哀しみまみれの初めてのソロキャンプ。その暗澹な気持ちを吹っ飛ばしてくれた日本昔話:令和版「カラスの恩返し」
退職記念一人旅も1週間が過ぎ、いよいよ海の幸豊富な三陸入り。ところが気仙沼に入った途端に宿の値段が一気に上がった。今までは一泊2食7150円が最高額なのに、ここは民宿でさえ五桁超え。
金がないならば仕方ない、キャンプだ!唐桑半島野営所にて、この旅、初のテント泊を敢行じゃ。
唐桑半島野営場の名誉の為に書くが、潮騒が聞けるところや眺望のいい所もあるが、私がセットしたのはトイレ前。何故か?写真では表現できんが実はこの日は強風激しく、唯一の風下=風除けがこの建物だったのです。もっとも夜中に何度もトイレ行くジジイ事情もあるけどね。
夕ご飯は すき焼きうどん、そして翌朝は、余った豆腐を使っての麻婆豆腐丼 を 準備。しかし勘のいい人、キャンプ慣れしてる人なら、わかりますよね、何が起きるか、、、迂闊でした。
テントに入りマットレスに空気を入れてる隙を見計らった間のカラスの電光石火!見事に牛肉だけを掠め取りやがったのです。[肉のないすき焼きうどん]を楽しめ!という残酷過ぎる仕打ちです。
だから予定してた見出しは『遺言決まる〜私は孫子の代までカラスを許さない』だったんです。
あまりのショックに翌朝まで泣きながら撤収。北上中、とあるタバコ屋に寄る。そこは田舎のいいところ、ただ買って終わりではない。『荷物多いけどどこから来たの?』と声をかけられたのをきっかけに盛り上がり、話はカラスの愚痴話に及ぶとオッサンは切り返してきた。
『面白かった褒美に・・・カラスより美味いモン食わしてやる!ちょっと待ってろ』と1分後、でてきたものは ウニ 雲丹 うに… 旬でもないのに三陸産のウニ‼️果たしてココは竜宮城ですか⁉️
「夏場より甘さ控えめだけど、この時期食える、世界サイコーのウニやっから機嫌なおせ!」と。
ホントに美味く甘さも充分。こぶとり爺さんならば、ほっぺた落ちても不思議ない美味さ。ただ私は落ちるほどのほっぺたはない、単なる小太りじいさん。主人に感謝の意を述べて写真を撮ろうとすると、ガハハと笑いながら親父「密漁で取ったウニだから店の名前や写真はインターネットに載せるなや!」と。約束は守りますよー
まさに捨てる神ありゃ拾う神あり、こうなると、鶴の恩返し ならぬ カラスの恩返しである。
こんなら冷凍のオーストラリア肉などいくらでもくれてやる!
そこで学んだ今日の教訓ー
黒いカラスは幸福の青い鳥!(カモ)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?