肉を食おう静岡前編
前回↓
ギャルの闘争に巻き込まれる前にそそくさと神奈川をあとにし、私は静岡へむかった。
静岡といえば浜松餃子に美味しいお茶にうなぎパイにさわやか。最高だ。
考えただけで唾液腺がきゅっとなる。
「あの」
静岡駅に降り立ってすぐ声をかけられた。
「はい、あれ?」
声をする方を向いたが誰もいない。
「こっちです、こっち」
うわ…無視すればよかった…厄災の予感。
像から声がする。なんかちょっと好青年なのが腹立つ。天草四郎?ではないな
「竹千代くん?」随分フレンドリーだ
「あ、いえ。竹千代君です。ぎみ」
あ、恥ずかしいやつ。いやしかしここで認めたらアホがバレるじゃないか。私は堂々と嘘を突き通すことにした。
「あーうん。笑 知ってる知ってる。でもさ、ギミは距離ない?友だちになりたくってさ」
「トモ…ダチ…」
その反応にやっと、私は自ら墓場に足を突っ込んだことに気付いた。喋る像と友だちはフラグ過ぎる。今日から私も像デビュー⭐︎なんて冗談じゃないぞ。せめてこいつを人間サイドに引き込む作戦でいこう。
「そう。一緒に歩いたりさ、さわやか食べたり」
「さわやかって?」
「え、知らないの?静岡にずっと立ってんのに?!ハンバーグよハンバーグ」
「はんばあぐ?それは一体…」
竹千代興味津々。おっとこれは…?
私のうちなるドヤが疼き出している。
「とりま行こうぜ!足動く?」
「いや見ての通り固まっていて…」
固まってる…銅像だもんな。
あー、いけるか?こんなときには…
テレレレッテレー \\アンメルツ〜//
凝り固まった銅にぬーりぬりぬり。
「むむ、なんだかスースーするぞ」
後半へ〜続く
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