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サクサク、ホロホロ。あのブレッツェルをもう一度

レ・ザンジュには「ブレッツェル」という、創業以来大切にしてきたお菓子があります。一度は販売を終えてしまったこの商品を、もう一度お客様に届けたい。そんな想いから、シェフの手によってごくわずかではありますが、不定期での販売を再開しました。

わたしたちの大切な味をこれからのレ・ザンジュの歴史に刻んでくために、ここに誕生秘話と再販への想いを綴ります。


サクサク、ホロホロ。レ・ザンジュのブレッツェル

ブレッツェルはラテン語で「腕」という意味。その名の通り腕組みをしたような形が印象的なブレッツェルは、塩がまぶされたドイツのパンを思い浮かべる人が少なくないと思います。

一方、レ・ザンジュのブレッツェルはサクサク、ホロホロの食感が特徴のクッキー。1枚の平らなクッキーと違って、2種類の生地がねじれて重なるこの形は場所によって食感が異なります。一口ごとに変化していく食感のリズムは、ブレッツェル最大の魅力と言えます。

もうひとつの特徴は、仕上げに振る粉糖。上品な甘みの粉糖をまとうことで、大ぶりでありながらいつまでも飽きずに最後まで楽しめる味に仕上がっています。

ブレッツェル誕生のきっかけは余った生地だった

特徴的な食感と食べやすい味で40年前の創業当時から愛されてきたブレッツェルですが、実は、もともとはやむを得ない事情から生まれたものでした。

当時のシェフが都内のレストラン勤務時代、手違いでクッキー生地が大量に余ってしまうというトラブルがありました。その生地を使って何か新しいお菓子を作るよう命じられ、クッキー生地と、別のお菓子のパイ生地を合わせて試作。すると、何とも美味しいブレッツェルが出来上がりました。

そんな誕生秘話も含めて、ブレッツェルはレ・ザンジュで働くスタッフ達にとって深い思い入れがあり、大切に語り継がれる名品となっているのです。

愛されながらも販売を終えた理由

名品と呼ばれるブレッツェルが、なぜ販売を終えてしまったのか。その理由は製造工程にありました。

クッキーは素材や焼き加減によってさまざまな食感になり、それも味わいのひとつとして楽しめますが、レ・ザンジュのブレッツェルに使っている生地は、少しでも焼き色が入りすぎると苦みが出てしまいます。

常に窯に注意を払いながら絶妙な焼き加減で止めるのがポイントで、その技術は機械では真似できません。そのため大量生産に向かず、時代の変化や原材料費の高騰なども相まって、やむなく終売することとなってしまいました。

後世まで語り継ぎたい、ブレッツェルの味

一度は販売を終えたものの、創業当初から大切にしてきたこの味わいをどうにかしてお客様に届けたい。その一心で話し合いを重ね、決して効率的とは言えませんが、まずは月に一度という形で販売を再開することになりました。

数が多くはなくとも、レ・ザンジュ伝統の味を後世まで語り継いでいきたい。ブレッツェルを口にしたお客様にひとときの幸せな思い出を残せたら、それはわたしたちにとってこの上ない幸せです。

月に一度ほどの不定期販売を再開したブレッツェル。販売スケジュールなど詳しくはレ・ザンジュInstagramにてお知らせしています。