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上久保ゼミnote「卒業論文」執筆状況(11月28日現在):「要約」

今年度から、上久保ゼミでは4回生の卒業論文の執筆状況を、noteで公開していくことにしています。

昨年度から、卒論提出の最後のセメスター(秋学期)で、週1回の4回生のゼミの時間に(木曜3限)、4回生がお互いの卒論の進捗を報告し合ったり、ペアになって添削し合うということをしています。

今週は、卒論の「要約」を書くのが課題です。

「要約(アブストラクト)」は、読者となる人が論文を手に取った時に、どういうことを論じているのかを、端的に理解してもらうことが目的です。

そこで興味を持った人に読み進めてもらえることになるので、論文への重要な「入口」ということになります。

通常、何語で書かれた論文であっても、要約は英語で書かれます。それは、世界中、どこでこの論文が見られても、何を論じた論文かわかるようにするためです。

うちの卒論の場合は、日本語と英語両方で書くことになっています。

今日、ほぼすべての学生に同じように指導したのは、「要約」でまず最初に、はっきりと書くべきことは、「この論文の目的(何を論じるのか)」と「この論文の主張」だということ。

日本人にありがちなことですが、「この論文は何について論じます」とは書くのだけれど、「主張」ははっきりと書かない。

でも、それでは、読者の関心を持ってもらえない。だらだらと読んでいて、結論に近くなって、初めて論文の「主張」を読んで、驚いたときには、それまで書いてあったことは忘れてしまっている。

それでは、論文を基にした建設的な議論はできないわけです。

私が学んだ英国では、とにかく「主張」を最初から前面に出せと教わります。

英国では、読者は論文の筆者との議論を楽しもうとします。だから、最初に論文の「主張」を知りたいのです。

その主張が通説を批判したものや、オリジナリティに溢れたものだと、何を言ってるんだと思って、強い関心を読んでくれる。そして、その論文の主張をよく理解してくれる。

自らと違う考えは歓迎ですからね。そこでの議論を楽しもうとするのです。

だから、卒論の指導では、要約で主張をはっきりと出せとゼミ生に言います。

言い換えれば、読者に「喧嘩を売る」ことが要約の目的です。それは、楽しい議論という知的な喧嘩のネタを提供することです。

これについては、私が英国の大和日英基金とオックスフォード大学で講義をしたときのことを参考までに載せておきます。よろしければご覧ください(ダイヤモンドオンラインの無料の会員登録が必要です=笑)。

英国で講演をするということ――その国際的宣伝効果と、手ごわい聴衆を満足させる方法 | 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

卒業論文の進捗です(上久保ゼミnote)。









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