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Generative Future | AIが生成する未来

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生成AIによって変わる社会、人のあり方、ビジネスなどについて夢想するマガジンです。
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#AI

日本企業のAIへの期待値が高すぎる問題とその対策について

私は複数社の生成AIサービスのアドバイザーをしているのですが、最近ある考えが確信に変わりつつあります。 それは、「日本市場においてはAIサービスに対する期待値が米国に比べて高い」ということです。 ToB領域で米国でユニコーンになっている生成AIサービスを日本市場にそのまま持ってきても、米国では「まあ、AIってこれくらいの精度だよね。それでも十分実用的だよね」となってガンガン導入進んでいくのに対して、日本市場においては企業担当者の期待値が高く、実際にAIで出せるパフォーマン

生成AIの進化によって「デザインの単位」が変わり、「顧客体験の構造」も変化する

生成AIの発展によって、インターフェースやインタラクションは大きく変化するだろう。 その結果、ユーザー体験(UX)の在り方そのものも大きく変わっていくはずだ。 現在予約販売中の拙著「生成AI時代を勝ち抜く事業・組織のつくり方」では、そんなユーザー体験それ自体の変化についても1章を割いて解説しているが、本noteではその中から1つの変化をピックアップして紹介したい。 デザインの単位が "User" から "You" へ変わる「ユーザー体験」「ユーザー中心デザイン」「ユーザ

「生成AI時代を勝ち抜く事業・組織のつくり方」という本を出版します!

この度、「生成AI時代を勝ち抜く事業・組織のつくり方」という書籍を出版することになりました! 10社以上での生成AI領域の企業顧問や、これまでの企業経営、新規事業づくりの経験を全てつぎ込み、「生成AIを活用して強い事業と組織をつくるための方法」を豊富な事例と数々のオリジナルフレームワークと共に書き上げた渾身の一冊になっております。 その中で、社会や人間の在り方、ユーザー体験、組織の姿が将来的にどう変化するかの独自の未来予測もしっかり書いており、「実務活用のためのプレイブッ

GPTなどの大規模言語モデルは脳科学・記号論・言語学の観点で驚くほど良くできている

大規模言語モデルの優秀さの秘訣ChatGPTなどに代表されるサービスで採用されている大規模言語モデル(LLM)によって、AIは今までとは比べ物にならないくらい自然な対話ができるようになった。 なぜLLMでは自然な対話ができるかというとその秘訣の1つは、LLMは大量のテキストを学習する際に、文章内の単語を「ベクトル(向きと長さを持つ数学的な量)」に変換して処理しているからだ。 GPTでは各単語は数万という次元でベクトル化されており、単語ベクトルは意味が近いほどベクトル同士

生成AIサービスのUXデザインにおけるベストプラクティス | 豊富な実例付き

国内でも生成AIを使ったプロダクトづくりに取り組む企業は増えていますが、ユーザー体験の正解はまだほとんど体系化されていません。 そのため、サービスの実例を掲載しながら「生成AIサービスにおけるUXデザインのベストプラクティス」についてまとめました。 何でもかんでもチャットUIにしない Webサイトノーコード制作サービス「Wix」のAI機能は、テキストや画像など編集したい箇所をクリックした際にAI機能のボタンが出現する。 このように、制作系のサービスにおいて生成AI機能を

ChatGPTのCode Interpreterとは何なのか?何ができて何がスゴいのか?

ChatGPTの新機能として一般公開されたCode Interpreterがすごすぎて結構感動しているのだが、Code Interpreterで色んなことができるが故に「一言で言うと何なのか?」「一体それでなにができるのか?」疑問に思っている人も多いのではないだろうか? このnoteではそうした疑問に答えるべき、まず最初にCode Interpreterでできることを紹介した上で、最後に一言でこれを説明すると一体なんなのかを紹介していきたい。 Code Interpret

