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自省録

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人生を深く楽しむためには「言葉の解像度」が重要なのではないか

人生を深く楽しむためには「言葉の解像度」が重要なのではないか

「人生を深く楽しむ」ことは、多くの人にとって重要なテーマではないでしょうか。
同じ体験をしても、それを楽しんでいる度合いには個人差が大きくあるように見えます。

「いかに一つの体験から喜びや感動を深く味わうことができるか」という問いについては私自身、強い関心があります。

そして、その問いを考える上で鍵となるのが「言葉の解像度」なのではないかと考えています。

ワインのソムリエに学ぶ「言葉と感覚の

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思わず誰かに話したくなる面白いデザイン小話が満載の「眼の冒険」

思わず誰かに話したくなる面白いデザイン小話が満載の「眼の冒険」

グラフィックデザイナーである松田行正さんによる「眼の冒険」がとても良質なデザイン論考集だったので、いくつかの学びをメモしておく。

印象絵画を生んだのは鉄道と気球?まずは、モンドリアンなどの印象絵画に繋がったのは、鉄道の登場による風景観の変化と、気球の発明による空中からの俯瞰眺望であったという話。

馬車とは比べ物にならないスピードで走る鉄道の車窓の風景においては、それまでしっかり見えていた風景は

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読書量や執筆量を5倍以上にする超カンタンな方法

読書量や執筆量を5倍以上にする超カンタンな方法

毎日すさまじいペースで流れてくる生成AIのニュースを追っていると、つい読書から遠ざかってしまう。

また、職業的に執筆に携わっていない人にとって、継続してnoteなどの執筆を続けることはなかなか難しいことだろう。

自分も全く同じような悩みを抱えていたのだが、1つの習慣を始めるだけで簡単に読書量も執筆量も5倍以上にできたので今日はその方法を紹介したい。

もったいぶることでもないので、早速やり方を

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生産性の呪縛と、AI時代における「主観」の復権

生産性の呪縛と、AI時代における「主観」の復権

先日、日本を代表する哲学者である大森荘蔵の「知の構築とその呪縛」を読んだ。

結論から言うと、これはAI時代が到来しつつある今こそ読むべき超良書だった。

近代的な価値観の限界を提示し、いかに近代的価値観が抑圧してきた世界観を復活させて自然との一体感や、人間本来の感性を取り戻していくかについて綴った本だ。

このnoteではそんな大森の「知の構築とその呪縛」の概要を紹介しつつ、それが現在ChatG

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スタートアップ経営者の器と能力を高めるためのNotion活用法

スタートアップ経営者の器と能力を高めるためのNotion活用法

スタートアップの成長の天井を決めるのは良くも悪くも経営者の器と能力です。
そのため、スタートアップ経営者はそれを磨くためのある種のアスリートさが求められます。

そして、優秀なアスリートは自身の器と能力を磨くための「戦略と仕組み」を持っています。

この記事では、自分が普段行っている自己開発のルーティーンのうち、Notionを活用しているものを切り出して紹介しようと思います。

(なぜわざわざNo

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メタバースの土地における価値とユーザー体験のジレンマ、そしてその解決法

メタバースの土地における価値とユーザー体験のジレンマ、そしてその解決法

メタバースの土地には、価値とユーザー体験のジレンマがあるように思う。

メタバースの土地の価値を釣り上げるには、「有名なあの土地の横にある」「メインストリートにある」などの付加価値が重要だが、ユーザーからしたらそうした空間的な関係性に煩わされることなく面白いワールドを自由にワープで行き来できた方が便利だし、メタバースらしいセカイの楽しみ方という感じがする。

もちろん、Decentralandにも

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プライバシー・パラドックス ~データ監視社会と「わたし」の再発明~を読んで

プライバシー・パラドックス ~データ監視社会と「わたし」の再発明~を読んで

メディア美学者である武邑さんの新著「プライバシー・パラドックス」が非常に面白かったので、備忘録的に内容と感想をまとめておこうと思う。

この本を一言でいうと昨今「データ」や「プライバシー」に対する人々の欲求と行動の間に大きな乖離が生まれている。

人々はプライバシーや自己のデータ保護を主張する一方で、そうした権利を脅かす便利なサービスを進んで利用している。

そうした「プライバシーパラドクス」とも

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ビジネスパーソン力をバッキバキに鍛える24冊

ビジネスパーソン力をバッキバキに鍛える24冊

🎯 想定ターゲットは社会人1~3年目のマネージャーに上がる手前のBiz/企画職種や、 エンジニア/デザイナーなどBizはサブスキルのメンバー向けのブックリストです。

