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愛媛移住1年。未だにわたしはこの町と人がだいすきである

愛媛県内子町に移住してきて、もうすぐで1年になる。今日も今日とて、紙に触れ紙の話をした帰り道、しみじみと「ここに引っ越してきてよかったなぁ」と思う。

以前noteにも書いた通り(こちらの記事)、わたしは大学進学も含めると5回移住をしている。どれも自分の意志で住む場所を選びながらなんとなく満ち足りていないものがあって、大学以外の場所は1年ほど経つと別の場所に移っていた。だけど今回は、別の場所に行きたいという気持ちが全く生まれない。
それは内子に移住する前にある程度覚悟を決めてから来たことや、パートナーにも一緒に移住をしてもらったことも関係しているけれど、1番大きな理由は「この町の魅力が底知れなくて、世間にまだ知られていないから」だと思う。(なんて書くと宣伝みたいで、とても嫌なんだが)

内子町に移住してから、本を出版したり個人事業主として自分のお店を構えたこともあり、「どうして内子に移住してきたのか」と尋ねられることが増えた。その度に
・紙の産地である
・伝統建築保存地区がある
・棚田がある地域で空き家と仲間が見つかった
・街なかと里山を繋いでくれるゲストハウスがある
・四季の移ろいが美しい
などの理由を挙げてきた。

そういう伝えやすい魅力ももちろんあるのだけれど、本当に伝えたいところは「人が良い」という部分である。伝建地区や棚田を守ってきた住民の方や、その文化的背景に惹かれてきた移住者、関わる1人ひとりが魅力的でもっと知りたい、もっと話したいと思わせる何かを持っている。
単にわたしが歳をとっていろんな人を受け入れられるようになっただけなのかもしれないし、良い人がいるのはどの町だって同じなのかもしれない。「人が良い」と言葉にすると薄っぺらくて、直接表現したって何も伝わっていない気がするから、一回来てみてほしいな、と何度も思う。地域おこし協力隊の方が先日の報告会で「みんな内子に来ればいいのにと思ってます」と言っていて、本当にそう。
まず一度内子に来てみて、ゲストハウス内子晴れに泊まって、町並みを見て、点在する里山のエリアまで足を運んでみてほしい。(内子の魅力を感じ取るには、松山観光のついでの半日滞在では時間が足りない!)

という熱い思いをひっそりと抱えながら、「まず一度内子に来てみる」の理由となるような場所作りやイベント、発信をしていきたいなと思っています。
わたしは地域おこし協力隊でも役場職員でもなくただ内子に惹かれて引っ越してきただけの紙屋なので、ちゃんとすることは目指さずに。

今日の1ページ 

なんとしても成功したいなら、本気になること。本気になれるかなれないかが明暗を分けます。状況を変えるのも、物事を動かすのも、人の心をゆさぶるのも、本気の力。「すべてを賭けて失敗したら怖い」と腰が引けていては本気になれないし、「そこまでしなくても」と冷めていてもだめ。かといって熱く燃え上がると、継続しません。じっくりした地下熱みたいな本気を、ずっと持ち続ける。本気な人に、できないことはありません。

松浦弥太郎『しごとのきほん くらしのきほん 100』p.183

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