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リピート率100%の秘密


家事代行サービスとして独立して約1年が経ちます。
新規お客さまの分母は一般的に集客を必要とするビジネスにしては少ないながらも
そのリピート率は100%。
予約システムも
チラシ・クーポンも
“集客”と言えるほどの宣伝も
現在は全くない状態ですが
有難いことに、お客様が絶えません。


さて…
どうやって集客をしているのか。
その方法はただひとつ
“ご紹介”と言う名の“ご縁”のみ。


ただ、これを同じように家事代行サービスや
“集客”を必要とするビジネスをされている方にお伝えしようとしても
なんとも“再現性”がない…


と言うわけで
今回のnoteでは
1回3時間という限られた時間の中で、私がお客様に対してどのようなことを心がけているのか(そんなに難しいことでも、仰々しいものでもありません‼︎)を言語化して行きたいと思います。
自分のためだけど
もし、ほんのちょっとでも
誰かのヒントになれたら
とても嬉しいなぁと。


【まずざっくりとリストアップ】

・傾聴する
・相手の大切なものを大切に想う
・共感する、しかしお世辞や思ってないことを伝えて取り繕わない
・自分の価値観や基準に当てはめようとしない


先日、ちょうどご新規様のお宅へお伺いする機会がありました。
このnoteでお伝えできるように
自分が無意識に取り組んでいることを
あえて意識してみました。


お客様は高齢のご夫婦。
奥様のお身体が、病で不自由なこともあり、家事全般は旦那様がやられています。

【今回のご要望リスト】
・旦那様の家事の負担を減らしたい
・旦那様と奥様の食の好みが違いすぎるので、作ってくれる旦那様の嫌いなものはリクエストし辛く、普段は食卓に並ばない“クリームシチューが食べたい”
・メインのおかずは手に入りやすいけれど、副菜作りが面倒。野菜をふんだんに使ったいろいろな種類の副菜を作って欲しい。

とのことでした。

早速作業に取り掛かろう!とリビングを通過し、キッチンに向かおうとしたところ…
驚きの光景が。

大きなダイニングテーブルの6分の1のスペース(奥様が食事を摂られる場所)以外、全てが新聞紙、チラシ、広告、お薬、雑貨等で埋め尽くされ、私の胸の下くらいまでの高さに積み上げられている。
広いリビングも物が綺麗に積み上げられており
ごちゃごちゃというよりは“倉庫感覚”と言うのが正しい表現。



OMG


こっ、これは…リクエストは料理なのか。
料理よりも先にやる事があるのでは。
このテーブルの上の紙類は一体なんなんだ。
全て不用品なのか…プルプルワナワナ笑(⇦片付けてしまいたい欲求)

でもそんなのは、身勝手な
“私欲”。
想像の中で自らの両ほっぺをビンタ。
気を引き締めて
リクエストされている“お料理”の作業に入る。

ご新規様のキッチンは
調味料や器具の場所
スポンジはどのように使い分けているかなどを確認しながら進めていく。

大体の位置が把握できて、お料理がスムーズになってきた頃…
奥様が『もし早くお料理が終わったら…こちらのダイニングテーブルの整理を一緒にしてもらいたいです』と。


コロナ禍を機に徐々に積み上がってきたらしいこのダイニングテーブルの紙類。
素直に疑問が浮かびました。

・なぜこのような状態になったのか
・なぜお片付けしたいと思ったのか

この二つを理解しない状態で作業をするという選択肢がなかったから。
(傾聴を心がけます)


奥様に聞いてみると
コロナ前までは、ここにお孫さんや娘さんがよく訪れ、遊んだりお食事をしたりされていたそう。突然始まったコロナ禍により、訪問回数は激減。お正月のみの集まりに。
徐々に積み上がったテーブルの上の荷物のせいで、その集まりさえも無くなってしまった…
コロナも収束した昨今。

“また娘家族とこのテーブルで食事がしたい”

とのこと。
私の心が“ボッ”となりました。
その団欒の様子が想像できたからです。



料理を2時間弱で終えて
残りの時間をお片付けに。


よーーーーーし!!!!!
バンバン片付けるぞーーーー!!!!と
なりそうなところですが。
そう簡単にはいきません!!!!笑


これだけ年数をかけて積み上げてきたのですから、そこにも“理由”があるんです。
その積み上がった荷物を、勝手に“不用品”と判断してはいけないんです。
(自分の価値観に当てはめない)


宅配サービスの注文書
カタログショッピングのパンフレット
街の広報誌
数年前の新聞
検査結果の数値
ファーストフードのクーポン
未開封の本
新聞の記事を切り取ったもの
雑貨

立っているだけで疲れてしまう奥様のご負担を考え、車椅子に座っている奥様にひとつずつ一枚ずつ確認してもらいながら
・必要なもの
・捨てるもの
・キープ
・シュレッダーにかけるもの
そして、“娘さん用”とボックスを作り仕分けをしていきます。


わかっちゃいたけれど…
“捨てるもの”は殆ど出てこないんです。
でも、仕分けしていくうちに
その積まれたものの山は
その人を映し出す鏡だと感じ取る事ができます。


“娘さん用”のボックスには
娘さんやお孫さんに必要な新聞の記事の切り抜きがどんどん重なってゆく。
受験、美容、健康、子育て、教育関連。
お出かけスポット、ファーストフードのクーポンなど。
なかなか会うことができない娘さんご家族への
想いが詰まってる。

“必要なもの”のボックスには
ご夫婦用の健康法、高血圧改善のレシピ、健康体操のやり方などの記事の切り抜き、生前整理、終活、葬儀場の広告。
健康をとても大切にしながらも
生前に自らの周りを整えようとする誠実さや、こちらにも娘さんご家族への配慮という想いを感じ取ることができる。

その記事について話をしたり
ご家族のエピソードなんかも聞きながら
その作業をひとつひとつ進めていく。

もともと人に教えるお仕事をされていた方なので、ピリッとパリッとした雰囲気をお持ちの奥様。
ふと見せて頂く豪快で可愛らしい笑顔に
私の方がパワーをもらってしまいます。


1時間とちょっとで進められた作業は
微々たるものでした。
でも、お片付けをスタートさせる前の奥様の表情とは明らかに違う“清々しさ”を感じます。

お片付け前の感情はきっと
・無造作に捨てられてしまうのではないか
・大切なものをずさんに扱われる不安
・理解されないのではないか
・片付けはしたいけれどいざ始めることの居心地の悪さ
・私に対する不信感
そんなものを抱いていたのかもしれません。
でもそれは当然のことだと思います。


ただの新聞の切り抜き
紙切れ

そうじゃないんです。
どんな想いがそこにあり
なぜ積み重なっているのかが大切。


セリフ、ノウハウなどのテクニックではなく
相手の世界でものを見ると言う
“技術”
だと、私は感じています。
最初は理解も想像もできなくても
“理解したい”という姿勢、そして在り方で
目の前のお客様に向き合いたい。



お片付けの作業が終わり
キッチンに並べてある作り置きをチェックして頂くと…

“わぁ‼︎こんな短時間でこんなにたくさん‼︎”と
驚かれる奥様。
2時間のお料理時間だったので
今回は約2〜3日分のお料理を。



ちょこっとの期待以上の“◯◯”も
“リピート”に繋がるスパイスなのではないかと思いました。


“お話がとても楽しかったわ”
この一言が奥様のご感想でした。


その後のメッセージにて
来月と再来月のご予約を頂きました。

“娘さんご家族との団欒”実現のため
次回もワクワクしながらお伺いさせて頂きます。

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