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はじめてのフィリピン滞在で得た新たな価値観

私は5年前、20代後半でフィリピン・セブ島に滞在していたことがあります。

目的は語学学校でのインターンシップに参加するため。

「インターンシップ」ときくと、大学生が就職前に体験として企業で行うケースが多いですが、私は自身の留学体験を活かして留学生をサポートしたいという気持ちからインターンシップへの参加を決意しました。

日本人経営の語学学校にて、学校スタッフとして活動していましたが、業務よりも現地での生活の方がかなり印象深く、人生について考えさせられることが多いことに気づきました。


セブ島といえば、ビーチがきれいな人気観光地をイメージをする人が多いと思います。しかし、私が滞在していたのは、セブシティと呼ばれる、ビーチがないシティエリアでした。

ザ・発展途上国という印象が強く、最初は自分が滞在していたエリアがスラム街だと思っていました。(後でマネージャーから、そこはスラム街じゃないと教えてもらいました苦笑)


平日の日中には子供が学校に行かず外で遊んでいたり、痩せ細った女性のホームレスがいたり、人々が捨てたゴミでできた道ができていたり、空気が汚くて咳が止まらなかったり、驚くことばかりでした。

しかしそれと同時に、自分が日本でどれだけ恵まれた生活をしていたのかということに気づけるきっかにもなりました。

セブ島で1番印象に残ったのはスモーキーマウンテン(ゴミ山)。あるご縁で日本人の友人に付いていくことになり、その大きなゴミ山を目にしました。

とにかく悪臭がすごくて、マスクはずっとつけていないとキツかった……。

スモーキーマウンテンを歩いて見つけたのがテントのような家。棒や布でつくられたその小さな住まいには、ある家族が住んでいて、生後半年くらいの赤ちゃんもいました。

外だけでなく家の中にもハエが飛び回り、その赤ちゃんの肌には赤いブツブツができていました。

こんな悪環境で暮らしながらゴミを拾って生計を立てている人がいることに驚くとともに、私は悲しい気持ちになりました。

そして心の中でこんなことを思いました。

・もし自分が日本ではなくフィリピンで生まれていたらどうなっていたのだろう
・もし自分がフィリピン人として生まれてゴミ集めをして生活しないといけなければどうなっていたのだろう

日本人はフィリピンの人たちよりもお金を稼いでいる。食事や住む場所にも困っていないのに、先進国の中では幸福度は低く、常に将来への不安を感じています。

一方でフィリピンの人々は少ないお金を稼ぎながらも笑顔の人が多い。そしてお金はなくても心が豊かな人がたくさんいます。

物にあふれた生活や衣食住が当たり前になると、感謝の気持ちを忘れがち。

学校に通えるのはありがたいこと。
勉強が嫌いと言えるのもありがたいこと。
好き嫌いできるのもありがたいこと。
お腹いっぱいになれるのもありがたいこと。
あたたかい布団で寝られるのもありがたいこと。
助けてくれる人がいるのもありがたいこと。
そして明日があるのもありがたいこと。

日本の中だけにいると、外の世界がまったく見えません。

もともとインターンシップのためにフィリピンへ行きましたが、それ以上に、新たな価値観を得て、普段の生活の中で自分が感謝すべきことに気づくことができました。

気分が落ち込んでいるときや仕事へのモチベーションを失ってしまったとき、私はこのフィリピンでの体験を思い出すようにしています。

好きなことや挑戦できる環境にいられることを改めて実感するとともに、これからも感謝の気持ちを忘れずに生きていきたいです。



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