知識を有効活用するために
コンビニに立ち寄るとつい、アイスに手を伸ばしそうになる。
最寄りのコンビニは会計列のすぐ横にアイスクリームコーナーがあって、レジが混んでいると必然的にアイスクリームが視界に入るのだ。
けれど、私は自分の誘惑にはそうそう負けない。
なぜなら、今の自分は知っているからである。
アイスクリームの正体を。
奴らが砂糖と脂肪の塊だということを、知っているからである。
同じカロリーを摂取するなら、サラダチキンを2本でも食べたほうが、体にはよっぽどいいことを知っている。
子どもの頃には知らなかったことを、今はたくさん知っている。
コンビニのおにぎりは添加物盛り盛りだということ。
大概の病気は食事と睡眠で治すことができること。
スマホに集中力が大きく削がれていること。
自分の能力でお金を稼ぐのは難しいこと。
成功者は大変な苦労を味わってること。
人間は論理でなく感情で動くこと。
失敗しても人生は続くこと。
自分は特別でないこと。
知識はたくさん増えたけど、思い通りに生きることは相変わらず難しい。
情報は溢れているけど、自分に合う選択をできるかは全く別の話。
子どもの頃に比べたら自由に動けるようにはなった。
けど、その分失敗することも増えた。
失敗して、失敗して、
ほんの少しだけ成長して、
また失敗して。
そんな人生。
失敗を恐れて塞ぎ込んでいたらそれこそ人生が詰んでしまうから、動くことだけはやめていない。
最近は、納得をつけることを意識している。
行動に対して、「これで良かった」と思える材料を探す。
とった行動は変えられないから、その行動を少しでも良いものにする他ない。
だもんだから、そのように意識を働かせている。
行動には理由があるものだ。
なんとなくとった行動にもちゃんと自分なりの理由がある。
そうしたいからしたのだと。
ここを意識できてないと、他人のせいにしたりしてしまうのだろう。
そんな大人にはなりたくない。
今日はコンビニでアイスを買った。
無論食べたいから買った。
こいつが砂糖と脂肪の塊だということは知った上で、食べたいから買ったのだ。
こいつを食べている瞬間は幸福で満たされる。
その幸福を味わうために買ったのだ。
作業詰めで疲れている自分を癒すために買ったのだ。
アイスで氣分が上がれば、その後の作業も頑張れる。
これで良かった。
これで良かったのだ。
知識がいくらあっても自分を満たせなければ意味がない。
自分を働かせるのは自分自身なのだから。
私は元来、自己肯定感が低い人間だけど、最近は思考の転換に励んでいる。
節ごとに「これで良かった」と唱える人生も悪くない。
もう少し続けてみよう。
根本が覆る可能性すらありそうだ。
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【処女作】
『スポットライトを浴びたくて……』
【新作漫画】
『いいねなんかがあるせいで、』
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