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家事整理と時間04「一年間の家事予定」

 毎日、家事や仕事、育児に追われて「なんで、こんなに忙しいの?」と思うことはありませんか? 時間の使い方が上手になりたい、と思う人は多いでしょう。
 羽仁もと子が家事と家計を中心に身近な家庭経営の問題に熱心にとりくみ、著作集としてまとめ上げた『家事家計篇』には、年間ですることを1月から12月に割り振り、さらに週の割り振りをするようにと、家事を整理して行う重要性について書かれています。

一年中の仕事くばり
 今月は何、来月は何と、裁縫その他の用事を月々に割りあてて、一年中の仕事くばりを年の始めにしておかないと、いそがしい家庭などでは、その日その日のことにかまけて、ほかの用事はついついのびのびになり、目の前に必要ができてから、急いで縫物や積もりものをする、そのためにこうむる一家の不経済と混雑は一通りではありません。少人数の用事の少ない家庭であっても、方針なしに仕事をすると、仕事の切れ間というものは、おそらく年中ないようになりましょう。
 そこでまず一年中の仕事の総くくりをつけておいて、日々の仕事をその総くくりから割り出してこなければなりません。

一週間の日割り
 一年中の用事の大体を落ちなく各月に割りあてたら、次には特別の掃除とかシーツなどの洗濯や毎日着るものの手入れを一週間に割りあてて、落ちなく始末ができるように定めておくことが便利です。
 その家々の仕事の都合で、起きるとき、朝のかたづけ、掃除を終わる時間、晩のしまい時間、および朝起きて戸をあけること、朝食の支度にかかること、戸締まり消灯などの順序など、ちゃんと決めておくと、どんなにか毎日主婦の手数もはぶけ、用事も早くかたづきます。
 朝のあと片付けおよび掃除のすんだのちに、主婦は必ず台所を見まわって、物の置き場所の違わないように、また掃除の十分かどうかを見ることです。
 寝る前の家をきちんとすることは前に書きました。
 家人おのおのはその着替えを、土曜日の晩にそろえておいて、毎日曜日にじゅばんを換えるとか、ふとんの上敷きは各週の土曜日とかいうようにさだめておくと、多用にまぎれてつい忘れているうちに、今度は意外に敷布の洗濯が遅くなったなどということがなくてすみます。

羽仁もと子著作集第9巻『家事家計篇』第5章 家事整理と時間「四 一年間の家事予定」より

 「じゅばん」や「ふとんの上敷き」を現代に置き換えれば、「毎日曜日にパジャマを洗う」「シーツは土曜日に洗う」でしょうか。家族で曜日ごとの家事ルーティーンを共有すれば、心地よい家を家族みんなの協力でたもてそうです。

『 Diary for simple life』のご紹介

 よい予定を立てて家事を上手に運営していくため、羽仁もと子が創案した『主婦日記』を、今は『 Diary for simple life』の名で婦人之友社より毎年発売しています。
 毎晩10~15分、1日の終わりに記帳する習慣を身につけると、翌日の仕事や外出の予定が時間を追って、頭の中にきちんと整理されます。また、献立も書きこんでおけば、翌朝の家事を気持ちよく始めることができるでしょう。このとき、家計簿もつけることで、家計予算と家事の予定を一緒に考えることができます。
 どんなに忙しい人でも、このノートをつけて、予定にそった生活をしていると、1週間、1カ月、さらに1年間の予定がはっきりと見通せ、いつのまにか能率よく暮らすことができるようになります。

『 Diary for simple life』(主婦日記)2024年版



『 Diary for simple life』について詳しく見る(婦人之友社サイトへ)
https://www.fujinnotomo.co.jp/other/diary/b249914/

「家事整理と時間」の章はこちらでも掲載しています。


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