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【演劇】アラビアンナイト(文学座)

 2024年5月15日(水)、信濃町近くの文学座アトリエで、『アラビアンナイト』を観劇しました。感想を記載します。公演は5月18日(土)までです。

■イントロダクション

国中から慕われていた王、シャハリヤールは最愛の妻に裏切られたことをきっかけに毎夜若い娘を妻に迎えては翌朝処刑するという蛮行を繰り返していた。 その王様に仕えていた大臣の娘シャハラザードは一計を案じ、自ら王様の妻となることを申し出て宮殿に向かう。〈中略〉シャハラザードの巧みな話術によって語られる物語に王様は心惹かれ、明日また話を聞くためにと処刑を延期する。そして千日もの間、夜毎ひとつずつ語られるお話。しかしその物語の泉も枯れようとしていた。シャハラザードの運命は。そして王国に奇跡は起きるのか…。

文学座のホームページより、中略部分を加工。

■メモと感想

(1)設定の面白さ

 『千夜一夜物語』は、全巻読もうとすると物凄い量で私は未読ですが、子どもの時から興味のある物語です。ヨーロッパとも違うイスラム(アラビア?)の世界であって、その世界に惹かれるとともに、子ども時代に親から童話や昔話を読み聞かせてもらったように、毎夜一つずつ物語が語られる設定が面白いと思います。
 文学座で上演されると知った時からの大変楽しみにしていた舞台でした。

(2)舞台の構成

 『アリババと40人の盗賊』や『シンドバッドの冒険』など有名な話を含め、シャハラザードが物語る流れで、いくつかの話が挿入されています。ネタバレになるので個別の話については記載しませんが、舞台となる地域や物語の古さ、寓話性の強さなど、物語によって様々で異なるのだなぁ、と感じました。また、各話の中で、俳優の方々が(動物の役なども含め)色々な役を演じられてちいて、それぞれの方の個性を感じつつも、皆さんが舞台をすごく楽しんで演じられているように感じました。アフタートークがある回に観劇したかったです!

(3)子どもも楽しめる舞台

 私は通常公演の回に観劇したのですが、GW中はファミリーデイ(未就学児入場可)の回もありました。また、公演プログラムの中で、演出・五戸真理枝さんのページに、「小さなお子様にも演劇を楽しんで頂けるよう〈中略〉試行錯誤」されたともありました。「視覚的表現」という記載が印象に残りました。実際、子どもも楽しめる舞台だったのではないかと思いました。

(4)その他

 上記したイントロダクションでは中略としたのですが、シャハラザードには、ディーナザードという妹がいて、姉妹の物語でもありました。
 また、なぜ王が人間不信になるのか、最後は現代的に「人間の意思」を試すような構成でもあり、その点も面白く思いました。

■余談:子供向けの本・絵本

 余談となりますが、私は親戚の子どもに本を贈ろうと思い、候補として『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』を、本屋で探したことがあります。なかなか難しいですね。
 話の数が多く、小さい子ども向けの本は探しづらかったです。他方、まとまった本は、高学年や中高生向けで、その頃には個性も強くなっているだろうから、関心を持ってもらえるか難しいかもしれないと感じました。
 贈ろうとしつつ、(毎度のことですが)自分が読みたい本を探しているのかもしれません。逆に言えば、自分が読んで楽しいと思えるものを贈りたいのです。(大人の)エゴかもしれませんが。ここまで書きながら、もう少し子ども本人の興味や関心を重視したいと思いました。余談です。

 本日は以上です。冒頭の写真は「アラビアンナイト」で検索し、すかーれっとさんの画像を使用させて頂きました。ありがとうございました。


■公演概要

  • 文学座公演『アラビアンナイト』

  • 作:ドミニク・クック

  • 訳:鴇澤麻由子

  • 演出:五戸真理枝

  • キャスト:藤川三郎、松井工、千田美智子、相川春樹、日景温子、柴田美波、松本祐華、稲岡良純 、比嘉崇貴、牧紅葉

  • 日程:2024年5月4日(土)~5月18日(土)

  • 会場:文学座アトリエ

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