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初めての技能実習生受け入れ!言語の壁は?双方の不安は?を聞いてきました

今年2月、海邦福祉会は初めて技能実習生を受け入れ、3名の新しいメンバーが加わりました。

これまで大学や専門学校の現場実習の受け入れは実施していましたが、海外から技能実習生として雇用するのは今回が初めてです。
新しい挑戦を数々行ってきた海邦福祉会でも、海外からの技能実習生受け入れには職員からの不安の声もあったとか。

日本語が通じない不安や、宗教や文化の違いによる不安、現場の負担が増えるんじゃないか...という不安。様々な不安を抱えながらの受け入れとなりました。

逆を言えば、技能実習生側にも不安はあったはず。今回は外部広報担当の三好が、理事長・隆生さんと実習生の3人に「実際どうなの?」を聞いてきました!

技能実習生の1日

早速、技能実習生の3名が働いている入所施設(高志保園)へ。10時に到着すると、すでに活動がはじまっていました。

ラジオ体操やフラフープ、音楽に合わせてダンスを楽しむ利用者さんと、それを見守る職員さんが、各々活動しています。

が、ぐるりと見渡してみても、技能実習生がどの方かわかりません。

どこ?

どこ??

…どこ??

全然見分けられないので、隆生さんに教えてもらいました。

ひとりめ。(なんとずっと目の前にいました)

ふたりめ。(彼女もわりとすぐ近くにずっといました)

さんにんめ。

3人を見て、見つからなかった理由が発覚。

顔のつくりが、沖縄の女性にそっくり!!!

普通によく見る顔立ちすぎて、ぜんぜん気づかなかったのでした。笑

ということで無事見つけられたので、ご紹介します。

左から、インティさん、ワンダさん、リアさんです。
みなさん、かわいい!!

3人の1日はざっくりこんな(↓)感じ。一般職員とほぼ同じフルタイム勤務です。

勤務時間
8:30~17:30(1時間昼休憩あり)

1日の流れ
8:30 出勤、利用者さんの体調管理、朝の支度
9:30 活動スタート、お昼の支援準備(トイレ、水分補給など)
11:30 昼食支援
13:00 昼休憩
14:00 入浴支援
16:00 夕食準備、ベッドメイク
17:00 日報を書く
17:30 退勤

出勤は平日のみの週5日勤務。土日は休みで、仕事のほか週に一度、日本語と介護を学ぶ勉強会をオンラインで20:00〜21:00ほど受けています。

現在はN3(日本語レベルを計る試験のランク)取得のために日本語の勉強も並行して行っているとのこと。

毎日の日報も日本語勉強の一環です。

聞いただけでも仕事と勉強詰めで、大変そう...。ただでさえ言葉があまりわからない国に暮らし、フルタイムで仕事をするだけでもかなりストレスが溜まりそうなものです。

隆生さん「3人からは学ばないといけない、という強い意思を感じます。一度教えたことは次の日必ずできるようになっているし、自分から学ぼうという動きが見られますね。時々、新卒採用で入ってすぐに辞めてしまう人に『教えてもらえませんでした』と言われることがありますが、彼女たちに、困ったことはない?と尋ねると『みんな優しく教えてくれます』と嬉しそうに笑うんです。自分たちのために学ぼうとしていることが伝わってきますね」

聞くと、インドネシアでは一族で一番優秀な人が選抜され、一族中でかき集めた資金をもとに技能実習のための学校に通い、日本に送り出されるのだそう。

つまり3人は、一族の期待の星であり大黒柱。若くして、とても大きなものを背負って日本に訪れているのです。

受け入れ前は双方ともに不安だった


ー受け入れ前、現場から不安の声があったと聞きました。

隆生さん「日本語がどこまで通じるかわからない中で受け入れるので、やはり言語の不安がありました。だけど実際に働いてもらうと日本語の上達が早いし、今は便利な翻訳アプリもあるので思っていたより障害にはなりませんでした。それよりも、彼女たちはわかる言葉が少ないからか『ありがとうございます』を何度も使うんです。笑顔でありがとうを連発する人が3人いると、職場がとても明るくなるんですよ」

たしかに3人とも素敵な笑顔!