基本(シゴトの全体観)

思考(ロジカルシンキング)

調査(リサーチ)

課題解決のための情報収集術

外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル

伝達(コミュニケーション)

考える技術 書く技術

1分

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【ネタバレあり】「ドライブ・マイ・カー」がひたすら良かったので感想備忘録

【ネタバレあり】「ドライブ・マイ・カー」がひたすら良かったので感想備忘録

歴代マイベスト10に入るくらい超良かった…
3時間と長尺だったが、本当に一瞬だった。

妻を失って深い喪失感を抱いている演出家の主人公が再生に向かう希望の物語。

舞台俳優であり演出家の主人公は、脚本家の妻と幸せな日々を送っていたが、突然妻はある秘密を残して死んでしまう。
2年後、広島の演劇祭で演出を任されることになった主人公は、喪失感や後悔を抱いたまま暗い過去を持つ寡黙な専属ドライバーや、役者、

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ARはフィルターバブル問題を助長するが、同時に解決策にもなる

ARはフィルターバブル問題を助長するが、同時に解決策にもなる

フィルターバブルという問題がある。

パーソナライズ、レコメンドのアルゴリズムが普及した結果、各ユーザーが自分が見たい情報しか見えなくなり、偏った思想・考えを持ってしまう問題である。

この問題は、スマートフォン、そしてそのメインコンテンツであるソーシャルのタイムラインが助長したが、ARグラスの普及、そしてその上で動くARクラウドシステム、ミラーワールド的体験によってさらに助長されると思われる。

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AR時代を見据えたAppleとGoogleの動きに関する考察メモ

AR時代を見据えたAppleとGoogleの動きに関する考察メモ

AR市場でビジネスをいま展開している企業は、サーファーに近い。

ARグラスの波が、いつ、どのように来るのかをちゃんと読み切って、沖に漕ぎ出すことが至上命題になっている。

沖に出るのが遅すぎても早すぎてもダメだし、漕ぐ方向や浜を間違えていると大きな波を乗ることはできない。

その意味で、昨今のAppleとGoogleそれぞれの動き、両社の方向性の違いは波を予測する上で非常に助けになるので、現時点

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良いミーティングの方程式と、そこに至るための11の黄金律

良いミーティングの方程式と、そこに至るための11の黄金律

ミーティングはチームにとって武器にも毒にもなる
なぜミーティングの作法が大事なのか。

それは、ミーティングはチームにとって武器にも毒にもなるからだ。

資金も人数も圧倒的に少ないスタートアップが大きなムーブメントを起こすためには、1人1人のパフォーマンスを最大限に発揮する、かつ優れたコラボレーションによって単純な人数の合計以上のパフォーマンスを発揮することが必要だ。

その意味で、非効率なMTG

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ARにとってのWithコロナの意義は、デジタルツインデータのチャージ期間である

ARにとってのWithコロナの意義は、デジタルツインデータのチャージ期間である

Withコロナは、ARにどう影響を与えますか?という質問をよく受ける。

答えとしては、影響受けまくりだ。

ただし、その影響はプラスとマイナスの両面がある。

まずマイナスの面からいくと、ARはリアルな空間の価値を拡張するものなので、Withコロナ期には本来のユースケースを発揮できない場面が増える。

例えば、観光、ライブ・スポーツイベントなどでの利用が主要ユースケースとしてあったが今はそうした

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起業家にとって武器にも毒にもなるルーティンとの付き合い方

起業家にとって武器にも毒にもなるルーティンとの付き合い方

起業家にとって、ルーティンは敵にも味方にもなる。

ルーティンを活用すればパフォーマンスを最大化し、日々自然と自己研鑽に励むことができるが、ともすれば決まったパターンで生活することによって社会を狭く捉えてしまいがちになる。

武器としてルーティンをいかに使いこなすか、そしてルーティンの罠に陥らないように意識していることを今日は書いていこうと思う。

武器としてのルーティン安定したパフォーマンスを発

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