あの扉の向こうに『歩いています。走らずに』

あの扉の向こうには
「

いきなりブレーキを掛け

立ち止まり周りを見渡した

ハイウェイで佇み

見失ったモノを探す。

ひっきりなしに過ぎる人々の中で

それを見つけるには

無理があったのかもしれない。

もうあの探し物は諦めようかな

きっと戻ってこないだろうから

それならまた、走り始めようかな。

でも、いざ走ろうとすると

臆病になったボクの

足は怖くてうずくまる。

だから、

どんな花が咲くかも知らない

小さな種子を

その足元に種を植えたんだ。

やがて、その地には

可愛い芽が出て花が咲いた

ボクの思っていた花ではないけど

無理に進まなくても

咲くことを知った。

いくつか花を育てた

それぞれの花を愛した

でも、結局それらは

望んだものでは無かった。

そうして、種を探す旅に出る

種子から選んで育てゆきたい

じっくりと、ゆっくりと

駆け足ではなく

『歩いています。走らずに』

たった一輪の特別な花を

咲かせるために

その種を見つけるために。

」

そんな『歩いてる。しばらくは走らずに』旅する物語。。