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ぼくたちの灯火は消えない。

本日、仲間集めプラットフォーム「TOMOSHIBI」を、CAMPFIREからCrewwさんに事業譲渡致しました。

創業、β版リリース、事業譲渡、正式版リリース、ピボットの検討、法人プランの提供、そしてサービスクローズのお知らせ。たった2年間の間に目まぐるしい変化を辿ったTOMOSHIBIですが、改めて、火を灯すことになりました。

(クローズに関しての想いは6月に書き綴ったので、今回は割愛します。)

Crewwさんへの譲渡について

今回TOMOSHIBIを引き受けて下さることになったCrewwさんは、実はTOMOSHIBIをご利用頂いていたお客さんでもあり、共にスタートアップの支援に取り組んでいたパートナーでもありました。

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Crewwさんが運営する「STARTUP STUDIO by Creww」では、会社員をしながら、学生をしながら、はたまたフルコミットで、と様々なバックグラウンドの人が、起業というカタチで新しい価値や体験の創造に取り組んでいました。

TOMOSHIBIではそんな方々のプロジェクトを掲載し、スタートアップに関わってみたい、自分のスキルを試してみたい、社会課題の解決に取り組みたい、という人とプロジェクトのマッチングを支援していました。

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僕自身もメンターのような立場でコミュニティに入らせて頂き、プログラムに参加されている起業家のみなさまとお話をさせて頂いていて「まさにTOMOSHIBIを具象化したような空間だ、、」と感じたことを覚えています。

当時から、Crewwさんの持つ「プログラム力・推進力」TOMOSHIBIの持つ「プラットフォーム性・拡散性」を組み合わせたら、起業家にとっても、そこで新たなチャレンジをしたい人にとっても、今までにない新たな挑戦の場を作れるのではないかと考えていました。

TOMOSHIBIのクローズを聞いたCrewwさんから「TOMOSHIBIを譲ってくれないか」とご連絡を頂いたとき、一度諦めかけたその可能性がまた甦ったようで、とてもワクワクしました。

今、必要な挑戦のインフラ

もう少しだけ、CrewwさんへのTOMOSHIBI引き渡しの背景についてお話します。

ここ数年、スタートアップ界隈では様々なスタープレイヤーが生まれ、大型調達やEXITのニュースが目立ちます。VCや有名エンジェル投資家の方々にもTwitter上でダイレクトにアクセスできるようになり、とても起業しやすい環境になっているように見えます。正直、この「界隈」の中にいても、とても大きな流れがきているように感じます。

実際、スタートアップによる資金調達金額は、リーマンショック以降は年々と増加傾向にあります。(JVCAさんの国内スタートアップ資金調達動向資料より抜粋)

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一方、大型資金調達が増える中で、小規模の資金調達は減少してきていることも確かです。1,000万円以下の資金調達(エンジェルラウンド・プレシードラウンド)の調達は、特にそれが顕著に表れています。

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この「小規模調達※の減少」を「華やかな大型調達が増えたからだ」と単純に断ずるつもりはありませんが(創業融資や様々な創業支援が手厚くなっているからとも言えます)、やはりこの「小規模調達」が必要なフェーズのスタートアップ(のタマゴ)に対するサポートは、日本におけるスタートアップビジネスを活性化させていく中で、より手厚く、そして多くの人がリーチできる状態になっていかなければならないと思っています。

※便宜上「小規模」なんて言い方をしていますが、普通に考えて1,000万円は大金ですし、そこを勘違いしている起業家はいないと信じています。

前置きがかなり長くなりましたが、このスタートアップ界隈において「まだ光が当たっていない、スタートアップのタマゴが孵化する場所(まさに文字通りインキュベーション)」は非常に重要です。そして、CrewwさんがTOMOSHIBIを使ってくれれば、その新しい仕組みが実現できるのではないか、と思うのです。

Crewwさんの持つハンズオンのプログラム力や推進力の土台、そしてその拡張ツールとして、TOMOSHIBIという仲間集めのプラットフォームが加われば「有機的なチーミングを含めて、創業期を総合的にサポートするインキュベーションプラットフォーム」が可能になると思っています。

