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自省録

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#テクノロジー

プライバシー・パラドックス ~データ監視社会と「わたし」の再発明~を読んで

プライバシー・パラドックス ~データ監視社会と「わたし」の再発明~を読んで

メディア美学者である武邑さんの新著「プライバシー・パラドックス」が非常に面白かったので、備忘録的に内容と感想をまとめておこうと思う。

この本を一言でいうと昨今「データ」や「プライバシー」に対する人々の欲求と行動の間に大きな乖離が生まれている。

人々はプライバシーや自己のデータ保護を主張する一方で、そうした権利を脅かす便利なサービスを進んで利用している。

そうした「プライバシーパラドクス」とも

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ARはフィルターバブル問題を助長するが、同時に解決策にもなる

ARはフィルターバブル問題を助長するが、同時に解決策にもなる

フィルターバブルという問題がある。

パーソナライズ、レコメンドのアルゴリズムが普及した結果、各ユーザーが自分が見たい情報しか見えなくなり、偏った思想・考えを持ってしまう問題である。

この問題は、スマートフォン、そしてそのメインコンテンツであるソーシャルのタイムラインが助長したが、ARグラスの普及、そしてその上で動くARクラウドシステム、ミラーワールド的体験によってさらに助長されると思われる。

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ARにとってのWithコロナの意義は、デジタルツインデータのチャージ期間である

ARにとってのWithコロナの意義は、デジタルツインデータのチャージ期間である

Withコロナは、ARにどう影響を与えますか?という質問をよく受ける。

答えとしては、影響受けまくりだ。

ただし、その影響はプラスとマイナスの両面がある。

まずマイナスの面からいくと、ARはリアルな空間の価値を拡張するものなので、Withコロナ期には本来のユースケースを発揮できない場面が増える。

例えば、観光、ライブ・スポーツイベントなどでの利用が主要ユースケースとしてあったが今はそうした

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人間は社会をどこまでProgrammableにするべきなのか | シンギュラリティ後のテクノロジーに対する倫理問題

人間は社会をどこまでProgrammableにするべきなのか | シンギュラリティ後のテクノロジーに対する倫理問題

「人間は社会をどこまでプログラマブル(Programmable)にするべきなのか」

それが、森美術館で開催中の「未来と芸術展」に行ってきて、自分が感じた「テーマ・問い」。

「未来と芸術展」は副題の通り、先端テクノロジーとその影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題から社会や人間のあり方を問う企画展。

企画展の前半はサステナブルで人にも環境にも優しい理想的な都

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