた。

漫画ならいいのかといえば、ページをめくる作業も、紙の塊で重くなったカバンも、ゴロゴロしながら読む姿勢も、全部疲れる。そのくらい紙の束もとい本が嫌いだった。

『薬屋のひとりごと』との出会いは偶然だった。いつ頃なのかもあまり覚えていないけれど、5年以上は前だと思う。

検索一覧に出てきた『小説家になろう』の1ページ。『薬屋のひとりごと』を読んだことがある人ならお気づきのとおり、架空の中華圏を舞台にしているので普通の単語を検索していて上位に出てくる内容ではない。

中国や韓国の宮廷ドラマ好きの母の影響でそれなりに生薬や歴史の知識があって、たまたま何らかの単語を探していたと思う。ウェブ小説の存在を意識したこともなかったので、飛ばすこともなくページを開いた。

私はそこから一気読みした覚えがある。ただ、読解力と記憶力が乏しかったので、徐々にわからないところが増えていったが、それでも更新されていた西都編の頭までは読み切った(この時点で小説3冊分は余裕で超えるはず)。後半の内容はあまり記憶にない。物語が途切れたところでそのまま間が空いて数年が経った。

2023年、アニメの予告を見てすぐにわかった。あのウェブ小説がいつの間にかアニメ化されるほど人気になったとは…… 懐かしくなったのと同時に「あんな量の文章を読めたんだ」という成功体験が蘇って予習のつもりで『小説家になろう』を検索した。

うっすら記憶があるのに、1回では完全に理解できなくて何回も読んだ。伏線があっても文字情報が記憶に残りにくい私は、また読み直した。

アニメが始まると、途中から『小説家になろう』で読んだストーリーとの違いに気づく。原作を好きになった作品は初めてだったので、小説を13巻一括購入することにした。

ちなみに、紙をめくるのが面倒くさい、本が重いなどのハードルは、数年前に購入したKindleとKindleアプリで解決。おかげで10冊以上まとめ買いをしても置く場所に困らないから、便利な時代に生まれたことを感謝したい。

結局、『小説家になろう』は3周、小説を2周した。原作と小説とアニメの差分を知るにつれて「こういう楽しみ方があるんだな」と、1作品を取り巻く商業カルチャーを体感。同時に、それを生み出したオタクの熱量に敬意を表さずにはいられなかった。

アニメの第一クールが終わった年末年始。実家に帰省すると、本棚には見覚えのあるコミックが1巻〜最新巻まで並んでいる。出版社違いで2バージョンある『薬屋のひとりごと』が両方とも揃っていた。私が勧めるまでもなく、宮廷ドラマ好きの母のアンテナに引っかかったらしい。もちろんアニメも録画している。親子だ。

どちらを買うか迷ってコミックには唯一手を出さなかったけど、2バージョンの全巻一気読みを果たす。もう前半のストーリーは6〜7周目だったけど、ここでも漫画家さんによって描き方の差があって楽しめた。恐るべし。

アニメの第二クールが終わってようやく私の熱は落ち着いていった(落ち着いただけで早く続きは読みたい)。

日常にトキメキが欲しかった私はふと「他にもよい小説があるのでは?」と『小説家になろう』を漁り始めた。とりあえず書籍化かコミカライズされたものなら間違いない。

お気に入りの作品(後述)にも出会い、1ヶ月で100万文字越えの大作を含めて5作品以上を読破した。もちろん書籍化やコミカライズ版、アニメもチェック。特に気に入った作者さんはや他にも作品が公開されていたので、現在はそちらを楽しんでいるところ。
※2024年に入ってKindleで購入した分だけでも19冊(数冊コミック版を含む)。

2024年4月現在、私は休みの日をほとんどベッドの上で、美男美女のイチャイチャストーリーに癒されながら過ごしている。遅れ咲のオタク爆誕。元限界オタクの夫に「キモオタ」呼ばわりされる。

アニメや漫画のイラストがなくても主人公たちの表情やシーンが脳内でイメージできるようになって、作者さんが一番想いや情報量を込めていて書いた小説が愛おしくなった。ようやく小説をちゃんと理解できるようになった気がする。

苦手を超える好きな作品に出会えた奇跡。ドキドキや面白いという感情を原動力に、スマホでサクサク無心で読み進めるスタイルを確立できたことで、私は読書嫌いを克服した。
そこからはあっという間。今なら趣味の欄に「異世界×恋愛の小説を読むこと」と書けてしまう自分がいる。こんな日が来るとは思わなかった。


(本文はここまで)


素敵な作品を書いてくださった先生方がいなければ、こんな経験はできませんでした。これからたくさん購入して読んで恩返しします。本当にありがとうございました。

最後に、私の読書観をひっくり返した&強化した作品から、特に気に入った長編ストーリーを掲載しておきます。私の好みはベタな展開や平和なハッピーエンド、中華系、異世界×溺愛ばかりですが、お好みに合いそうな方はぜひ見てください。

薬屋のひとりごと
作者:日向夏
文字数:1,354,573文字
PrimeVideoでアニメも見れます。コミカライズ・アニメのベースは出版されている小説の方です。『小説家になろう』は無料で読めますが、割とストーリーが違って混乱すると思うので書籍がおすすめです!

ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する
作者:雨川 透子
文字数:1,054,739文字
PrimeVideoでアニメも見れます。文字だけでこんなに色鮮やかな世界が表現できるのかと感動しました。キラキラした貴族生活や甘々な世界観の表現力が圧巻。ストーリーも作り込まれていて、漫画やアニメも美しいです。

バッドエンド目前のヒロインに転生した私、 今世では恋愛するつもりがチートな兄が離してくれません!?
作者:琴子
文字数:602,366文字
この作品はキャラクターが魅力的!!別の作品も読みましたが、とにかく甘々溺愛ワールドの描き方が最高なので片っ端から読んでいます。

長くなりましたが、最後までお付き合いありがとうございました。応援のスキも押してもらえたら喜びます★


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