生成AI時代に能力を10倍に拡張した最強人材になるためのガイド | 意識したい3つのポイント

OpenAIの論文では今後全職業の80%がAIの影響を受けると指摘され、Goldman Sachsはホワイトカラー3億人の仕事をAIが奪うと発表。 生成AIによって自分の仕事が脅かされてしまうのではないかと感じている方も多いのではないだろうか。 しかし、ホワイトカラーやクリエイターがAIに代替されるということはしばらく起きない。 そうではなく、AIを使いこなした人間がそうでない人間を代替する。 そして、AIを良き友にできた人にとっては最高に楽しい時代になる。 なぜなら、

当たり前だが多くの人が見逃している生成AIを使いこなす人材になるための唯一の方法

生成AI時代において、価値ある人材の定義は変わっていく。 生成AI時代に日々登場するツールを適切に使いこなせる人材が求められるようになるのだ。 そんな人材になるための最も重要な考え方は、「実際に生成AIツールを使ってみること」だ。 これは至極当たり前のように聞こえるかもしれない。 しかし、自分の周りやTwitterのタイムラインを見ていると、新しいサービス登場のニュース自体はキャッチアップしているが実際に触ってみている人は驚くほど少ない。 (Twitterでバズってい

変化の激しい生成AI領域で競合優位性をつくる6つの方法

GPT-4やStable Diffusionなど次々と優れたAIモデルがAPIやオープンソースの形でリリースされている中で、そうしたAIモデルを組み合わせた新規サービスや、既存のサービスにそうした生成AIを組み込む領域には大きなビジネスチャンスがあります。 下のa16zの生成AIスタックの右上のアプリケーションレイヤーの戦いです。 しかし、この領域の戦いには固有の1つの課題が存在します。 それは、次々と新しいモデルがリリースされる生成AI領域のスタートアップにおいて、生

Chat GPTの完全な上位互換!Bing AIの面白い使い方まとめ

テレビ番組で特集されるなどChatGPTへの注目が高まっていますが、その上位互換となるBing AIはもう使われましたでしょうか? ChatGPTで使われてるGPT3.5というモデルの発展版を開発元のOpenAIがマイクロソフトに提供する形で作られたBing AIは、過去の学習範囲内で回答するChatGPTと異なり、事前学習データ+対話ごとに関連する検索結果を都度読みにいくことで、非常に精度の高く正確な解答をすることが可能になっています。 このnoteではそんなBingA

生成AIは今までのAIと何が違うのか?なぜいま盛り上がっているのか?

世界中で大きな盛り上がりを見せる「生成AI」。 生成AIを活用したChatGPTが史上最速で月間ユーザー数1億人を突破し、TIME誌の表紙を飾ったことは、その勢いを象徴する出来事だろう。 だが、ここで以下の2つの問いが浮かぶ。 生成AIは今までのAIと明確に何がちがうのか? なぜ今このタイミングで生成AIがここまで盛り上がっているのだろうか? この記事では上記2つの問いを海外のいくつかの記事を参考にしつつ解説していく。 生成AIと今までのAI技術との関係性まず生成

GPT-4の革命 | 全ビジネスに変革をもたらす驚異のマルチモーダルAI

OpenAIの大規模言語モデル「GPT」の第4世代である「GPT-4」が発表された。 これがとにかくスゴい。もはや業種を問わずGPT-4を抜きに今後のビジネスは語れないレベルに到達したと言える。 このnoteではいまだに興奮冷めやらぬGPT-4の凄さを紹介していく。 注目すべきGPT-4の3つの進化GPT-4への進化で注目すべきは「マルチモーダル」「処理能力の大幅な向上」「安全性の向上」の3つだ。 1. マルチモーダル GPT-4の大きな特徴はテキストだけではなく画像

「ChatGPT」にSF小説を書いてもらったら恐ろしいくらい普通に面白い作品ができてしまった

Open AIがリリースした対話型AI「Chat GPT」凄すぎますよね。 幅広い質問に答えてくれたり分からないコードを教えてくれたりと、すでにその完成度の高さが話題になっていますが、試しにSF小説を作ってとお願いしてみたら想像以上にちゃんとした小説が出来上がって衝撃を受けました…。 このnoteではChat GPTが実際に生成した小説と、それを制作するまでのChat GPTとのびっくりするくらい自然なやり取りを紹介します。 Chat GPTが実際に生成した小説作品第1