そんなビジョンが見えるからこそ、Crewwさんへの事業譲渡について、創業者であるぼくに、一切の迷いもありませんでした。

※ここまで言っておいて何ですが、これは完全なる私見です。実際にCrewwさんが今後TOMOSHIBIをどう活用するかを断定するものではありませんので、創業者の妄想程度にお考えください。

TOMOSHIBIチームの今とこれから

2020年6月、TOMOSHIBIのクローズを発表した時、想像もしていなかった程の、愛あるコメントを頂きました。サービス終了を惜しむお声をたくさん頂いて、とても胸が熱くなりました。

そして同時に、ぼくらTOMOSHIBIチームへの励ましのお声も(僭越ながらたくさんのお礼やお褒めも)同じくらい頂きました。プロダクトを作ってきた人間として、こんなに幸福なことはないな、と心から思いました。

だからこそ、TOMOSHIBIチームが本質的にTOMOSHIBIチームではなくなるこのタイミングで、今とこれからのぼくらについても、少しだけお知らせさせてください。

まず、株式会社TOMOSHIBIの共同創業者であり、フルスタックで(たった1人で)TOMOSHIBIの開発を担当していた、エンジニアの生沼(ぴょん)。

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エンジニアとしての技術はもちろん、ビジネスやデザインとのコミュニケーションを通して、プロダクト組織をリードしていくことができる優秀なエンジニアです。彼は今、400万人のユーザー、数百億円の流通を支える購入型クラウドファンディング「CAMPFIRE」のテックリードとして、大活躍しています。先日、2020 CAMPFIREグループMVPを獲得しました。

次に、最初は知人の紹介であった有志として、そして事業譲渡後のCAMPFIREにも一緒についてきてくれた、デザイナーの森口(むっちゃん

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デザイナーとしての技量だけでなく、丁寧な情報設計能力や表層だけでは見えない本質を見逃さない眼を持ち、そしてチームの核として様々なレイヤーの人間を巻き込んで中心から推進していくことができる、優秀なデザイナーです。彼女は今、新設されたCAMPFIREグループ横断のデザインチームを率いる、初代デザインマネージャーとして、デザイン実務だけではなく、グループ全体のデザイナー組織強化に大きく貢献しています。彼女も、2020 CAMPFIREグループMVP(家入賞)を獲得しました。

そしてぼくもまた、TOMOSHIBIで出来なかったこと、学んだことの答え合わせをするように、新しい事業を立ち上げています。

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スタートアップ特化のクラウドファンディングでもある株式投資型クラウドファンディング CAMPFIRE Angelsの立ち上げに事業サイドのPMとして参画していました。この12月から、グループ会社DANベンチャーキャピタルの取締役に就任し、経営企画・事業戦略・プロダクト・マーケティング領域を統括しています。

全員チームを離れて全く違う領域に進むことになりましたが、それぞれが新しい場所で、TOMOSHIBIでの経験を活かして、ぼくら自身も新しい挑戦に臨んでいます。

(チーム解散後の2人の活躍を社内各所で聞くたびに、そうだろう〜優秀だろう〜、と鼻が高くて仕方がないことも申し添えておきます。2人がMVPを受賞したときのぼくの誇らしさたるや、もう。)

改めて

また長々と書き綴ってしまいましたが、やはり創業者としては「TOMOSHIBIは無くなってはいけないサービスだ」と、自分たち以外の誰かに認めてもらえたことが、何よりもただ嬉しかったです。

起業という限定された文脈の中だけではなく、様々な場所で、様々な想いで、新しい挑戦を始める人のプラットフォームとして、誰かの挑戦を支える場所であり続けて欲しい、と願っています。

これから先のTOMOSHIBIがCrewwさんの元でどう成長していくのか、心から楽しみにしています。

これからも、TOMOSHIBIとCrewwさん、そして新しい挑戦を続けるぼくたちTOMOSHIBIチームを、暖かく見守って頂けたら幸いです。


※追記:先日久々に、三人でゆっくりご飯に行ってきました。しばらく会わないうちにジョンレノンとLiSAさんみたいになっていました。みんな元気です。

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