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沖縄返還記念日に、古代沖縄の亀(ク)の道を偲ぶ

5月15日は沖縄返還記念日です。

さて、大阪ではハチャメチャになった万博にむけて、わーわ~言うとりますが。メタンガスの爆発は、どうとりつくろっても、あかんでしょ。災害時の避難計画もおざなりで、そんなとこ行くお方はいらっしゃるのやら。

日本で初めての万博は、明治時代の大阪勧業博覧会でした。その跡が、天王寺公園、動物園、新世界界隈です。その催し物、学術人類館をめぐり、ひともんちゃくがありました。

学術人類館は、世界各地の民族の生活の様子を実演展示するもので、日本国内から沖縄とアイヌが選ばれました。騒動のきっかけは、一通の新聞投稿でした。「沖縄やアイヌといった劣等民族が日本にいることを世界にむけて展示するのは恥だ」という、どこかの頭が劣等なお方の放言でした。しかしこれが大反響をまきおこす。沖縄は日本の恥だ、と同調する意見で炎上した。すると沖縄県知事は、アイヌと一緒にされたらかなわん、とくるくるパーに。

同じころ、柳田國男は日本人の元郷として、南島沖縄を思索していました。その思いを、島崎藤村が、椰子の実、という詩に書いた。


亀、ク、の道。三つの伝承地?


金海市亀旨峰(クシフル)

朝鮮半島南端、金海(キメ)市の亀旨峰、クシフル。

九州高千穂のクシフルタケ、日本神話の天孫降臨。

辺野古の久志岳

沖縄ど真ん中の久志岳。辺野古。


写真は、上、金海市の亀旨峰のドルメン。ここは金官伽耶の天孫降臨神話の地。

下、辺野古基地工事。埋め立てと超軟弱地盤の工事は先が見えず、米軍基地の完成は不可能ではないか、完成しても狭すぎて米軍は使用しないのではないか、と言われはじめている。でも工事は強行されてゆく?

基地問題はさておき。


辺野古にそびえる、久志岳、が問題です。

クシは亀旨、ではないか。

すると、沖縄南部の、最大の聖地、久高島の久も亀ではないか。

久高島から、久志岳へと、海上に島がつらなる。そこに、浮原(ウキバル)、つまり、あまのうきはし、もある。

聖地久高島から、沖縄中心の久志岳へ、まさに天孫降臨の道ではないか。

それは、亀の道でもある。


私のイマジネーションでは、辺野古は、天孫降臨神話の幻境。この海が失われるのは、民族の起源の喪失と感じるのです。

亀に乗る神々

沖縄の、久高島と辺野古(へぬく)久志岳、のク、が、朝鮮の金官国の亀旨峰(クシフル)と共通の天孫降臨神話と亀の道を示唆しているのではないか、という仮説を述べました。

亀に乗って竜宮城へいく、といえば、浦島太郎です。(沖縄の久高島から、久志岳への道には、宮城島がある)

亀に乗って登場する神様がいます。

神武をヤマトに導くために現れる、ウズの神、

シイネツヒコとの名をたまわり、ヤマト国造の始祖とされます。

海上の道案内の神にシオツチノオジがいます。シオツチは、塩土、塩田、猿田、で、猿田彦と同一神ではないか。

ウズの神といえば、ウズメを連想します。ウズメは猿田彦の妻とされますから、亀に乗って現れるウズは、猿田彦でもあり、シオツチノオジでもあるのかもしれません。

シオツチノオジを祀るのは、宮城県松島湾の塩竃神社。猿田彦は三重県伊勢の国、椿神社。


天孫降臨と亀の道。

朝鮮半島金官伽耶の亀旨峰から、沖縄の久高島と久志岳、さらに、

丹後の浦島伝説、伊勢の猿田彦、東北宮城の塩竃神社のシオツチノオジ。

歴史の舞台は、壮大です。

めまいがします。


浦島太郎伝説の、亀にのる神の足跡をたどる

御伽草子の元の話では、老人になった浦島太郎は、鶴に変身して、蓬莱山に飛び、亀姫と永遠に結ばれる、ハッピーエンドだそうです。鶴亀の縁起も、浦島太郎伝説から生まれたとか。

鶴に変身する!ヤマトタケルの白鳥伝説にそっくりですね。

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なんで浦島太郎のことを考えたのか。

発端は、庚申信仰が、701年四天王寺で始まった、という伝承の考察でした。

この年は、持統太上天皇が亡くなる前年。持統の野心は、自らをモデルとするアマテラスを中心に日本の神祇体系を作り直すことではないだろうか。

当然、それに対する抵抗勢力もあったはずだ。

太陽神をアマテラスとし、伊勢の国に祀ると、伊勢の本来の太陽神、猿田彦が否定される。

猿田彦を太陽神としてひそかに護持するのが、庚申信仰ではないか。

たとえば、天王寺舞楽のなかで聖徳太子自身が笛を吹くと現れる、蘇莫者(そまくしゃ)という猿神。

あるいは、石の鳥居に掘り出された、カエルとされる4つの出っ張り。カエルは、猿田彦の遣いである。つまり、四天王寺には秘かに猿田彦がまつられている、暗号ではないか。それが、日本全国にひろがった庚申信仰を意味しているのではないか。

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猿田彦は道祖神であると、天孫降臨神話に明確に語られている。

同じ道祖神に、塩土叔父、がいる。

塩土、塩田、猿田、と明快に変換できる。

神武神話に道案内の神として、亀に乗っているウズの神が登場する。ウズといえばウズメ。ウズメは猿田彦の妻となり、サルメとされる。

猿女は宮中の巫女集団をさす、重要な言葉となる。宮中祭祀の太陽神は、やはり猿田彦ではないか。

道祖神として、神武を先導した、亀に乗った、ウズの神。

たとえば、玄武。亀に巻き付く、蛇が太陽を現す。亀は大地である。

ウズは、太陽神たる蛇神、龍神かもしれない。

ウズ、とは、潮流であろう。潮、しお、のウズから立ち上る太陽。大航海民族の原初の神かもしれない。

潮から、塩土、猿田、と変容する。

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天孫降臨を道案内する、猿田彦。その原初の神がウズならば、そこには、亀のモチーフが隠されている。

朝鮮半島南端、ヤマトの領土と日本書紀が主張する伽耶地域。その天孫降臨神話は、亀旨峰、クシフル、いはば亀山、の亀の卵から産まれた王の話である。

日本では、水の神様は蛇とイメージされることが多い。出雲では、沖縄の海蛇が漂着したら神様として祭りをおこなっていた。ならば漂着した常世神スクナヒコナもまた蛇神であろう。

亀は水源である山のイメージとなる。亀姫が山に登れば山の神。白山のククリヒメのクは亀かもしれない。六甲はまさに亀の甲羅。六甲の神とされるのが、セオリツヒメ。亀の背中にいる女神かな。

蛇は神々の主流となる一方、亀は傍流となってゆく。

浦島太郎は鶴に


乙姫はもとは亀姫
鶴亀なかむつまじく暮らしました、とさ

沖縄への思いを、とりとめなく語らせていただきました。とりとめなさすぎて、面目ございません。



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