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イカルと休む

 本作品は、バンドデシネ界の巨匠メビウスと平成日本漫画界の至宝谷口ジローとの共作だ。原作メビウス、作画谷口ジロー。本作品は浮遊・飛行をテーマにしたSF作品だ。とても残念なのは本作品は完結しておらず、ストーリーとしては分からないことも多く不完全燃焼感がある。とても面白くなりそうなのに本当に残念だ。なので谷口ジローの絵を楽しむのが良いと思う。

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早速、浮遊する赤ちゃん。月と都市の俯瞰図が丁寧に描き込まれていてとても気持ちいい。この浮遊感がとてもよい。

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こういう1ページ使った迫力ある浮遊感あるページは圧巻だ。

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 こういうコマも良い。色んな形で、特に効果線少なめに浮遊感を表現しているコマが特に良いなと感じる。

 ところで、インサイドメビウスでもメビウスは度々空を飛ぼうとしたり浮遊しようとしたりしている。本作品でも浮遊・飛行というのが主要なテーマになっているようにも感じる。メビウスにとって浮遊・飛行というテーマに興味を持った理由はすごい気になる。日本の漫画ではドラゴンボールに慣れているせいか漫画でキャラクターが(機械や道具に頼らず)空を飛ぶというのはそれほど違和感がない。思えば宮崎駿のアニメもわりと空を飛ぶ。それほど、日本の読者にとっては浮遊や飛行は馴染みのあるものだと思われる。

 本作及びインサイドメビウスを読んで、メビウスのキャリア後半において浮遊や飛行に拘ってた理由について是非議論してみたい。


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