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絶対に読まれたくない話

 年上の人を好きになったことがある。いつでも冷静で、たまに面白く、落ち着いた人だった。好きになった背景には、性被害と言っていいものか、かなりグレーな被害にあい、自分の中で整理が付けきれず、藁にも縋る思いで周囲に相談しており、その中でも親身になって、冷静に話を聞いてくださり、私の代わりに怒ってくださった出来事がきっかけだった。

 弱っている時に、少しでも優しくされると、すぐにそちらへ流れてしまう私。自分でも情けないし、恥ずかしいなと思う。

 その方はコーヒーが好きだった。当時の私はご飯をあまり食べられておらず、胃があれなさそうなものを選ぼうとしたが、コーヒーに関する知識が皆無だったため、メニューに目を通し、パッと目についたカタカナを注文しようとした。

 「それにするの?!」
 と驚かれて、どうやらかなり濃いものを選んでいたことに気が付き、恥ずかしくなった。そんなこんな綴りながらこの文章をあまり読んでいる人はいないとはいえ、世に公開する私も私だなあと、また恥ずかしくなる。

 あの時の「好き」は、きっと、汚れた自分を、もとに戻したかったのだと思う。この人と一緒にいなければ私はこのまま底に落ちてしまう。というなんとも身勝手な不安に駆られて、いきなり告白した。

 ただ、深刻な相談だったから、聞かざるを得ず、聞いていただけなのに勝手に恋心を抱かれ迷惑だったよなあ・・・と、たまたま出されたコーヒーにミルクを入れながら思い返し、綴った文章でした。

 お?ここまで読んだ人はいるのだろうか。ありがとね。

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