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介護業界のICT化について〜コロナ禍での対応策〜

介護業界でもコロナ禍に対する様々な対策がみられました。その対策の一つにICT化が挙げられます。ICT化という言葉を聞いたことがある方も少なくないはずですが、介護とICT化がどのように繋がるか当記事ではまとめています。

そもそも『ICT』とは?

近年、さまざまな業界で聞かれるICT化とはなんでしょうか。
ICTはInformation and Communication Technologyの英語の頭文字を取ったもの。
Information =情報 Comunication Technology=通信技術
 

合わせて日本語に訳すと、ICTは情報通信技術と訳され、使われています。以前は、ITという言葉が多く使われていました。ICTとITの意味はほぼ同じですが、次のような点で使い分けがされています。

IT→ソフトフェア、ハードウェアなど、コンピュータ関連の技術そのものを指す
ICT→情報の伝達についての技術の活用法や方法論を指す
ITの意味に「C」が加えられたICTは、「技術をどのように活用していくか」、「どのようにコミュニケーションをとるか」を重視した言葉と言えます。

また、世界的に見てもITよりICTという言葉のほうが、現在は使われる傾向にあると言われています。

介護でICT化が進んでいるのはどうして?

福祉の現場に身を置いている筆者のもとにも、なぜ介護業界でICT化が進められているのかという疑問の声を、よく耳にします。
介護業界の場合、次のような点から、ICT化が進んでいると言われています。

・超高齢社会による介護者の不足を補うため
・介護サービスの質の向上
・新型コロナウィルスによる、感染対策の一つ

「高齢化社会」は、日本の人口を100%と考えた場合、7%以上が高齢者(65歳以上)となった社会のことをいいます。
さらに高齢者の割合が14%以上となった場合は、「超高齢化社会」と呼ばれています。
日本は1970年に高齢化社会に突入し、2007年には超高齢化社会へと日本の高齢化が進んでいました。では今日はと言うと、総務省「人口推計」(*1)より、高齢化率が28.4%と、さらなる高齢化が進んでいることが、わかっています。
この数値より、介護を必要とする高齢者と、高齢者を支える生産年齢人口(*2)に当たる若年者のバランスが崩れ、介護者が不足している現状があると言えます。
そのため、介護業務の生産性向上が求められるようになります。そこで、ICT化により、業務の生産性向上を図ることが期待されます。また、常により良いサービスを提供すべく、これまで多くの発展を遂げてきました。 2020年頃より世界中で問題となっている、新型コロナウィルスのためにもICT化は求められています。
接触や飛沫といった経路によって、感染すると言われている新型コロナウイルス。
しかし、介護職は、人と人との接触が避けづらいため、ICTを駆使し、できる限り、接触や密の状態を避けることが必要とされます。
そのことから、ICT化は感染対策という面でも、重要な役割を担っていると言えます。

介護業界に取り入れられているICTは、どんな場面で活用しているのか

実際介護の現場で、どのようにICT化が進み活用されているのでしょうか。
さまざまな場面に存在していますが、3つの事例を次にご紹介します。

1.介護記録の電子化
老人ホームといった多くの介護施設では、利用者様の様子を「介護記録」としてまとめています。これまで多くの施設で、利用者様一人につき1冊のファイルが用意される等、紙媒体での記録をしている施設が多くありました。ここで、ICTが導入されると、専用のパソコンや、タブレット端末を利用し、介護記録の記載ができるようになります。

2.介護ロボット
介護用ロボットの導入もICTの一つと言えます。介護ケアをロボット自身が行うタイプも存在しますが、介護士の動きをサポートする、ロボットスーツもあります。介護ケア時に、介護者の動きをサポートすることで、介護者体への負担が軽減されます。それだけでなく、スムーズな移動やケアの介助が行えるようになることで、利用者様の安心感に繋がることや、利用者様の体への負担が軽減されるケースがあります。

3.オンライン面会
コロナ禍でも、施設に入居されている利用者様と、その家族・ご親族様が面会できる機会を作るために、オンラインでの面会を実現してきた施設も少なくありません。利用者様・ご家族たち双方の、精神的な安定につながることが期待されます。は他にも、遠方にお住いで、なかなか施設への来所が困難なご家族・ご親族様のためにも、オンライン面会を利用することで利便性の向上に繋がります。パソコンやタブレット等を使用してのオンライン面会もICT化の一つと言えます。

まとめ

ICTとは情報通信技術のことであり、コンピュータ技術のものではなく、技術の活用法についてを指す言葉でした。今後も高齢化が進む日本で、介護業界のICT化を図ることで、介護職員の人材確保と、ケアの質の向上に貢献することが期待されます。実際、コロナ禍の現代に進んだICT化の一つとしてオンライン面会がありました。介護業界のICT化により、介護職者だけでなく、利用者様とそのご家族様達にも多くのメリットが生まれると考えられています。

東住吉介護センターでのICT化の取り組みとして、サービス記録を紙からタブレットやスマホに変えることで、現場の負担軽減につながりました。
また毎週の各事業所の管理者との会議もLINEのビデオ通話によるオンライン会議にしたり、社内連絡はLINEWORKSを導入したことにより、スムーズに全員への情報共有できるようになりました。

注釈と参考サイト
 (*1)総務省「人口推計」令和元年10月1日より

(*2)一般に生産活動を行う年齢層の人口のことで、15-64歳を指す。厚生労働省によると、2020年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳と発表されている。内閣府

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