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バンガロール生活 インドの移民街 Kamanahalliに住んでみて(1)

海外鉄サークル幹事長です。鉄道への興味はもうほぼないので、後輩に託しています。

さて、私は早稲田大学を休学してインド南部の大都市、バンガロールに5ヶ月ほど住んでいました。単純にインドが好きで、旅行のような短期ではなく長く滞在してみたかったというのと、マンネリ化した早稲田大学での生活に飽き飽きしていたというのが理由です。
一応表向きの理由が必要だったので、週5で月17000円の激安英語学校に通い、語学留学という形で周りには説明していました。これについてはまた今度どこかでお話しできればと。

バンガロールについて
バンガロールは南インドではチェンナイに次ぐ大都市で、カルナータカ州の州都でもあります。比較的新しい都市で、ハイデラバードと並びIT産業が発展していることからインド国内だけでなく日本を含め外国からも多くの人が仕事のためにこの都市に滞在しています。
そんなバンガロールの特徴を一言で言うと、「インドっぽくないインド」です。
インドと聞くとガンジス川やナンカレー、牛、猿、ヤギとかが街を闊歩している…と想像する人も多いのではないのでしょうか。これは間違ってはないのですが、これにぴったり当てはまるのはバラナシやコルカタなどの北インドの都市です。
まずバンガロールはデカン高原の高地に位置しているためインドなのに割と涼しいです。夏でも最高気温が30℃行かない日が多く、さらに降水量も他の都市と比べて圧倒的に少ないです。そのため、ほとんどの家や店、施設にはエアコンがなくファンだけですが、全然耐えられます。
バンガロールが位置するカルナータカ州の公用語は北インドで一般的なヒンディー語ではなく、カンナダ語という言語です。映画KGFを見た方、あれです。あの言語です。ただし、バンガロールは国内の別の都市から教育、就労のチャンスを求めてやって来た人が多く、特にバンガロール中心部に限ってはカンナダ語を理解できない人の方が多いんじゃないかというレベルです。
その代わりに多くの人は英語とヒンディー語でコミュニケーションを取っています。デリーですら英語ってあんまり通じないですよね。バンガロールではかなり通じます。ローカル商店でも簡単な英語は通じるので、生活が全部英語でも困ることはほぼないのです。在デリーやムンバイの方はこれがどれだけ凄いことか理解できると思います。英語が通じないことより自分の英語力が足りなくて何言ってるのかよく分からなかった、の方が多いです。インド人曰くインドで一番英語が通じる都市だそうです。
また、バンガロールは教育レベルが平均して高いです。英語話せる人も多いし、外国人をバカにしたり騙したりするような人は北インドの諸都市と比べると物凄く少ないです。
インド各地を旅行して来た旅行者の視点から言うと、バンガロールは間違いなくインドで最も住みやすい都市です。英語は通じる、快適な気候、充実した夜遊び、比較的綺麗な街、と住むことで困ることはほぼないです。あるインド人はまるでシンガポールのようだ!と絶賛していました。
が、シンガポールを期待して行くとガッカリします。ここはバンガロールとはいえインドなので。ただ、インドの他の都市から引っ越して来ると感動すること間違いなしです。

例 (バンガロール 綺麗な場所)
例 (バンガロール 汚い場所)

バンガロール唯一のガッカリポイントはストリートフードのクオリティですね。特にモモやエッグロールは酷いです。

移民街Kamanahalli
自分はバンガロールのKamanahalliというエリアに住んでいました。スペル通り読むとカマナハリなのですが、地元の人はhをほぼ読まずカマナリと発音しています。
ここはKamanahalli Main Streetを中心とした中規模の商業エリアで、生活に必要なものはほぼ揃うので非常に便利でした。
Kamanahalliはかつては酒屋が立ち並び酔っ払いが跋扈するかなり治安が悪いエリアだったそうですが、今ではすっかり改善されて人気エリアと化しています。酔っ払いの代わりに誰がこの街を形成するようになったのかというと、「国内移民」と「外国人」です。
昔はKamanahalliに住みたい人なんか全然いないという状況でしたが、街が浄化されていくのに続いて移民が住み始めるようになりました。特にKamanahalliには北東インドから出稼ぎに来ている人が多く、体感5〜10%ぐらいは東アジア顔のインド人で占められています。そのため、日本人が歩いていてもあまりジロジロ見られることがないのです!これはQOLを上げる大きな要因ではないでしょうか。
また、もう一つ大きな勢力がこの街を形作っています。それが、「イエメン人」です。
ご存知の方も多いと思いますが、2015年から始まり今も続くイエメン内戦の影響は甚大で、シリアと並び膨大な数の難民を発生させてしまったのです。また、国内が荒廃したことによって就労や教育の機会を得るためにインドを目指すイエメン人が増加していったのです。欧米とかより物価が安くてビザが降りやすいのでしょうかね?詳しい事情は分かりません。
そしてその大規模イエメン人コミュニティが存在するのがここKamanahalliなのです。街を歩いているとイエメンの民族衣装を着た人を時々見かける他、アラビア語があちらこちらから聞こえてきます。こちらも体感人口の5〜10%に迫るぐらいイエメン人だらけです。地元のインド人とイエメン人は自虐的にYemenahalliと呼んだりもしています。
イエメン人を相手にする商売というのも発展しており、アラビア語で看板が書かれた英語学校や両替所、中東料理屋が数多く存在します。それどころかここだけの話、イエメンの究極の嗜好品、(恐らくインドでは違法の)カートを密輸して販売している業者さえいます。

イエメン人と一緒に中東料理屋でMandi食った時の写真です

また、イエメン人以外もオマーン人やサウジアラビア人、スーダン人等のアラブ系も少ないながら住んでいます。
イエメン人に次いでアフリカ系(主にケニア、エチオピア、ナイジェリア出身)もそこそこ住んでいます。自分は彼らとほぼ関わったことがないので何をしているのかなど詳しいことはよく分かりません。ただ、夜12時を過ぎるとアフリカ系の女性がメインロードで立ちんぼしていることは知っています。これどこまでいけていくらぐらいなんですかね。買ってる人も見たことがないです。有識者いたら教えて下さい。

とまあ、まとめるとバンガロールというインドの中でも異質な都市のさらに異質な街に住んでいました。
そのためか、北インドを旅行した時、インドってこんな国だっけ?と頭がバグります。Kamanahalliはなんとなく怪しい感じのする街ですが、実際はそんなことはなく、むしろ住めば住むだけ愛着が湧いてくる街です。

今回はこの辺で
次回はKamanahalliのおすすめレストランやバンガロールの生活ガイド、観光地紹介なんかをしようと思います。暇な時に書きます。

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