去りゆく者たち③
今回は主にレンタル満了組です
波多野豪
23年シーズンのリーグ戦全試合フル出場という記録を残し、レンタル元のFC東京へと帰っていくことになった波多野豪。
その持ち前の陽気さでV・ファーレン長崎に関わる全てに好影響を与えていたように思う。たまに悪ふざけが過ぎるという指摘もあったけども、個人的にはそんな悪い印象はもたなかった。
そういう性格面の話だけでなく、GKとしての実力があったからこその全試合出場という記録を残せたことも忘れてはいけない。
終盤はやや課題が残る失点の仕方も目立ったものの、彼が長崎にきて活躍したことについては感謝しかない。
負けはしたけれどもスーパーセーブを連発し、相手サポーターからすら賛辞を受けたアウェイ清水戦での活躍は公式がインスタに残すほど。
FC東京での大活躍を期待してます!ありがとう、豪!
残すコメントまで最高である。
村松航太
ギラヴァンツ北九州にレンタルという形で出戻りしていた村松航太は、契約満了からのブラウブリッツ秋田へと移籍が決定している模様。
彼の人柄が伝わる文章で非常に好感が持てる。
この移籍は個人的には岐路であると思う。
身長には決して恵まれてるとは言えない彼が、秋田のように空中戦の価値を高く見るチームでどう活躍するのか。22年の長崎、23年の北九州と不本意な成績を残したその後のチャレンジで、自分の価値をどう証明するのか。
(村松は対人での空中戦は身体能力の高さや駆け引きを活かしており、競り合いでそんな負けるイメージもないのだけど、他の大型選手が軽く届くとこに届かず頭上のパスやクロスを通されやすいのはあるのかもしれない)
私見だけど、2022年序盤に後ろからリスタートした場面、ロングパスを通せばいい局面でもチームとして取り組んでたショートパスでのビルドアップに執拗にこだわっていた場面があって、その時は「そんな意地張らんでも…」と思ってたけど、今にして思えばそれも彼のいいところだった。そのメンタルは【The 戦う集団】秋田ではかなり活躍しそうな予感もしてる。
村松のプレーで印象的だったのはこの試合でのアディショナルタイムでの得点のアシスト。素晴らしい動き出しから相手の逆を取り最高のクロスを上げた場面。
この得点のあと、村松へとパスを出したクリスが村松を全力で讃えていたのを僕は忘れない。そして2022年度、カリーレ体制に変わりものすごく悔しい気持ちはあっただろうに、それを抑えながらもサポーターを楽しませるためにファン感謝祭の部長の役割を全うしたことも忘れない。
元から好きなチームのひとつである秋田との対戦で、またひとつ楽しみが増えた。
奥田晃也
今まで見てきた選手の中で屈指の不思議キャラ、奥田は金沢レンタル→栃木へと完全移籍。個性派揃いの長崎にあってはその【能力のバランスやポジショニングがいいアタッカー】という立ち位置は不遇な扱いを受けてしまったのだろうか。今ひとつ出番に恵まれず金沢へとレンタル後満了の発表だった。
その金沢は降格の憂き目にあったが、攻撃陣は実はサッカー関連の業界では評価は高かったようで、中でも奥田の評価は結構なものだったようだ。
古巣相手に決めたなんとも落ち着いたシュートである。
手短なコメント。元から話すのは苦手だそう。
しかし僕は家族のことを話す時ウッキウキだったことと、ヴィヴィくんと絡む時の謎のテンションを絶対に忘れない。
前述の村松航太も登場。2人のやり取りは妙にツボる(笑)
栃木SCは24年シーズンに向けてかなり補強を進めており、そこに実力者の奥田の加入…怖い相手となりそうだ。後日改めて何か書こうかと思います。
今度は対戦相手としてよろしく!
クリスティアーノ
以前から僕のnoteを読んでくれてる方々ならわかると思うけど、彼については長くなりそう。
2023年半ばからヴァンフォーレ甲府へとレンタルから契約満了。正直長崎を満了になるのは覚悟はしてたけど甲府への完全移籍とはならなかったようだ。寂しいものである。
長崎ではフルに彼の能力を活かせたことは少なかったけども、その中でも印象に残る活躍ばかりだった。試合を決める活躍が非常に多かったのもクリスらしい。
柏レイソル時代からのまとめも含めてあるものの、DAZNの特集で9分以上の動画を組まれるほどの男である。
そして非常にトレーニングにも熱心で、試合に出れていない時でも変わらないその姿勢はチームメイトからのリスペクトも勝ち取っていたようである。
非常に仲間思いであり、ゴールセレブレーションの際は必ずと言っていいほどゴールを決めた選手の元へ盛大に祝福をしに駆け寄ってくる。
日頃から苦戦してる味方の活躍の際にも同様だ。
また外国籍選手が多い長崎の中にあって、リーダー的な立ち位置にいたようで、試合前のアップや試合後の挨拶の時、トレーニング風景の映像の中でなどもクリスが中心となって話をしているところも多く見られた。
とにかく手放すにはあまりにも惜しい男ではあるのだ。
一方、やはり守備の面では課題はあった。決して守備をサボっているわけではないのだが、生来のアタッカー気質のためかカウンターでまた攻め直すことを考えて位置取りをする習性があり、それ故に味方の負担が大きくなりすぎた場面や寄せが甘すぎるだろって場面も多くあったし、
そもそも守備的なプレーを頑張りはしても上手くないのである。
例えば相手のボールホルダーと対面した際に、腰を落として集中する構えを見せはする。すごい気迫が伝わるプレーなんだけれども、上手くないのだ。
SNSのフォロワーさんと話していたが、
こうにしか見えないことも多々あったのはナイショの話だ。
また甲府での使われ方のようにワントップとして置くにも長崎にはフアンマがいる。右には中村慶太、澤田崇がいてマルコスが右に入ることもできる。
スーパーサブとしての活躍以外が難しい中で、さらには外国籍枠の問題もある。
たしかに惜しいし、もっともっと見たい選手だったが、長崎のためにも彼の出場機会のためにも仕方ない契約満了なのだと思うしかない。
去り際の言葉までかっこよすぎる
彼も36歳。
Instagramを見る限り元長崎のクレイソンと共に祖国ブラジルでオフ期間のトレーニングを積んでいることもあるようだ。
願わくば日本で新天地を見付け、あと5年ほど現役を続けた後に日本で引退を迎えてほしいものである。きっとその時はそのチームのみならず、長く在籍した柏や、近年在籍した長崎、2回の加入となった甲府、日本での彼の始まりの地となった栃木のサポーター、そしてこれから過ごすチームのサポーターが大挙して押しかけ、満員となった国立かどこかで華々しい最後を迎えてほしい。
Jリーグに長く語り継がれるであろう選手が長崎に足跡を残してくれたことに心からの感謝を。
残すところ
さて、2023 12/29現在で契約未更新の選手は、
エジガル、鍬先、今津、ジョップ、カルロス・グティエレス、加藤大、名倉、瀬畠、大渕
以上9人+大宮へレンタル移籍中のカイケとなる。
若手2人(瀬畠と大渕)はレンタル移籍させる線も考えられるし、他の選手もここまで発表がされないということは何かしら他所からオファーを受け迷ってる状態であると考えられるが、できることならこの【去りゆく者たち】シリーズはこれで終わりとなるといいなと思う。寂しいからね。
カイケ、はよ帰ってこい。
さて、今年のnoteはこれで終わりです。
今年も大変お世話になりました。
皆様良いお年をお迎えください。
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