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コーヒーのことなど


あれは何年前だろうか。ずいぶん前のことだと思うけれど、誕生日にコーヒーミルをいただいて、それからずっとコーヒーは豆で買っている。
その前はずっと、コーヒー豆はペーパー用に挽いたやつを買っていた。それでも充分おいしく飲んでいたのだけれど、たまに2種類・3種類の豆を買ったとき、ついつい買ってから時間が経ってしまうやつが生まれたりもして、そうなるとやっぱり、味が変わってしまうのを感じていた。だからさー、やっぱり豆で買って飲む時に挽いたらいいのかなー、と当時の職場の後輩に相談すると、
「利根川さん、コーヒーミルはやめといた方がいいです。続かないです。めんどいですあれ」
と強く止められた。
なんでも、その子は昔、コーヒー好きのお母さんにコーヒーミルをプレゼントしたことがあるらしいのだけれど、使ってくれたのは初めだけで、すぐにまた挽いた豆を買ってくるようになったらしい。
「自分もやってみたんですけど、ガリガリするのけっこう大変ですあれ」

そうなのか、大変なのか。じゃあ無理かも。と思ったその日から割と間もない頃に、コーヒーミルをプレゼントとしていただいたのだった。いけるかな、続けられるかな俺、と思ったけれど、それからずっとそのミルを使い続けている。
後輩の言うとおり、ガリガリするのは意外と大変だった。
なんかこの時間も好きになったりするのかな、音楽なんか聴きながら、豆の香りに身を任せて、ちょっと日々の忙しなさの中で立ち止まるような優しい時間になるのかな、なんて最初は思っていたけれど、別にならない。全然ならない。早く終わって欲しい時間でしかない。ガリガリ音で音楽なんて聞こえないし早くコーヒー飲みたいし。
けれどそれでもコーヒーミルを使い続ける理由は、「挽きたてがほんとおいしい」というただ一点にある。家で飲むコーヒーほんとにおいしくなった。
二ヶ月前に買った豆とかでも全然おいしい。そういう意味では、その方面のずぼらさを許してくれてもいて、意外とライフスタイルに合っているのかもしれない。豆もすごく買いやすくなった。家にまだあるしな、とかあんまり気にしなくてよくなった。
そりゃもちろん、豆のままだったとしても、焙煎から時間が経てば味は落ちるんだろうけど。でも僕の舌は全然感じないです。挽きたてだったらいつもおいしい。幸せ。

豆を挽いてる時間は全然好きじゃないけど、コーヒーを淹れてる時間はけっこう好きです。お湯を落としてるあの時間。うるさくないし。もうすぐ飲めるし。


全然違う話だけれど、この前の日曜日は祖師ヶ谷大蔵のBOOKSHOP TRAVELLERで歌ってきました。
夜の本屋のライブイベント「BOOKSHOP NIGHT」。
真っ暗な本屋さんでのライブは、いつもライブハウスとはまた違った独特な一体感、というか空間全体の親密感があり、とってもよい夜でした。ステージの上が大好きだけど、あの場所も守ってゆきたいなって思います。

ぜひぜひ一度お越しいただきたいし、すごく空間の素敵さが伝わる写真をお客さんが撮ってくれたので見せていいですか。見てください。

動画も一曲上げました。

毎月やってるのでぜひぜひ。
次回は3月24日(日)。詳細はもう少しお待ちください。


そして今度の土曜日、2月24日(土)は「ことばあつめの夜」です。
こちらもよろしくお願いします。

豪徳寺の書店・七月堂古書部にて、灯りを消してお待ちしております。

そういえばこないだ七月堂古書部に行った帰り、お店のすぐのIRON COFFEEというコーヒー屋さんで買った豆がえらいおいしくてびっくりした。なんか透明感?なんていうんだろ、水分としての喜びがすごいある。味はしっかりしてるし香りもすごくあるのに、水の触感とぶつからない感じ。なんか多次元な感じ。うまくいえない。喉乾いてる時ってコーヒー選ばないけど、これなら選ぶ。そんな感じ。また買う。

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