9 人のために役に立ちたい(夢を叶える短編集 1 未来小説)
ダイニングテーブルの椅子に座り、スマートフォンの画面を凝視しながら、和美の胸中はやりきれない思いでいっぱいになっていた。居ても立っても居られず、ソファーに寝転ぶ広志に話しかける。
「ねえねえ、アフリカの子どもたちはさ、学校にも行かずに働いてるんだって」
「え? アフリカがどうしたの?」
「貧しいから、子どもも働かないといけないんだって」
「そっかー、そりゃ大変だな」
スマホゲームに熱中する彼は、和美の話を上の空で聞いている。いつもそうだ。私の話なんて真剣に聞いてくれな