ーみなさんはどうでしたか?日本に来る前、不安はありませんでしたか?

インティさん「日本は先進国だし、有名な国なので、親は『どうぞどうぞ!』と歓迎してくれました。景色が綺麗なイメージがあったので楽しみでしたが、やはり言葉は不安でした」

3人の中でいちばん若いインティさん。なんと20歳!

ワンダさん「わたしも言葉が不安でした。日本人は厳しいイメージがあったので、仕事大変かな?という不安もありました。日本人は規則や時間に厳しいと、インドネシアにある日本語学校の先生から教わっていたからです。遅刻をすると怒られるから気をつけなさいと言われました」

ワンダさんは最初、沖縄の女性にしか見えませんでした。

リアさん「わたしも言葉と生活が心配でした。どんな暮らしになるのか想像ができなかったんです」

実は2児の母でもあるリアさん。

ー実際に2か月働いてみて、どうでしょうか。

インティさん「職員さん、やさしいです。わからないことは教えてくれるし、手伝ってくれます。利用者さんとのコミュニケーションも楽しいです」

ワンダーさん「利用者さんも、やさしい。笑顔がとってもかわいいです。沖縄はインドネシアに似ているので、すぐに慣れることができました」

リアさん「職員さん、やさしいです。ボス(隆生さん)もやさしいです」

ー大変なことや、困っていることはありませんか?

インティさん「お風呂の介護がすこし大変です。重たいです。でも先輩が一緒に手伝ってくれます」

ワンダさん「言葉が強い利用者さんにびっくりしてしまうことがあります。ちょっと怖い。でも男性職員が助けてくれます」

リアさん「わたしも怒る人、すこし怖いです。そんな時は、先輩に『お願いします』と言います」

ー稼いだお金はどのように使っていますか?

インティさん「訓練校に返済して、両親に仕送りして、残り30%を生活費にしています」

ワンダさん「わたしも同じです。少しだけ貯金もしています」

リアさん「わたしもワンダさんと同じです」

ー貯金してるんですね!貯まったら何に使いたいですか?

ワンダさん「インドネシアにホームケア(介護)の施設を建てたいです。わたしの住んでいるところは田舎なので、少ししかありません」

リアさん「わたしもホームケアの施設を建てたいです。わたしが住んでいる地域にはホームケアがありません。日本の技術学んで、お金が貯まったらホームケアの施設つくりたいです」

ー素敵な夢ですね!ぜひ叶えて欲しいです。

この後も、恋の話やラマダン(断食)の話、日本のアイスクリームがおいしい話など、終始笑顔でいろんな話を聞かせてくれました。

隆生さんの言うとおり、3人とも本当に明るい!
苦労したことや今大変なことを尋ねても、最後は「でも大丈夫です」で締めくくる姿が印象的でした。家族と会えないことも「寂しくないです」と笑顔。本当に...?と思わず尋ねたくなりましたが、屈託のない笑顔を見て言葉をひっこめました。

隆生さんが言うように、こんなにも明るい3人がいたら、職場が明るくなるのは想像できます。実際、職場の雰囲気が変わるだけでなく、今回の受け入れによって新たな気付きもあったとか。

ということで次回は、3人の直属の上司である知念聖也さん(前回記事参照)と、隆生さんに、はじめての技能実習生受け入れについて対談していただきました!

現場での利用者さんの反応や、日本語も含めて教える側の労力など、赤裸々に語っていただきましたので、ぜひお楽しみに。

※※今回の取材内容は、読みやすくするため大幅な編集を行っています。実際はもう少しカタコトだったり、翻訳アプリを活用しています。※※


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