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【低身長】小さな足の悩みとその解決

低身長とブランド


人類が幸福だったのは、裸で過ごしていた間だけだった。

服を着始めて、人類の不幸が始まった、とたしか聖書にも書いていたと思う。

なぜなら、服のサイズに悩まなければならなくなったから。


わたしが低身長で苦労してきたことは、これまでも書いてきた。

苦労のひとつが「服」であることは言うまでもない。


低身長といえば、昭和生まれの我々は思い出す。

「わたしゃ、も少し、背がほしい」の玉川カルテット・二葉しげる(145cm)さん。

いまも80代で健在らしい。

「TOKYO CAR WATCHING 東京カーウォッチング 2021/6/10」より


低身長のレジェンドと言うべき彼も、かつて低身長ゆえの「服」の悩みをしゃべっていた。

正確には覚えていないが、

「カジュアルな服では、サイズが合わないから、背広ばかり着るようになる」

みたいなことを言っていた。


そう、スーツとか、学校の制服とかは、だいたいすべてのサイズが用意されている。

問題は、ブティックなんかで売られている、しゃれた服だ。

そういう、流行ものに、サイズがない。それが悩みになる。

低身長の男は、背が低いうえに、ダサい、堅苦しい服装を事実上強いられるので、ますますもてない。


でも、最近は、低身長男子のための『レトロピクス』というブランドもある、という記事を読んだ。


『レトロピクス』は160cmを基準とした小柄男性の体型に合わせて服をデザインしている。

一般的なデザイン工程ではLサイズを基準として全体的に縮小(グレーディング)してSサイズが作られるため、小柄な男性の丈や肩幅に合わないケースがでてくる。

しかし『レトロピクス』の小さいサイズは、シルエットはもちろん、ボタンの感触や襟の幅、ラペルの位置など、細部にわたって小柄男性のためのディテールを設計している。そのため、まるでオーダーメイドのようなフィット感を体感できるという。

【低身長男子、注目!】小さいサイズ専門メンズアパレル「レトロピクス」(ジオ倶楽部 5月1日)


けっこうなことではないか。

わたしが若いとき、こういうのがあったら利用したかもしれない。

が、わたしにはもう遅い。老人になって、いまさらおしゃれする気はない。

(それにわたしは、中年を過ぎると太って、低身長でもSサイズでは入らなくなった)


小さな足の悩み


わたしは「足のサイズが小さい」という悩みもかかえている。

わたしのサイズは24.5センチだ。男としては小さい。

低身長でも足が大きい人がいるし、身長にかかわらず足が小さい人もいるから、低身長とどこまで相関するか、自信はないのだが。


わたしが若いころ、1970年代から80年代にかけて「トラッド」というのが大流行して、みんな「ローファー」というのを履いていた。

「ローファー」なんて靴があるのを、田舎者だから知らなかったが、わたしも東京で流行しているそれを履きたいと思った。


それで、バイト代を貯めて、Regalに「ローファーください」と買いに行ったのだが、サイズがない。

いちばん小さいサイズでも、ちょっと大きいのだ。

ひも靴なら、多少大きくても履けるのだが、ローファーでは足が抜ける。


わたしは結局、若いころにローファーが履けなかった。

ローファーを履けていたら、女にもてて、わたしにも幸せな青春があったはずだ、人生がちがったはずだ、といまだに思う。


同じ悩みを、サンフランシスコ在住のYouTuber、桑港たかしさんが抱えていることを、以前の彼の動画で知った。


今日はこれからバスで、約8時間かけて、ロサンゼルスまで行きます。向うで2泊の予定です。1年に1回か2回、これをやるんですけども、目的は何かっていうと、靴を買うためなんですね。自分の場合、サイズが24.5センチ、インチでは6.5になるんですけども、ほとんどの靴が7インチから始まるので、靴を見つけるのがすごく大変なんですね。でも以前ロサンゼルスで、「ボイルハイツ」という、メキシコ系の人が9割近くを占める地区に住んでたんですけど、そこでメキシコ系の靴屋さんを見つけて、自分のサイズにぴったりな靴を売っているのに気づきました。そこへ行くんですね。

なんと靴を買いに、サンフランシスコからL.A.までバス旅行(桑港たかし 2023/4/18)


わたしの場合、それでは靴をどうしていたかというと、「服」の場合と同じだ。

おしゃれな靴は履けないが、ダサい靴なら、まあギリギリある。

運動靴やビジネスシューズのようなものだったら、小さいサイズがあったりする。


服と同じで、ファッション面に目をつぶれば、なんとかなる。

そうやって、なんとかしてきたのが実際だ。

本当に着たいものを着れず、履きたいものを履けなかった人生だった。


その解決



ただ、靴に関しては、最近、新たな解決法を見つけた。

女ものの靴を履くことである。

なんでこれまでこれに気づかなかったのか、不思議なくらいだ。


女の靴のコーナーに行けば、とくに老人にとって安全なスニーカー類が、小さいサイズでたくさんそろっている。

おしゃれなデザインのものも多い。

わたしは最近は、迷わず女ものの靴のコーナーに行く。

足の形に、男も女もないのだ。


いや、薄々は、その手があるのではないか、とむかしから思っていた。

でも、靴屋さんで、女ものの靴をください、と言うのは恥ずかしかった。

若いころは。


いま老人になれば、恥も外聞もない。

わたしがよく行くのは「しまむら」だ。

「しまむら」はとくに、女ものの靴を安売りしていて、決算期には1000円くらいで売っているのも有難い。


一度、会計のとき「これ、女ものですが、いいですか?」と女の店員に確認されて、ちょっと恥ずかしかったが、ふだんは聞かれることがない。


こういうのも「トランスジェンダー」と言うのではないか。

言わないか。


でも、「服」でも同じことができるのではないか、と思い始めているから、「トランス」が始まっているかもしれない。



<参考>


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