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Generative Future | AIが生成する未来

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生成AIによって変わる社会、人のあり方、ビジネスなどについて夢想するマガジンです。
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#GenerativeAI

生成AIに取り組む全事業者が見るべき「State of AI 2023レポート」解説

AdeptやWayveなどに投資するAI特化のベンチャーキャピタル「Air Street Capital」が160ページ以上に渡って、AIの現状をまとめたレポート、「State of AI」の2023年版が、2023年10月12日に公開された。 このレポートには今押さえておくべき生成AI市場や技術の状況が豊富な事例やデータとともにまとまっており、生成AIに事業として取り組む関係者は一度は目を通すべき内容になっている。 とはいえボリューミーなレポートを読む時間をなかなか確保

GPTなどの大規模言語モデルは脳科学・記号論・言語学の観点で驚くほど良くできている

大規模言語モデルの優秀さの秘訣ChatGPTなどに代表されるサービスで採用されている大規模言語モデル(LLM)によって、AIは今までとは比べ物にならないくらい自然な対話ができるようになった。 なぜLLMでは自然な対話ができるかというとその秘訣の1つは、LLMは大量のテキストを学習する際に、文章内の単語を「ベクトル(向きと長さを持つ数学的な量)」に変換して処理しているからだ。 GPTでは各単語は数万という次元でベクトル化されており、単語ベクトルは意味が近いほどベクトル同士

生成AIが切り拓くXR/メタバース世界の実現 | XR/メタバースにおける生成AIの5つの役割

生成AIブームの裏でメタバースブームはすっかり勢いを失ってしまってように見える。 しかし、昨今の生成AI技術の発展によって、いままでXR/メタバース領域で大きな課題とされたいた事項が1つずつ解消されつつあり、XR/メタバース領域が大きく立ち上がる素地が整いつつあるのはあまり知られていない。 このnoteでは、XR/メタバース領域において生成AI技術が果たす5つの役割について触れながら、近い将来実現するであろうXR/メタバース世界の姿について考えていく。 XR/メタバース

動きの早い生成AIトレンドを効率良くキャッチアップするためにオススメな2つの方法

セミナー後のQ&Aでよく「動きの早い生成AI領域でどのように新しい情報を追っているのか?」という質問をよく受ける。 色々なやり方を試したが自分がメインでAI関連ニュースを追っている方法は以下の2つだ。 1. X(Twitter)で「世界のAIトップランナーがフォローしている人」をフォローするX(Twitter)上でOpenAI代表のSam Altmanや、Midjourney代表のDavid Holzなど個人や、Google AIやMeta AIなどのR&D組織など、世界

生成AIサービスのUXデザインにおけるベストプラクティス | 豊富な実例付き

国内でも生成AIを使ったプロダクトづくりに取り組む企業は増えていますが、ユーザー体験の正解はまだほとんど体系化されていません。 そのため、サービスの実例を掲載しながら「生成AIサービスにおけるUXデザインのベストプラクティス」についてまとめました。 何でもかんでもチャットUIにしない Webサイトノーコード制作サービス「Wix」のAI機能は、テキストや画像など編集したい箇所をクリックした際にAI機能のボタンが出現する。 このように、制作系のサービスにおいて生成AI機能を

ChatGPTのCode Interpreterとは何なのか?何ができて何がスゴいのか?

ChatGPTの新機能として一般公開されたCode Interpreterがすごすぎて結構感動しているのだが、Code Interpreterで色んなことができるが故に「一言で言うと何なのか?」「一体それでなにができるのか?」疑問に思っている人も多いのではないだろうか? このnoteではそうした疑問に答えるべき、まず最初にCode Interpreterでできることを紹介した上で、最後に一言でこれを説明すると一体なんなのかを紹介していきたい。 Code Interpret

変化の激しい生成AI領域で競合優位性をつくる6つの方法

GPT-4やStable Diffusionなど次々と優れたAIモデルがAPIやオープンソースの形でリリースされている中で、そうしたAIモデルを組み合わせた新規サービスや、既存のサービスにそうした生成AIを組み込む領域には大きなビジネスチャンスがあります。 下のa16zの生成AIスタックの右上のアプリケーションレイヤーの戦いです。 しかし、この領域の戦いには固有の1つの課題が存在します。 それは、次々と新しいモデルがリリースされる生成AI領域のスタートアップにおいて、生

生成AIは今までのAIと何が違うのか?なぜいま盛り上がっているのか?

世界中で大きな盛り上がりを見せる「生成AI」。 生成AIを活用したChatGPTが史上最速で月間ユーザー数1億人を突破し、TIME誌の表紙を飾ったことは、その勢いを象徴する出来事だろう。 だが、ここで以下の2つの問いが浮かぶ。 生成AIは今までのAIと明確に何がちがうのか? なぜ今このタイミングで生成AIがここまで盛り上がっているのだろうか? この記事では上記2つの問いを海外のいくつかの記事を参考にしつつ解説していく。 生成AIと今までのAI技術との関係性まず生成

GPT-4の革命 | 全ビジネスに変革をもたらす驚異のマルチモーダルAI

OpenAIの大規模言語モデル「GPT」の第4世代である「GPT-4」が発表された。 これがとにかくスゴい。もはや業種を問わずGPT-4を抜きに今後のビジネスは語れないレベルに到達したと言える。 このnoteではいまだに興奮冷めやらぬGPT-4の凄さを紹介していく。 注目すべきGPT-4の3つの進化GPT-4への進化で注目すべきは「マルチモーダル」「処理能力の大幅な向上」「安全性の向上」の3つだ。 1. マルチモーダル GPT-4の大きな特徴はテキストだけではなく画像