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天然酵母のパンって?

天然酵母のパンってどんなパンかご存知ですか? モッチリしていて、ずっしりと重い。そして、独特な酸味を感じる種類もあります。重めの食感のため、よく噛んで食べる必要があります。その、「噛めば噛むほど」によって素材の奥深い芳醇な風味を味わえる事ができる・・・そんなパンです。

素材の風味を楽しむ

その「噛めば噛むほど」の天然酵母のライ麦パンにすっかり魅了され、サワー種を起こし、自家製の天然酵母を使ってパンを焼いています。パンを作る際に胡麻と胡桃を入れることが多いのですが、その「噛めば噛むほど」の過程で、ライ麦の穀物独特の甘さ、甘くて香ばしい胡麻の風味、胡桃のカリっとした食感と甘味のハーモニーが口の中に広がり、バターやジャムなどが不要なくらい「素材の風味」を楽しめます。 

イースト菌と酵母の違い

その「素材の風味」を最大限に引き出しているのが「酵母」です。一般的に販売されているパンの多くはイースト菌が使用されています。天然酵母のパンは、イースト菌の代わりに「サワー種」と呼ばれている酵母を使いパン生地を発酵させて膨らませています。この違いだけで、味や食感に大きな違いが出てくるのです。

イースト菌はパウダー状のドライイーストや、パン生地のような生イーストも販売されています。どちらのイーストも安定した発酵力で大量生産できるので、スーパーなで市販されているパンにはイースト菌が使われているケースが多いです。菌というので、有害?添加物?と思われる方もいるかと思いますが、そんな事はありません。パン生地を発酵させる過程で「菌」が必要となり、酵母菌=イースト菌を使うのです。ちなみに、酵母を英語でイースト(Yeast)なので、菌の菌 って感じ?? 怪しい要素はありませんよ。

一方、天然酵母はサワー種を作り、それを酵母(発酵のもと)に使います。サワー種を作る際、最初の1歩は元種を起こしです。その元種をベースにサワー種を作り、パンが焼けるようになるまで、1週間~10日はかかります。 

これが元気に発酵したサワー種。

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一度作ってしまえば、サワー種に水と粉を継ぎ足して使い続けられるので、最初のハードルさえ乗り越えれば難しいことはありません。私の種は間もなく1年になります。使っても、使わなくても、毎日サワー種のごきげん(様子)を気にする生活。確かに手間はかかりますが、煩わしいと言うより、家族のような、ペットのような感じですよ。ぬか床でお漬物を漬けたことはありませんが、「ぬか床の管理に似ている」と言っている方も。


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住宅街の中などにお店を構えているベーカリーでは、天然酵母を使われている事が多いように思います。単に「こだわり」と言うより、安定しにくい酵母を使い、個性的なパン作りに取り組んでいるのでは。発酵の主役になる酵母なので、粉へのこだわりと同じ、もしくはそれ以上に酵母へのこだわりが強いパン職人の方々は自家製の天然酵母を使ったり、もしくはイーストと併用している方も多いようです。

今回、改めて天然酵母について調べたり、イースト菌との違いを調べてみて大きな発見がありました。 それは…手間も時間もかかるから「天然酵母」のほうが体に良いと思い込んでいましたが、そんな事は無いようです。こちらの記事を読んで、なるほど~ と感心する事が非常に多く とても勉強になりました。

天然酵母パンのほうが、風味が長持ちして日持ちする とか 保管のために冷凍しても風味が落ちにくい などは実体験から学んだ事です。パン作りの最初の一歩を天然酵母からスタートしたのでイースト菌の安定発酵の恩恵を受けていませんが・・・確かに、パン作りの過程で発酵が安定するのは安心感はあるかもしれませんね。 

とは言え、やっぱり天然酵母パン作りはやめられない! 酵母の種を作るゼロから自家製である事、毎回の発酵具合が異なりマニュアル通りに進まない事、あの手この手で工夫して個性的なパンに仕上がる事。その過程がとっても楽しい! 2度と同じように再現できないのですが、その繰り返しが毎回楽しく、今日もパンを焼いています。


次回はその天然酵母パンを美味しく食べるコツをお伝えします。


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