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裏切りの哲学。裏切るのは得か?損か?

カイジマです。

先日面白い書籍を読みました。

タイトルが気になって図書館で借りました。

この書籍はざっくり言うと、組織の中で出世するにはどういう振る舞いをするべきか、どういう人間が出世しやすいか、という話がメインです。

アメリカの本なので、有名な起業家の事例や大統領の話なんかも出てきます。ちょこっと日本の話も出ます。

この中のとある章で、『裏切り』についての言及がありました。一般的に、組織を裏切ったり人を裏切って自分の利益を追求なんかしたら、信用がなくなって社会人としてもう終わり、みたいなイメージありますよね?

さらに言えば、僕たちは出世するには『良い人』でなくちゃいけないと感じるし、リーダーとして振る舞うなら『謙虚』がいいのか『自信家』でいいのか、どっちか分からない、なんてことも考えます。

この本の面白いところは、『リーダーシップ』と呼ばれるものを否定しているところです。厳密に言えばリーダーシップ研修とか、なんとか研修とか、意識高い系社会人が好きそうなものを否定しています。

日本だけじゃなくてリーダーシップが進んでそうなアメリカでも、一般的な研修は雑魚くて否定の対象になるなんて驚きでした。

さあ、覚えてる範囲でこの本で学んだことを共有します。なんせ読み終わってからしばらく経ったしメモ取るの忘れたからね。

裏切りの報酬


裏切るのは良くないですよね。少なくとも僕たちはそう教え込まれてきたというか日本人的な感覚では組織愛とか同調圧力で自分を殺して我慢することだったり自分の権利を主張したり好きに動くってのがやりにくい。

この本はアメリカの本ということもあり文化的に日本と違うこともあるから全てを参考にはできない。アメリカ人はビビるほど自分の権利を主張するからだ。「え・・・?正気?確かにそれはあなたの権利だけど、空気読まずにそれを要求できるか普通・・・?」みたいなことを平気でやる、ようだ。

事例①

例えばApple社の話。

「ジョン・スカリー」の評価は、ジョブズの文脈ではネガティブだった。

スカリーはペプシコーラのCEOだったが、そのマーケティングの腕を見込んで、1983年、ジョブズがアップルのCEOに引き抜いた。そのときの言葉はあまりにも有名。

「一生、砂糖水を売り続けたいのか、それとも一緒に世界を変えたいのか」

「世界変えるぜ!」と言って1993年にAppleにジョインしたスカリーはその後ジョブズと対立してジョブズをAppleから追い出した。これは有名な話。ジョブズは創業者なのに、自分が連れ込んできた人物に追い出された。

これは裏切りの事例の一つと言える。だって経営で対立したなら、なんとなく日本人の感覚だったらスカリーが身を引くべきじゃね?ってちょっと思うよね。

その後どうなったか。裏切った報酬の話はここからが面白い。

結局スカリーじゃうまくいかなくて、Appleはジョブズを呼び戻すことにした。

そしてスカリーは1993年、合計10年間Appleに在籍し、Appleの業績に大きく貢献は出来なかったにもかかわらず、自分は技術者じゃないのに最高技術責任者に自分を置いたりなどもして役職と権利は保持しつつ退職。いわゆる退職金で1000万ドルを貰って去った。

今で言えば16億円ぐらいか。当時は知らん。

どう?これ。
スカリー的には頑張ろうとはもちろんしたんだろうけど、スカリー目線の話は置いといて、Apple社の目線で見たら外部から来て大した結果も出せずに権力と権利は維持し続けて、創業者は追い出し、ダメになって結局呼び戻して自分は最後に大金をせしめて去った。じゃあ最初からジョブズでよかったじゃん。という意見もあると思う。

退職金だけじゃなくてスカリーの10年間の報酬も相当なものだった。

ここで言いたいのは何かって言うと、裏切ったやつ認定を受けてても自分の権力をしっかりと行使することを普通にやるし、ちゃんと利益を得ることができるということ。

事例②

確かこの本の著者の生徒の話。

ある若者が起業した。順調だった。しかしもっと業績を伸ばしたいとなって若者は先輩を会社に呼び込んだ。

その先輩は経験豊富でやり手だったし、めちゃくちゃ熱心に親切に指導、協力してくれた。若者は先輩を心底信用して頼り切っていた。

事業も急成長してきたある日、その先輩によって会社を乗っ取られ自分はジョブズと同様、会社から追い出される形となった。

結論から言うとその先輩は最初からそのつもりで、これまでにも同様なことをして大きな利益を上げてきていた。

先輩は最初から自分のためにやっていた。

若者は経験不足だったし、その経験不足を補ってくれる先輩に頼るしかなかった。

結果として若者は全てを失った。けど、物語はここで終わらず若者はその経験を活かし再度チャレンジして再び成功した。というもの。

他にもこういう事例ってたくさんあって書ききれないから詳しくは本を読んでほしいんだけど、この『裏切る』のテーマを考える時の視点に注意したい。

自分にかかる
短期的に見た時のメリット・デメリットと
長期的に見た時のメリット・デメリット。

短期的に見たら裏切ることで自分の立場も無くすし信用も無くすよね。

でも裏切ることによって得られる報酬がデメリットを上回るなら自分に利するように立ち回るのも生き方の一つでもあるね。

日本人特有の自分を追い込む精神性

日本人には『人のために』精神が強く埋め込まれてると思います。とてもいいことですね。

でもその精神性をうまく利用して人を支配する人間もいます。エネルギーを吸い取られるだけで、自分の人生に不利になる環境でも頑張り続けている人が多いです。

日本人の鬱率は驚異的ですからね。

すべての物事を人生単位で考えればいいのです。
自分の人生に得か損か、という自分本位の理念も時には重要です。

自分のために生きているわけで、他人や会社や組織のためには生きていないわけですから、裏切った時のリターンを考えて時には裏切る必要もありますし悪いことではありません。

そもそも自分を不幸にするような、自分への裏切りは平気で行っているものです。

生きている上で、ぜったいにやらないといけない仕事やタスクなんてありませんから、好きに生きればいいんだと思います。

「俺は大工の息子として大工をやるために産まれてきた」とかはないわけです。

産まれた時にすべてが決まってるのは天皇とか皇族とかその辺ぐらいでしょ。

僕ら庶民は自分に有利な立ち振る舞いをする権利があるわけですから、良い意味でドライな人間関係を作ることも必要です。

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