【節税対策】事業を始めるなら個人事業主or法人化!?
事業を始める際、税務に関する知識が不足していることが多く、様々な疑問や不安を抱えるものですよね!そのため最初に法人化した方がいいのか、個人事業主としてやっていった方がいいのか悩む方も多くいるかと思い、節税の観点から分かりやすく解説します!!
法人設立と税務
事業をこれからスタートさせていくとき、個人事業主として開業するか、法人を設立するかを選択する必要があります。
法人としてやっていくには、役場での定款の承認や登記簿への記載事項を考えたりと、めんどくさいことが多いですが、法人と個人事業主とは異なり、税務面においては両者には大きな違いがあります!
課税方式(一番おおきく異なるところがここ)
個人事業主: 事業所得は所得税の課税対象となり、累進課税が適用されます。所得税では、所得額が大きくなるにつれて、税率も高くなる仕組みになってます。このような税率を「累進税率」と呼びます。
法人: 法人税が課税対象となり、法人税率は一律23.2%でとなってます。
また、資本金が1億円以下の中小法人については、800万円以下の所得部分については19%という優遇税率が認められ、しかも、平成29年4月1日以降開始事業年度までは、さらにお得な15%という税率となっています!
スタートアップや中小企業はさらに多くの税制メリットがあるので今後取り上げていきたいと思います!
これらを基に、個人事業主と法人の税額を単純計算をしてみると、売上高から必要経費を差し引いた総所得金額が695万円以下の場合には、個人事業の場合の所得税率の方が安く、695万円を超えると法人税が節税できるように見えるかもしれません。。。
しかしこんな単純な話ではなく、
個人事業主の累進税率というのは、一定の所得金額を超えると、その全体に対して税率が上がってしまうというわけではなく、超えた部分のみの所得に対してのみ、高い税率がかかる仕組みとなっております。(ここが結構間違われやすい・・・)
このため、以下の試算の通り、総所得金額が950万円を越えるようにならないと、法人の方が税金が安くなることにはならないのです。
【個人事業主の所得】
(9,500,000円×33%)-1,536,000円=1,599,000円
【法人の所得】
(8,000,000円×15%)=1,200,000円
(1,500,000円×23.4%)=1,200,000円
1,200,000円+1,200,000円=1,551,000円
だがしかし・・・法人には役員報酬があるのです。
法人の場合では、企業の総所得の中から役員報酬を経費とし、法人としての所得を圧縮することができます。
仮に300万を役員報酬とした場合、
法人所得=9,500,000-3,000,000=6,500,000
法人税=6,500,000×15%=975,000
個人所得(役員報酬)=3,000,000×10%-97,500=202,500
支払税金合計=975,000+202,500=1,177,500円
そして役員報酬を400万にした場合だと、支払税金合計は1,152,500円!
どちらに関しても役員報酬を支払った方が、総額で考えると40万円近く税負担が減らせることが分かるかと思います。
ただ役員報酬といった給与所得を受ける場合にももう一つ考える要素があります。それが給与所得控除になります。
ありがたき給与所得控除
「給与所得控除」とは、給料の額にそもまま税金がかかるのではなく、給与から一定の額を控除し、その残りにだけ所得税が課税される仕組みになります。
これは給与所得者が必要経費の代わりに設けられた制度ともなっております。
仮に年収800万円の場合、
給与所得課税控除額=8,000,000円×10%+1,200,000円=2,000,000円
給与所得額=8,000,000円-2,000,000円=6,000,000円
このように年収800万の方であれば所得を600万とみなし、そこから累進課税によって算出され課税されることになってきます。
そしてこれこそが、個人事業主よりも法人化した方が節税に結び付く最大の要因となっております!!!
個人事業主であれば、
①売上から必要経費を差し引いた金額が事業所得となってきますが、
法人であれば、
①売上から必要経費を差し引いて、そこから役員報酬を経費として計上し、法人税が課税され、
②役員報酬のうち、給与所得控除さらた額から所得税が課せられることになります。
よって法人化した場合、総額の納付金額で算出すると、税金の観点だけですがかなり節税になってきます。
法人でも個人でもある必要経費!?
そして節税の要でもある必要経費!!
必要経費という考え方は法人でも個人事業主でもありますが、その内訳には差異があり、法人の方がより柔軟になってます。
例えば生命保険契約
個人事業主であれば生命保険料は、年間最大12万円の生命保険料控除が可能となっております。しかし最大12万のため、どんなに高額な保険に加入していたとしても12万円になってしまうのです。。。
しかし、生命保険の契約者と保険金の受取人の両方を法人として生命保険に加入しておけば、仮に代表に対する生命保険であり、その内容は同じであったとしても、保険の種類によっては、支払額の全額を経費として扱うことができます。これはもう12万円と100万円なので雲泥の差であることは間違いありませんよね!!
その他にも、法人であれば、「慶弔規定」といった規定を整備しておくことで、慶弔費が経費として認められたり、住居を役員社宅として取り扱い、家賃のおおむね50%を経費とすることができるようになります。
この辺についてはまた別の機会に説明します!!笑
結局、個人事業主と法人どちらが税務メリットがあるの!?
このように結論、個人事業主で所得を得るよりも、法人化して所得を得る方が税金という観点からでは、節税になってきます。
しかし法人化した場合、税金だけではなく、様々なリスクや事業の継続性を加味しなくてはいけなくなります。また今回の課税計算は、あくまでも法人の所得全体と個人事業主の所得の話になってくるため、株主比率や、従業員の数等にもよっても異なることになってきます。このような個々の状況で異なるため、「自分の事業では、どのようにすればベストなのか?」については、専門家に相談しましょう!!!
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