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ゴミを漁るサイコパス男

写真を私がゴミ箱から持ち出した日、私が学校から帰宅すると彼は既に家に帰ってきていた。

嫌な予感がした。

”ゴミ箱の中身はどこに行った?”

やはりゴミ箱をチェックしたのだ。

”共用のゴミ捨て場に他のゴミと捨てた。”

彼は少し微笑んで

”そういうことをするだろうと思って、僕は君が家を出た後共用のアパートのゴミ箱を全てチェックしたんだよ。そこには写真だけがなかった”

え?
あのゴミの山を漁った??
嘘でしょう?!

私は後戻りできず、

”捨てたよ”

そう言ったが、彼は

”嘘をつくな。僕は朝から夕方までずっとくまなく探したんだよ。絶対になかった。どこにやった?”

彼は冷静だった。

彼が本当にあのゴミ捨て場で、ゴミを漁ったのかどうかはわからない。
でも時々見えるおかしい部分に、やるかもしれないとも思った。

普通、共用のゴミ置き場など漁らないだろう、漁る奴がいたとしたら普通ではないと思うほど汚い場所だ。

”私はゴミ箱に捨てたのは間違いない、もしそこになかったとしても私にはそれ以上のことはわからない”

元かが写っていない写真もあったなどと言っても通じないような気がしたから、変な言い訳はしなかった。

”私は写真は捨てた。それ以上どうしようもない。”

それで押し通したが、彼は全く納得がいっていない様子だった。

私は怖いと思った。
でもこの時は、まだ私の方が強かったのだと思う。
彼はどこかで私を怒らせないように注意深くしていた様に見えた。

ただそれは捕まえた獲物を洗脳するための、彼の我慢だったのだ。
彼は今ではなくて、もっと未来のことを見ていたのだ。
この先ずっとずっと洗脳して、彼に従える人間を見つけるために。


後々この写真の件も、彼が私を殴る理由とするのだった。


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